FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:貿易戦争激化懸念でリスク回避

中国の通信機器大手ファーウェイの副会長が逮捕され米中『貿易戦争』激化懸念が膨らみ寄り付きからリスク回避の動きとなった。そのため、中国関連株や電子部品関連株などに売りが広がり一時下げ幅を600円に広がった。結局、前日比417円安の2万1501円と大幅続落で終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買い強まる

ドル/円は、中国の通信機器大手ファーウェイの副会長が、米国の要請でカナダ当局に逮捕されたことから調整色が強まり、112.75円付近まで下落した。日経平均株価の大幅安や中国株安も、リスク回避の円買いを誘った。午後もこの流れは続き、日経平均株価や米長期金利の低下をながめて更にドル売り・円買いが進み112.57円近辺まで下落した。ただ、心理的節目の112.50円が意識されると下げが一服し、112.70円台でもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.13ドル台半ばで方向感に乏しい展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日本の経済見通しは暗い:消費税の引き上げで成長鈍化

11月下旬に経済協力開発機構(OECD)は、9月報告で1.2%としていた2018、19年の日本の経済成長率見通しを、それぞれ0.9%と1.0%に下方修正した。保護主義的な政策が広がるなかで、世界貿易の鈍化懸念が主な背景である。2020年では、19年10月に予定されている消費税引き上げの影響により0.7%まで成長率が下がるとの予測である。
11月末に国際通貨基金(IMF)は、日本の経済情勢を分析する報告書で『現行政策のままだと、今後40年でGDPが25%以上減少する可能性』とショッキングな内容を公表した。出生率が上昇せず、確実となっている人口減が1つの要因としている。成長減速は止められないが減少の勢いをくい止めるには、フルタイム労働の意欲を上げる税制・社会保障制度の見直しや、企業統治や貿易制度の改革の徹底が必要と提言している。

 

★18-19日の米FOMCのドットチャートに注目

米国の長短金利が逆転する逆イールドは、11月28日のパウエル米FRB議長の発言によって生じた。同議長の真意は不明である。そのため、今月18-19日に行われるFOMCが非常に重要なポイントとなる。今回は0.25%の利上げが予想されているが、ほぼ利上げは確実視されている。問題は来年以降の利上げのペースを示すドットチャートである。直近のドットチャートでは、2019年の中央値が3.13%、2020年が3.38%ということなので、2019年は3回の利上げ、2020年は1回の利上げという予想となっている。今回のドットチャートで下方修正されるようなら、警戒感が強まる可能性もある。

 

米中首脳会談時にファーウェイの身柄を拘束

本日朝早くに『ファーウェイCFO兼副会長逮捕』一報が飛び込み、NY先物は取引開始直後に480ドルを超える急落となった。その後は買戻しの動きもみられたものの、300ドル超の下落のままとなっている。今回の逮捕劇は、12月1日の米中首脳会談が行われた当日に、米国の要請を受けて、カナダ当局が身柄を拘束していたことが判明した。明日にも『法廷審問』が行われる予定となっている。トランプ米大統領が『ファーウェイ製品を使うな』と叫んでいるうちはまだ良かったが、『事実上のナンバー2の逮捕』となったことでネガティブサプライズとなった。記憶に新しいところでは、2017年4月6日の米中首脳会談で中座してシリア空爆の命令を出したことだ。今回も首脳会談の夕食会での逮捕劇の話しとなった可能性がある。これには中国サイドもサプライズとなったと想像できる。

 

米国株の強気相場も終焉か?

米S&P500の「シラーPER」は11月中旬に31.47倍に上昇し、割高感が醸成されつつある。シラーPERはノーベル経済賞受賞エール大学ロバート・シラー教授が1988年に考案した『CAPEレシオ』(Cyclically Adjusted Price Earnings Ratio)景気循環調整後PER(株価収益率)で過去に30倍を超えたのは、2000年ITバブルと1929年NY株式の大暴落直前の2回しかない。さらに、米国株の時価総額の対名目GDP比率である「バフェット指標」が今年9月30日に147%まで上昇し、1989年の日本株バブル相場の145%を突破した。米株10月相場の急落により11月末現在、同指数は134%に低下したが、未だ過去最高水準にあり長期投資家の買いはもはや期待できそうにない。米ヘッジファンド・リサーチによれば、今年のヘッジファンドの年初来の運用成績は-5%と苦戦を強いられ、特に世界株安となった10-11月が過去数年で最も悪いパフォーマンスへと転換した。11月末で締め切った投資家からの解約が大規模でヘッジファンドは未だ解約台頭のキャッシュ化売りを続けている。

 

米国市場では10月貿易収支が公表

9月実績は▲540億ドルとなった。貿易赤字は4ヵ月連続で拡大しており、モノとサービスの輸入額は過去最高を記録した。10月については、資本財の輸入額がやや減少すると予想されているが、携帯電話、衣料、家庭用品などの輸入額は若干増える可能性があることから、10月の貿易赤字額は9月実績とほぼ同水準になる可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:00   10月独製造業新規受注(予想:前月比▲0.4%/前年同月比▲3.1%)
○16:30   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○18:00   7-9月期南アフリカ経常収支(予想:1760億ランドの赤字)
○19:00   ラムスデン・イングランド銀行(英中銀、BOE)副総裁、講演
○21:30   11月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:15   11月ADP全米雇用報告(予想:19万5000人)
○22:30   10月カナダ貿易収支(予想:7億カナダドルの赤字)
○22:30   7-9月期米非農業部門労働生産性・改定値(予想:前期比2.3%)
○22:30   10月米貿易収支(予想:550億ドルの赤字)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22万5000件/170万人)
○22:35   ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○23:45   11月米サービス部門PMI改定値(予想:54.4)
○23:45   11月米総合PMI改定値
○24:00   11月カナダIvey購買部協会景気指数(予想:59.7)
○24:00   11月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:59.2)
○24:00   10月米製造業新規受注(予想:前月比▲2.0%)
○7日01:00   EIA週間在庫統計
○7日02:15   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○米財務省3年、10年、30年債入札条件
○石油輸出国機構(OPEC)総会(ウィーン)
○6-7日   11月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%)

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