FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2023/10/04/06:47:17

米国株式市場は大幅下落:金利上昇を警戒した売り優勢に

NYダウは430.97ドル安の33002.38ドル、ナスダックは248.31ポイント安の13059.46ポイントで取引は終了した。金利上昇を警戒した売りが続き、寄り付き後は下落した。8月JOLT求人件数が減少予想に反して増加に転じたため強い労働市場を受けて連邦準備制度理事会(FRB)が追加利上げに踏み切るとの観測が強まり、更なる売りに拍車がかかった。また、民主党議員の協力を仰ぎ11月中旬までのつなぎ予算を成立させ政府機関閉鎖回避にこぎつけたが共和党内の保守強硬派からの反発にあいマッカーシー下院議長が解任されるリスクが上昇し政局不安がさらなる売り材料になり終日軟調に推移した。終盤にかけて下げ幅を拡大し終了した。VIX指数は17.61から19.78へ上昇した。

 

NY外国為替市場:為替介入への警戒回強まるなか一時ドル/円は急落

ドル/円は、8月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が961.0万件と予想の880.0万件を大幅に上回ったことが伝わると、米金利の上昇とともにドル買いが先行した。節目の150円を突破し、一時150.16円と昨年10月21日以来の高値を更新した。そのあとは政府・日銀による為替介入への警戒が高まる中、まとまった規模の円買いのフローが入ったことで一時147.43円まで急落したが、すぐに149円台前半まで持ち直すなど、神経質な値動きとなった。「政府・日銀が介入に踏み切った可能性がある」との見方も浮上し、売買が交錯した。ある市場関係者からは「節目の150円台に乗せたあとは、介入への警戒感が強まり乱高下につながった。米長期金利の上昇が続く中、円安が今後どこまで進むのか見通せない状況だ」との声が聞かれた。なお、財務省幹部は為替介入の有無について「ノーコメント」と回答した。

 

ユーロ/ドルは、米雇用指標の上振れをきっかけに米長期金利が上昇すると全般ドル買いが進行し、一時1.0448ドルと昨年12月7日以来の安値を付けた。なお、米長期金利の指標である米10年債利回りは一時4.8081%前後と2007年8月以来の高水準を記録した。
ただ、売り一巡後は下げ渋る展開になった。昨年12月7日の安値1.0443ドルがサポートとして意識されたほか、ドル円の急落をきっかけにユーロに対してもドル売りが出た。

 

NY原油先物市場は4日ぶりに反発:一時90ドル台を回復する展開

NY原油先物市場は87.76ドル‐90.27ドルのレンジ相場となった。時間外では87ドル後半まで下値を広げた。トルコ経由でイラク産原油を運ぶパイプラインに稼働再開の見通しが立ち、需給ひっ迫懸念の後退が売りに繋がった。もっともニューヨーク勢の参入後からは買い戻しが優勢になった。4日に石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国で構成する「OPECプラス」がパネル会合を開催する。話し合いはこれまでの合意に沿った内容とされているものの、会合を前にした持ち高調整で一時90.20ドル台まで上昇した。アジア市場で87.76ドルまで売られたが、ポジション調整的な売りはロンドン市場の序盤までに一巡し、米国市場の後半にかけて90ドル台前半まで戻した。ただ、米長期金利の上昇や株安を意識して上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に89ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は7日続落:米長期金利上昇が重しに

NY金先物市場は1830.90‐1849.30ドルのレンジ相場となった。予想より強い8月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数を受けて米長期金利がこの日も上昇し、為替はドル高が進行した。金先物にとっては逆風となり、一時1830ドル台まで売り込まれた。その後にドル円主導でドル売り戻しが強まると反発し、前日比プラス圏まで一時回復した。しかしながら、高止まりする米金利が依然として上値の圧迫要因となった。アジア市場で1830.90ドルまで下げたが、押し目買いが入ったことで反転し、米国市場の中盤にかけて1849.30ドルまで値を戻した。ただ、米長期金利の上昇を受けて買いは縮小し、通常取引終了後の時間外取引ではおおむね1840ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:堅調な雇用情勢を背景に売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)5.15%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.11%高い4.79%で終了した。8月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を上回ったことが分かると、堅調な米雇用情勢を背景に米連邦準備理事会(FRB)が高い政策金利をより長く維持するとの観測が強まった。利回りは一時4.8081%前後と2007年8月以来の高水準を付けた。メスター米クリーブランド連銀総裁が「現在の経済状況が維持されれば、次回会合で利上げを支持する可能性が高い」と述べたことも相場の重し。

 

 

 

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2023/10/03/06:51:59

米国株式市場はまちまち:米長期金利上昇が警戒され売り優勢

NYダウは74.15ドル安の33433.35ドル、ナスダックは88.45ポイント高の13307.77ポイント取引で終了した。追加利上げ観測が根強く長期金利上昇が警戒され、寄り付き後は下落した。9月ISM製造業景況指数や製造業PMI改定値が予想を上回ったほか、連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事が複数回の利上げの必要性に言及するなどFRB高官がタカ派姿勢を維持したため金利が一段と上昇し、10年債利回りが2007年来の高水準に達すると、NYダウは売りが加速した。一方、ナスダックは押し目買いが目立ち、上昇に転じると、終日堅調に推移してまちまちで終了した。VIX指数は17.52から17.61へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドルは底堅く推移

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)が高い政策金利をより長く維持するとの観測が強まる中、米長期金利が大幅に上昇すると円売り・ドル買いが先行した。9月米製造業PMI改定値や9月米ISM製造業景況指数が予想を上回ったことも相場の支援材料となり、一時149.87円と昨年10月以来の高値を更新した。ただ、心理的節目である150円に迫る中、政府・日銀による為替介入への警戒感は根強く、上昇のスピードは緩やかだった。株安を背景にクロス円が下落したことも相場の重しになった。NY時間の安値は149.69円で値幅は18銭程度と小さかった。

 

ユーロ/ドルは、米10年債利回りが一時4.7014%前後と2007年10月以来の高水準を記録するなど、米長期金利が上昇傾向を強めると全般ドル買いが優勢となった。取引終了間際に一時1.0477ドルと昨年12月7日以来の安値を付けた。ユーロ圏景気の減速懸念から全般ユーロ売りが出やすい面もあった。

 

NY原油先物市場は大幅3日続落:生産量が需要を上回る可能性を嫌気

NY原油先物市場は88.46ドル‐91.88ドルのレンジ相場となった。週末発表の中国経済指標が良好だったことや、米政府機関の一部閉鎖が回避されたことが好感され、時間外では一時91ドル後半まで上昇した。もっともニューヨーク勢の本格参入後から一転し売りが優勢になった。S&Pグローバル副会長の発言「石油輸出国機構(OPEC)非加盟国が原油生産を拡大しており、生産量が実際の需要を上回る可能性が出てきた」がきっかけとの声も聞かれた。期先限月としては先月半ば以来の安値圏で終えた。ロンドン市場で91.88ドルまで買われたが、ドル高を嫌気した売りが強まり、米国市場の後半にかけて88.46ドルまで一段安となった。通常取引終了後の時間外取引では主に89ドルを下回る水準で推移した。

 

NY金先物市場は6日続落:米長期金利上昇とドル高を嫌気した売り優勢に

NY金先物市場は1842.70‐1864.70ドルのレンジ相場となった。9月米製造業PMI改定値や同月ISM製造業景況指数が市場予想を上回ると、この日も金への売り圧力が強まった。米長期金利が上昇幅を拡大し、為替ではドル高が進むなど金先物にとって弱気材料が目立つなか、終値としては約7カ月ぶりの安値を記録した。アジア市場の序盤で1864.70ドルまで買われたが、その後はドル高を意識してじり安となり、米国市場の中盤にかけて1842.70ドルまで値を下げた。一時1850.60ドルまで戻したが、米長期金利の上昇を嫌気した売りが入ったことで伸び悩み、通常取引終了後の時間外取引ではおおむね1846ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:良好な米経済指標を受け売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)5.10%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.11%高い4.68%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)が高い政策金利をより長く維持するとの観測が強まる中、9月米ISM製造業景況指数が予想を上回ったことなどが債券売りを誘った。利回りは一時4.7014%前後と2007年10月以来の高水準を付けた。ボウマンFRB理事が「インフレ目標達成のためには一段の利上げが必要になるだろう」と述べたことも相場の重し。

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2023/10/02/03:00:40

米国株式市場はまちまち:政府機関閉鎖への警戒感などリスクの高まりから売り

NYダウは158.84ドル安の33507.50ドル、ナスダックは18.05ポイント高の13219.32ポイントで取引を終了した。8月コアPCE価格指数の伸び鈍化で、金利高を警戒した売りが後退し、寄り付き後は上昇した。長期金利の低下に伴い特にハイテクが上昇した。その後、月末、四半期末の調整売りに加えて、連邦予算案期限を明日に控えて下院が共和党のつなぎ予算案を否決したため政府機関閉鎖への警戒感が一段と強まったほか、自動車労働組合(UAW)ストライキ長期化を警戒した売りが強まり、下落に転じた。その後も軟調推移となり、終盤にかけ下げ幅を拡大して終了した。VIX指数は17.34から17.52へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:日米金融政策の方向性の違いからドル底堅い展開

ドル/円は、日本時間夕刻に一時148.53円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となった。一目均衡表転換線が位置する148.52円がサポートとして意識されたほか、一時は4.50%台まで低下した米10年債利回りが上昇に転じたことなどが相場を下支えした。日米金融政策の方向性の違いから押し目買い意欲も旺盛で、149.49円付近まで持ち直し、アジア時間に付けた日通し高値149.50円に迫った。なお、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している8月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターは前年比3.9%上昇と市場予想通り前月から鈍化したものの、相場の反応は限られた。

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が総合・コアともに予想を下回ったことを受けて、欧州中央銀行(ECB)が追加利上げに傾くとの観測が後退するとユーロ売りが出た。米長期金利が上昇に転じたことも相場の重しとなり、一時1.0564ドル付近まで下押しした。なお、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁はこの日、「政策金利はピークまたはそれに近い水準にある」と述べ、FRBの利上げは完了した可能性があると示唆したものの、「FRBの政策が経済とインフレに影響を与えるには時間がかかるだろう」「しばらくは制限的な政策が必要になると予想」と述べ、しばらくは高金利を維持する姿勢を示した。

 

NY原油先物市場:中国経済の先行きに対する懸念が重しに売り優勢に

NY原油先物市場は90.35ドル‐93.10ドルのレンジ相場となった。米政府閉鎖がほぼ確実になったことや、中国の不動産セクターへの不安が根強く、中国経済の先行きに対する懸念が重しとなり、今週に入って昨年8月以来の高値をつけた反動で、昨日に続いて利益確定売りが優勢となった。ただ、依然として原油の需給ひっ迫懸念は根強い。米国市場の中盤にかけて93.10ドルまで反発したが、需給ひっ迫を警戒した買いは拡大せず、米国市場の後半にかけて90.35ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では主に91ドルを下回る水準で推移した。

 

NY金先物市場は5日続落:利益確定売りが優勢に

NY金先物市場は1862.30‐1896.70ドルのレンジ相場となった。昨日まで大きく値を下げた反動で買いが先行した。ただ、米金利の先高感が根強く上値が圧迫されるなか、買い一巡後は月末・期末要因も絡んで利益確定売りが優勢となり、中心限月としては3月中旬以来の安値を更新した。米国市場の序盤にかけて1896.70ドルまで買われたが、利食い売りが入ったことで1862.30ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引ではおおむね1865ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は変わらず:売り買い材料交錯で変わらず

米国債券市場で中長期ゾーンは変わらずだった。米2年債利回りは前営業日比かわらず5.05%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比変わらず4.57%で終了した。米インフレ指標の鈍化を受けて買いが先行したものの、米金融引き締めが長期化するとの観測は根強く、次第に売りが優勢となった。

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2023/09/29/07:01:11

米国株式市場は反発:金利低下を好感した買い優勢に

NYダウは116.07ドル高の33666.34ドル、ナスダックは108.43ポイント高の13201.28ポイントで取引を終了した。10年債利回りが16年ぶり高水準に達したため警戒感から売られ、寄り付き後は下落した。その後、4-6月期の国内総生産(GDP)や個人消費の確定値の伸びが予想を下回ったため連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化観測も後退し金利低下に伴い買戻しに拍車がかかり、相場は上昇に転じた。ハイテクも買われ、プラス圏で終了した。VIX指数は18.20から17.34へ低下した。

 

NY外国為替市場:弱い経済指標結果受け米金利低下でドル上値重い

ユーロ/ドルは、米商務省が発表した4-6月期米国内総生産(GDP)確定値の統計では個人消費の伸びが前期比年率0.8%増と予想の1.7%増を大きく下回り、改定値のほぼ半分に下方修正された。また、全米リアルター協会(NAR)が発表した8月米住宅販売保留指数は前月比7.1%低下と予想の0.8%低下を下回り、昨年9月以来約1年ぶりの大幅な低下となった。一時は4.6861%前後と2007年10月以来の高水準を記録した米10年債利回りが4.56%台まで低下すると全般ドル売りが優勢となり、一時1.0579ドルと日通し高値を付けた。市場では「月末・四半期末を控えて、足もとで膨らんだドル買いポジションを解消する動きが広がった」との声も聞かれた。

 

ドル/円は、米個人消費や米住宅指標の下振れを受けて、米金利が低下に転じると全般ドル売りが優勢となった。23時過ぎには一時149.15円と日通し安値を更新した。ただ、売りはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。前日の安値148.86円が目先サポートとして意識された面もあり、そのあとは149円台前半でのもみ合いに終始した。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反落:利益確定や調整の売り優勢に

NY原油先物市場は91.39ドル‐95.03ドルのレンジ相場となった。供給不足の見通しや米原油在庫の減少を背景とした買いが一服し、前日の大幅高の反動でこの日は利益確定や調整の売りが優勢となった。主要中銀の金融引き締め継続で世界経済の先行きに対する警戒感も原油の上値を圧迫した。アジア市場の中盤にかけて95.03ドルまで一段高となったが、需給ひっ迫を警戒した買いはロンドン市場で一巡し、米国市場の後半にかけて91.39ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では主に92ドルを下回る水準で推移した。

 

NY金先物市場は4日続落:米長期金利上昇基調を嫌気した売り継続

NY金先物市場は1874.50‐1896.80ドルのレンジ相場となった。この日も米10年債利回りが4.7%手前まで2007年10月以来の高水準をつけるなど、米長期金利の上昇傾向が続くなか、金利を生まない金は売り圧力が継続している。米国市場の序盤にかけて1896.80ドルまで買われたが、利食い売りが入ったことで1874.50ドルまで反落した。ただ、ドル高を意識した売りは一巡し、通常取引終了後の時間外取引ではおおむね1883ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は反発:弱い米経済指標受け買戻しが優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.09%低い(価格は上昇)5.05%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い4.57%で終了した。この日も債券売りが先行し、利回りは一時4.6861%前後と2007年10月以来の高水準を付けた。ただ、米個人消費や米住宅指標の下振れを受けて次第に買い戻しが強まると持ち直した。市場では「明日発表の8月米個人消費支出(PCE)物価指数の内容を見極めたいとの雰囲気があった」との声が聞かれた。

 

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2023/09/27/06:48:24

米国株式市場は反落:金利高によるリスク回避の高まりから売り優勢

NYダウは388.00ドル安の33618.88ドル、ナスダックは207.71ポイント安の13063.61ポイントで終了した。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が年内あと1回の利上げの必要性に言及したほか、JPモルガンのダイモン最高経営責任者(CEO)が金利が7%まで上昇するリスクを警告したため金利高を警戒した売りに寄り付き後は下落した。その後発表された9月消費者信頼感指数や8月新築住宅販売件数が予想を下回ったためスタグフレーション懸念も強まり、一段安となった。金利の上昇に連れハイテクも弱く、また、ドル高も企業の収益を損なうとの懸念にさらに売りが加速し、終盤にかけ下げ幅を拡大して終了した。VIX指数は16.90から18.94へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇するとドルがじわりと強まる

ドル/円は、日米金融政策の方向性の違いから押し目買いが入った半面、政府・日銀による介入警戒感が相場の上値を抑えたため、しばらくは148円台後半でのもみ合いが続いた。ただ、米長期金利の指標である米10年債利回りが一時4.5622%前後と2007年10月以来の高水準を記録すると円売り・ドル買いがじわりと強まった。取引終了間際には149.10円付近まで上昇し、アジア時間に付けた年初来高値149.19円に迫った。なお、この日発表の9月米消費者信頼感指数や8月米新築住宅販売件数は予想を下回った一方、7月米ケース・シラー住宅価格指数や9月米リッチモンド連銀製造業指数は予想を上回るなど強弱入り混じる結果となったため、相場の反応は限られた。

 

ユーロ/ドルは、米10年債利回りが4.48%台まで低下したことを受けてNY序盤はユーロ買い・ドル売りが進み、一時1.0609ドルと日通し高値を付けた。ただ、米10年債利回りが上昇に転じるとドル買いが優勢になった。ユーロ圏景気の減速懸念からユーロ売りが出やすい面もあり、1.0562ドルと日通し安値を更新した。欧米株価の下落を背景にリスク・オフのドル買いも入った。なお、ホルツマン・オーストリア中銀総裁は「さらなる利上げは排除できない」「インフレの上振れリスクは依然として存在する」などと述べたが、反応は限定的だった。

 

NY原油先物市場は反発:需給ひっ迫観測強く買い優勢に

NY原油先物市場は88.19ドル‐90.74ドルのレンジ相場となった。米長期金利の高止まりや為替相場でのドル高で売りが先行するも、サウジアラビアとロシアの供給削減の延長による需給ひっ迫観測は根強く、買いが優勢となった。アジア市場の終盤にかけて88.19ドルまで下落したが、ドル高を意識した売りは一巡し、米国市場の中盤にかけて90ドル台を回復した。株安が嫌気されたが、需給ひっ迫の見方が強まり、一時90.74ドルまで反発。通常取引終了後の時間外取引では90ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は続落:米長期金利上昇とドル高を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1917.20‐1935.50ドルのレンジ相場となった。米長期金利が高止まりし、為替相場でドル高の地合いが続いていることが金の売りを後押しし、中心限月ペースでは約1カ月ぶりの安値水準となった。アジア市場の序盤に1935.50ドルまで買われたが、ドル高継続を意識した売りが増えたことで伸び悩んだ。米国市場の序盤にかけて1932ドル台まで値を戻す場面があったが、安全逃避的なドル買いが強まり、中盤にかけて1920ドルを下回った。通常取引終了後の時間外取引で1917.20ドルまで一段安となり、その後は1919ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場はまちまち:米金融引き締めの長期化観測から売り優勢

米国債券市場で中期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)5.13%で終了した。また、長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)4.54%で終了した。米金融引き締めが長期化するとの観測が高まる中、売りが優勢となった。利回りは一時4.5622%前後と2007年10月以来の高水準を付けた。

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