FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

日経平均株価:リスク回避の動き強まりほぼ全面の商状

朝方に安く寄り付いた後も、短時間で下げ幅を拡大した。ウクライナを巡る地政学リスクや米金融政策正常化への懸念がくすぶる中、米株価主要3指数の先物が軟調に推移し、投資家心理が冷やされた。半導体関連など高PER銘柄だけでなく、バリュー株にも売りが広がり、ほぼ全面安の商状となった。心理的節目の2万7000円を割り込み、2万6890円まで下げる場面があった。結局、前営業日比457円安の2万7131円と20年8月20日以来の安値となった。

 

東京外国為替市場:地政学リスクと株価安でドルの上値の重い展開

ドル/円は、日経平均株価の大幅安やNYダウ先物の下げ幅拡大を眺めたドル売り・円買いに押され、113.75円付近まで下落した。ウクライナ情勢を巡る地政学リスクを警戒したユーロ/円のユーロ安・円高が波及した面もあった。午後に入っても軟調地合いは続き、日経平均株価の下げ幅が一時600円を超えると、さらにドル売り・円買いが進んで113.67円付近へ下落した。ただ、本日から開催される米FOMCの内容を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルの押し目買いが入り、113.80円付近へ値を戻した。ユーロ/ドルは、1.1310ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国の春節前の市場動向に注意

中国市場では1月31日から2月4日にかけて、春節(旧正月)の長期連休となる。長期連休の前にかけては、①中国人民銀行による連休配慮の資金供給強化(リスク選好)、②中国などアジア系投資家による株式などの処分(リスク回避)、③中国政府による北京五輪の成功に向けた経済と金融市場の安定化の努力(リスク選好)などが焦点になる。

 

トルコはウクライナ問題で国際的なプレゼンスを高めることが出来るか

東欧の安全保障を巡り、英米を中心とした西側諸国とロシアの間で緊張が高まっている。トルコは北大西洋条約機構(NATO)加盟国であり、ウクライナはトルコ製・軍用ドローンの優良顧客でもあることから、トルコの表向きの立場は西側寄りではある。しかしながら、トルコの主要産業である観光業はロシアなしでは成り立たず、ガス供給もロシアに頼るところが多いのが現状である。露製地対空ミサイルの配備も決めており、トルコは実際にはNATOとロシア間の板挟み状態と言える。トルコにとって国際的なプレゼンスを高めるチャンスでもあるが、これまでのところNATOから頼られるわけでもなく、ロシアの態度を和らげることもできていない。ただエルドアン大統領が、ゼレンスキー・ウクライナ大統領とプーチン露大統領にトルコでの会談を提案したとされ、今後はそれが受け入れられるかが注目される。

 

南アでは感染の早期収束が進む期待が高まる

昨年末に南アフリカで確認されたオミクロン株は全世界的に感染拡大の動きが広がっている。ただし、同国では感染が急拡大するも、その後は一転して頭打ちするなど比較的早期に収束が進む期待が高まった。集団免疫の獲得や若年層の多さといった特殊性が影響しているとみられたが、同国以外でもオミクロン株は感染が急拡大する一方で早期に頭打ちする動きがみられる。同国でも頭打ちが進んでおり、オミクロン株は感染力が高い一方で重症化率は低いという他の国々でみられる状況を示していると捉えることが出来る。景気回復期待はある一方、中長期的には経済構造の脆弱さが露わになる懸念もあり、厳しい展開が続くと予想される。

 

電力国有化に向けた憲法改正案可決ならメキシコの格下げの可能性も

国内でのリスクとしては、ロペスオブラドール大統領が可決を急いでいる電力国有化に向けた憲法改正案である。国営企業を優遇化して国内外の民間企業を軽視しているとの意見が多数占めるなか、2月には審議が開始されることになっている。もし、これが押し通れば大統領の独裁が印象付けられ、海外からの評価は一段と厳しくなると思われる。先日には米大手銀行が最新レポートで、この法案が可決されれば信用格付け引き下げの可能性に直面すると発表した。また、グランホルム米エネルギー長官も21日にメキシコ当局関係者との会談のなかでこの法案が電力市場にリスクをもたらすと警鐘を鳴らした。格下げとなれば、これまで積み上げていたペソの買い持ちを一気に解消する動きにもなりかねず、2月の国会を前に警戒感は高まっている。

 

年初の季節的な米国株安:2月上旬にかけて底入れの傾向

米国株は季節的な『年前半の株安混乱』が再現されているが、過去実績では2月上旬にかけて底入れ傾向がある。米国株市場では1月13-14日前後から決算発表が本格化しているが、良好な内容の企業がある一方、すでに当座の決算改善は織り込みが進んできたこともあって、失望反応が目立っている。同時進行での米FRBによる金融緩和見直しの加速警戒や米国債金利の上昇圧力、資源高の再燃や根強い供給・人手制約によるコスト悪化懸念、コロナ感染の再増加もあって、米株NYダウは13-14日から下げ幅を拡大させている。もっとも米国株は今年だけでなく、過去にも年前半に短期調整的な株安混乱に見舞われる季節パターンが繰り返されてきた。最近では2020年、19年、18年、16年などで、年前半にかけての株価急落が観測されている。季節的な年前半の米株安については、①前年末にかけての年末商戦などによる景気上振れの反動、②連動する形での米国株の『年末高』傾向の反動、③年末高で盛り上がった企業業績の改善期待が、1月上旬からの決算発表で修正が入る傾向、④各年の年末にかけて、FRBの政策修正や見通し修正が入る季節性、⑤年明け新規運用資金の年明け『急流入』の反動剥落や、1月決算発表が一巡するまでの配分様子見、といった要因がある。

 

米国企業の決算発表:悪化失望への警戒感続く

米国株市場では今週以降に決算発表が残されている。前週までにはITハイテク企業などで、コロナによる『リモートと巣籠もりの特需一服』などが示され、失望の株安が後押しされてきた。今後の決算発表も、失望や当座の収益回復一服などが警戒されやすい。その反面、米国株市場では前週までに、一定の決算悪化を織り込む形で株安が進展してきた。決算悪化への抵抗力も見られつつあり、今週以降は『当座の悪材料の出尽くし』や『懸念ほどには決算が悪化しない』ケースによる米株の反発も焦点となる。その場合はリスク回避の緩和により、ドル/円とクロス円で外貨高・円安が支援される。

 

欧米市場イベント

○17:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○18:00   1月独Ifo企業景況感指数(予想:94.7)
○23:00   11月米住宅価格指数(予想:前月比1.0%)
○23:00   11月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比18.0%)
○24:00   1月米消費者信頼感指数(予想:111.8)
○24:00   1月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:14)
○26日03:00   米財務省、5年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○国際通貨基金(IMF)、世界経済見通し公表

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