FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:FRBの利上げが積極的になるとの観測を嫌気

前週末の米国株式市場は大幅続落した。5月の消費者物価指数は前年同月比8.6%上昇、1981年12月以来、40年5ヵ月ぶりとなる予想以上の大幅な上昇率を記録した。そのため、連邦準備理事会(FRB)が一段と積極的に利上げを行うとの観測が高まっている。これを受けて、日本株も朝方から売り優勢の展開になった。米国市場で大型ハイテク株の他グロース系の銘柄売られた流れそのままに、指数寄与度が大きい半導体関連や値がさハイテク株が値を崩した。前場のTOPIXが2%超安となったことで、後場は日銀のETFの買いが相場を支えるとの思惑の声も聞かれたが、戻りは限定的だった。結局、前営業日比836円安の2万6987円終了した。

 

東京外国為替市場:135.22円近辺から持ち高調整のドル売り

ドル/円は、オセアニア市場で10日に発表された5月米消費者物価指数(CPI)が予想を大きく上回り、米FRBの利上げペースが加速するとの思惑からドル買いが先行、134円台前半から134円台後半へ水準を切り上げた。東京市場に入っても、堅調地合いは続いて米長期金利が3.19%近辺へ上昇すると、さらにドル買いが進んだ135.00円まで値を上げた。仲値にかけて国内輸入企業のドル買い・円売りが通常より多く観測されたことも、ドル/円の押し上げ要因となった。午後に入ると、米金利先行観が強まるなかで上値を試す展開となり、一時135.22円付近まで上伸して1998年10月以来のドル高・円安を更新した。その後、黒田日銀総裁が参議院決算委員会に出席し、『急速な円安進行、経済にマイナスで望ましくない』『政府と緊密に連携しつつ、為替動向を注視していく』などと発言すると、持ち高調整などのドル売り・円買いで134円台後半へ押し戻された。ユーロ/ドルは、米長期金利上昇を手掛かりとしたドル買いが一巡すると、1.04ドル台後半で方向感に欠ける値動きとなった。

 

ドル買い比率は小幅低下:ユーロ買い比率は上昇

QUICKが13日に算出した店頭の外国為替証拠金(FX)5社合計(週間)の建玉状況によると、10日時点で『ドル/円』鳥非違の総建玉に占めるドル買い比率は56.3%と前の週末から0.4ポイント低下した。前週半ばにかけて円相場は1ドル=134円台と約20年ぶりの安値を更新した。急ピッチな円安進行で個人投資家から利益確定を目的とした円買い・ドル売りが入った。一方、政府・日銀が円安けん制を強めたことで円相場は急伸する場面もあり、円売り・ドル買いも出た。ユーロの買い比率は大きく上昇している。『ユーロ/ドル』取引では、ユーロ買い比率が57.7%と前の週末から9.4ポイント上昇した。『ユーロ/円』は取引では、ユーロ買い比率が前の週末比8.9ポイント高い22.5%となった。欧州中央銀行(ECB)は9日の理事会で7月の利上げ開始を表明した。9月には利上げペースを加速する市姿勢を示したものの、欧州景気が一段と下振れするとの警戒感からユーロがドルや円に対して下落する場面があり、相場の流れに逆らう『逆張り』傾向のある個人投資家はユーロ買いに動いた。

 

中国5月の新車販売台数は12.6%減

中国汽車工業協会(CAAM)が発表した2022年5月の新車販売台数は、前年同月比12.6%減の186万2000台となり、下落率が4月から35ポイント縮小した。前月比で57.6%増えた。車種別では、乗用車が前年同月比1.4%減の162万3000台と小幅な落ち込みだったものの、商用車は50.5%減の23万9000台と半減した。新エネルギー車の国内販売台数は40万4000台で、前年同期比102.8%像、前月比40.2%増と急成長が続いた。半面、従来型燃料車の国内販売台数は前年同期比31.8%減、前月比27.6%減の121万3000台に落ち込んだ。1-5月累計の新車販売台数は961万8000台と、前年同期比9.6%減少した。車種別内訳は乗用車が30.4%減の819万6000台、商用車が39.4%減の142万2000台。新エネルギー車の国内販売台数は108.7%増の182万9000台、従来型燃料車の国内販売台数は27.6%の675万7000台だった。CAAMは、6月以降は自動車購入税引き下げなどの政策が効果を表し、6月も自動車の好転が続くと見ている。

 

トルコの経済指標改善した場合でもリラはに買いづらい展開

今週のトルコリラ/円は、まずは本日発表の(トルコ中銀も懸念している)経常赤字の幅を見極め、鉱工業生産で足もとの経済活動状況を確認することになる。経常収支は前回55.5億ドルの赤字を記録し、鉱工業生産の前回値は前月比1.8%減だった。指標結果が改善した場合、このところ強まり続けているリラ売り圧力が幾分和らぐかもしれない。しかしながら、トルコ政府は高騰するインフレに成す術もなく、エルドアン大統領は先週、『更なる利下げ』にまで言及した。トルコ中銀は大統領に付いていくだけであり、独立性を完全に失っている。物価の番人という役割を放棄した中央銀行の国の通貨は、買いづらさが常に意識された。先週は米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、トルコでは資本規制リスクが高まっていると警告した。同国財務省は自由市場経済ということを強調したものの、週末にかけてトルコ5年債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が急騰するなど、市場のトルコ金融市場への警戒感は高まっている。

 

南アでは中長期的には懸念材料が多い

1-3月期のGDPが市場予想を上回ったことも好材料である。ただ一方で、4月にGDPで2番目に貢献度が高い地域(クワズールナタール州)で大規模洪水がおきた影響が懸念されている。また、4-5月には国営電力会社エスコムの電力負荷制限がより多発しているほか、GDPの約3分の2を占める家計支出がインフレの影響で落ち込みが予想されており、4-6月期のGDPに対する不安は高まっている。短期的にランドは対円では底堅いが、中長期的には懸念材料が多くある。

 

メキシコ中銀の金融引き締め期待がペソの支え

基本的にはメキシコ中銀による強力な金融引き締め政策、および日銀の緩和政策維持という金融政策の明確な方向性の違いを意識した円売り・ペソ買いのトレンドは継続する可能性が高い。先週発表されたメキシコCPIは前年比で+7.65%と前回からや若干ながら鈍化したものの、依然として歴史的な高水準した。先日、中銀が発表した四半期インフレリポートでは、インフレのピーク時を2022年第2四半期の+7.6%としており、現在のところは中銀の想定通りとなっている。ただ、来月のCPIでさらに強い結果になるようだと、中銀による金融引き締め期待が一段と高まることになる。

 

米5月消費者物価指数は予想外に40年ぶりの最大の伸び

米労働省が発表した5月消費者物価指数(CPI)は前月比+1.0%となった。伸びは4月+0.3%から予想以上に拡大し3月来で最大。前年比では+8.6%と、予想外に4月+8.3%から拡大し1981年12月以降ほぼ40年ぶり最大を記録した。ガソリン価格の上昇が押し上げた。変動の激しい燃料や食料品を除いたコアCPIは前月比+0.6%。鈍化予想に反し4月と同水準。前年比では+6.0%と、4月+6.2%から伸びが鈍化も予想を上回った。

40年ぶり高インフレが政権批判に直結する以上、バイデン政権が怯えるのは、1977年の政権発足時に5%だったインフレ率が2年後に10%を突破して70%だった政権支持率が30%を切ったカーター政権の二の舞にである。

 

欧米市場イベント

○15:00   4月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%)
○15:00   4月英鉱工業生産(予想:前月比0.2%/前年比1.7%)
○15:00   4月英製造業生産高(予想:前月比0.2%)
○15:00   4月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:225.00億ポンドの赤字/108.00億ポンドの赤字)
○16:00   4月トルコ経常収支(予想:28.5億ドルの赤字)
○16:00   4月トルコ鉱工業生産
○17:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○17:00   シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○20:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○21:00   5月インド消費者物価指数(CPI、予想:前年比7.10%)
○14日03:00   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)副議長、討議に参加
○オーストラリア(女王誕生日)、ロシア(ロシアの日の振替休日)、休場

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