FITS エコノミックレポート

週末の朝の市場コメント!

2021/08/09/03:00:54

米国株式市場はまちまち:強い景気回復を好感した買い優勢

NYダウは144.26ドル高の35208.51ドル、ナスダックは59.36ポイント安の14835.76ポイントで取引を終了した。7月雇用統計が予想を上回り労働市場の順調な回復が証明されたため、寄り付きから上昇した。強い景気回復に向けて投資家の楽観的な見方が強まり、NYダウは終日堅調に推移し、史上最高値を更新して引けた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。一方、金利先高感にハイテク株が売られ、ナスダックは下落した。VIX指数は17.28から16.15へ低下した。

 

NY外国為替市場:良好な米雇用統計を受けドル買い優勢

ドル/円は、7月米雇用統計で非農業部門雇用者数が94.3万人増、失業率が5.4%、平均時給が前月比0.4%上昇/前年比4.0%上昇といずれも予想より強い内容だったことが分かると、米長期金利が急上昇した。米連邦準備理事会(FRB)による早期の量的緩和の縮小(テーパリング)観測が高まり、ドルを買う動きが活発化した。6月米卸売売上高や同月米卸売在庫が予想を上回ったことも相場の支援材料となり、一時110.35円と日通し高値を更新した。ただ、NY午後に入ると、週末とあって次第に値動きが細り、110円台前半での小動きに終始した。なお、市場では『7月26日の高値110.58円や23日の高値110.59円、一目均衡表雲の上限が位置する110.68円がレジスタンスとして意識される』との指摘があった。

 

ユーロ/ドルは、良好な米雇用統計をきっかけにドル全面高の展開になると、ユーロドルにも売りが出て一時1.1754ドルと7月21日以来の安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時92.84まで上昇した。

 

カナダドルは軟調だった。カナダ統計局が発表した7月カナダ雇用統計で、失業率が7.5%と予想の7.4%より弱い内容となり、新規雇用者数が9.40万人増と予想の17.75万人増を下回ったことを受けた。米ドル/カナダドルは一時1.2581カナダドル、カナダドル/円は87.66円までカナダドル安に振れた。

 

NY原油先物市場:米長期金利上昇とドル高を警戒した売り

NY原油先物市場は67.80ドル-70.18ドルのレンジ相場となった。好結果となった米雇用統計発表後は、米国の経済回復期待で原油の需要が高まるとの声もあり小高く推移した。しかしながら、徐々にドルが買われたため、ドルで取引される原油先物は割高感でじり安となった。7月米雇用統計発表後に70.18ドルまで買われたが、長期金利の上昇やドル高を警戒して67.80ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では68ドルを挟んだ水準で推移した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比2基増加の387基となった。

 

NY金先物市場:米労働市場の改善から売り優勢

NY金先物市場は1759.50-1807.00ドルのレンジ相場となった。7月の米雇用統計が好結果となったことで米連邦準備理事会(FRB)の早期テーパリング観測が高まったことで米金利が大きく上昇し、ドルが全面高となったことで、金先物価格は大幅に続落した。米国の景気回復により安全資産とされる金からの資金離れの声が高まっている。アジア市場の取引開始後から売りが優勢となり、米雇用統計発表前に節目の1800ドルを下回った。7月米雇用統計は市場予想を上回る強い数字だったことから、指標発表後に金先物は1759.50ドルまで一段安となった。通常取引終了後の時間外取引で1766.70ドルまで戻したが、戻り売りの興味は残されており、1762ドル近辺で推移した。

 

米国債券市場は大幅下落:米FRBの早期テーパリング観測から売り

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.21%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日0.08%高い1.30%で終了した。7月米雇用統計が好結果となったことを受けて、米連邦準備理事会(FRB)による早期の量的緩和の縮小(テーパリング)観測が高まると米国債に売りが出た。 

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2021/08/06/07:26:23

米国株式市場は上昇:年末の株価指数の目標引き上げを好感

NYダウは271.58ドル高の35064.25ドル、ナスダックは114.59ポイント高の14895.12ポイントで取引を終了した。週次失業保険申請件数が2週連続で減少し労働市場の斬新的な改善が示唆されたため、寄り付き後は上昇した。また、ウォール街のストラテジストによるS&P500種株価指数の年末目標引上げなども手伝い投資家心理が改善し、終日堅調に推移した。ナスダック総合指数は史上最高値を更新して終了した。7月米雇用統計の発表を明日に控えて様子見ムードが強かったが、前日に下げが目立った景気敏感株を中心に押し目買いが入ると底堅く推移した。米長期金利の低下が一服したことも投資家心理の改善につながった。VIX指数は18.04から17.28へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利が上昇に転じたことでドル買い優勢

ドル/円は、米長期金利の指標である米10年債利回りが時間外取引で1.16%台まで低下したことを受けて、円買い・ドル売りが先行し、一時109.37円と日通し安値を更新した。ただ、そのあとは米長期金利が上昇に転じたためドルを買い戻す動きが優勢となった。前週分の米失業保険継続受給者数が293.0万人と予想の326.0万人から減少したことも相場の支援材料となった。ナスダック総合とS&P500が史上最高値を更新するなど、米国株相場が底堅く推移すると、投資家のリスク志向が改善し円売り・ドル買いがさらに進み、一時109.78円と日通し高値を付けた。市場では『前日の7月ADP全米雇用報告は極端に悪い数字だったが、明日の7月米雇用統計への期待はなお高い』との声が聞かれた。なお、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事はオンラインイベントで『米景気回復は急速に進んでおり、労働市場も改善していることから、一部の予想よりも早く金融緩和の解除に着手できる』との考えを示した。 

 

ユーロ/ドルは、米長期金利が低下したタイミングでユーロ買い・ドル売りが入り、1.1857ドルと日通し高値を付けたものの、米長期金利が上昇に転じると次第に弱含んだ。取引終了間際に一時1.1831ドル付近まで下押しした。 

 

南アフリカランドは急落した。対円では一時7.47円、対ドルでは14.7486ランドまでランド安に振れた。『内閣改造の一環としてムボウェニ南ア財務相が辞任した』との報道が嫌気されて、ランド売りが膨らんだ。なお、新財務相にはアフリカ民族会議(ANC)の経済開発小委員会を長い間運営していたゴドンワナ氏が就任する。市場の一部では『昔ながらのANCの経済的思考が強く、財政をどの程度厳格化できるか未知数』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は4日ぶりに反発:大幅下落後の反動よる買い戻し

NY原油先物市場は、67.61ドル-69.35ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルス・デルタ株の感染拡大懸念から、経済の停滞による原油需要の減速予測により3営業日続けて大幅に下落していた反動で買い戻しが優勢となった。またイスラエル軍が先月の石油タンカー攻撃に対して、レバノン南部に空爆を行ったと発表したことで、中東情勢の悪化懸念も原油先物の支えとなった。アジア市場で67.61ドルまで下落したが、米国株式の反発を受けて69.35ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では主に69ドル近辺で推移している。

 

NY金先物市場は反落:ドル高と米長期金利上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1799.70-1817.90ドルのレンジ相場となった。米金利が上昇し、米国株式市場が堅調に推移したことや、ドルが底堅い動きを見せていることもありドルで取引される金先物価格には割高感もあり、小幅ながら反落して引けた。もっとも、明日の米雇用統計の発表を前に市場の動きは鈍かった。ニューヨーク市場の序盤にかけて1817.90ドルまで買われたが、米長期金利の上昇を意識して1799.70ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では1805ドル近辺で推移した。 

 

米国債券市場は上昇:ポジション調整とリスク選好の売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)0.20%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日0.04%高い1.22%で終了した。ナスダック総合とS&P500が史上最高値を更新するなど、米国株相場が底堅く推移すると、相対的に安全資産とされる米国債が売られた。『明日の7月米雇用統計を前にポジション調整目的の売りが出た』との声も聞かれた。

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朝の市場コメント!

2021/08/05/07:54:04

米国株式市場はまちまち:雇用回復の遅れとFRB副議長のタカ派発言を嫌気

NYダウは323.73ドル安の34792.67ドル、ナスダックは19.25ポイント高の14780.54ポイントで取引を終了した。7月ADP全米雇用報告が予想を大幅に下回り、雇用回復の遅れが警戒されたほか、クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長の発言を受けて、早期の量的緩和の縮小(テーパリング)観測が高まり売りが膨らんだ。前日に発表した四半期決算で通期見通しを据え置いたバイオ製薬アムジェンが6%を超す下落となり、1銘柄でNYダウを97ドル程度押し下げた。ただ、ナスダックはプラス圏を維持した。VIX指数は18.04から17.97へ低下した。

 

NY外国為替市場:良好な経済指標と米FRB副議長の発言受けドル急騰

ドル/円は、7月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が33.0万人増と予想の69.5万人増を大きく下回ったことが分かると、全般ドル売りが先行し、一時108.67円と5月26日の安値に面合わせした。ただ、その後発表の7月米ISM非製造業指数が64.1と予想の60.5を上回り、統計開始以来の最高値となったことが分かるとドルを買い戻す動きが優勢になった。また、クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長が講演で『利上げのための条件は2022年末までに満たされる可能性がある』『23年の利上げ開始は新たな枠組みと整合する』と発言すると、米長期金利の上昇とともにドル買いが活発化した。前日の高値109.34円を上抜けて一時109.67円まで上値を伸ばした。
 米長期金利の指標である米10年債利回りは低調な米雇用指標を受けて一時1.1258%前後と2月11日以来の低水準を付けたものの、その後1.21%台まで急上昇した。また、カプラン米ダラス連銀総裁は一部通信社とのインタビューで『7月と8月の雇用統計で進展が続けば、近くテーパリングに着手するのが得策』と述べ、『そうすることで利上げに忍耐強く対処するための柔軟性が増す』との考えを示した。 

 

ユーロ/ドルは、低調なADP全米雇用報告を受けて一時1.1900ドルと日通し高値を付けたものの、予想を上回る米ISM非製造業指数をきっかけに一転下落した。クラリダFRB副議長が『米経済が予想通りに推移した場合、量的緩和の縮小(テーパリング)について年内に発表し、23年には利上げを開始する』との見通しを示すとさらにドル買いが進み、一時1.1833ドルと日通し安値を更新した。 

 

豪ドル/NZドルは昨年12月2日以来となる1.0468NZドルまで下落し、年初来安値を更新した。NZ準備銀行(RBNZ)によるローン資産価値比率(LVR)の一段の厳格化や日本時間早朝に発表された4-6月期NZ雇用統計が良好な結果になったことが材料視されて豪ドル売り・NZドル買いが進んだ。

 

NY原油先物市場は3日続落:原油需要の減速予測の高まりから売り優勢

NY原油先物市場は67.85ドル-70.81ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルス・デルタ株の感染拡大で、経済の停滞による原油需要の減速予測が高まったことで原油先物価格は大幅に続落して引けた。本日発表されたEIA原油在庫が、予想を上回る積み増しとなったことも原油価格の重石になった。ロンドン市場の序盤に70.81ドルまで買われたが、新型コロナウイルス変異株の感染流行を警戒して反落し、67.85ドルまで売られた。原油在庫の増加も嫌気された。通常取引終了後の時間外取引では68ドル近辺で推移している。

 

NY金先物市場はほぼ横ばい:米経済指標の動きに振り回される

NY金先物市場は1808.30-1835.30ドルのレンジ相場となった。米経済指標の動きに振り回される動きとなった。7月ADP全米雇用報告が市場予想を大幅に下回ると、米金利低下とドル安で金先物価格は1835ドル台まで上昇した。しかしながら、米ISM非製造業指数が好結果となり、クラリダFRB副議長からタカ派発言が出たことで、米金利が急上昇し、ドルも反発し、金先物価格も上げ幅を吐き出し前日比ではほぼ横ばいで引けた。ニューヨーク市場の序盤にかけて1835.30ドルまで買われたが、その後1808.30ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では1815ドル近辺で推移した。

 

米国債券市場は下落:米FRB副議長のタカ派発言が重石

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%上昇(価格は下落)0.18%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日0.01%上昇の1.18%で終了した。予想を下回る7月ADP全米雇用報告を受けて債券買いが先行した。利回りは一時1.1258%前後と2月11日以来の低水準を付けた。ただ、7月米ISM非製造業指数が予想を上回ったことが分かると一転債券売りが優勢になった。クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長が『米経済が予想通りに推移した場合、量的緩和の縮小(テーパリング)について年内に発表し、23年には利上げを開始する』との見通しを示したことも相場の重石となり下げに転じた。 

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朝の市場コメント!

2021/08/04/07:42:53

米国株式市場は上昇:強い米決算と米長期金利低下を好感

NYダウは278.24ドル高の35116.40ドル、ナスダックは80.23ポイント高の14761.29ポイントで取引を終了した。新型コロナウイルスデルタ株流行への懸念が根強く、寄り付き後は下落した。その後、企業の強い決算が懸念を相殺、投資家心理が大幅に改善したほか、米長期金利の下げが一服すると、資本財や金融など景気敏感株を中心に買い戻しが進上昇に転じた。終日堅調に推移し、引けにかけては上げ幅を拡大した。VIX指数は19.46から18.04へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下でドル売り優勢

ドル/円は、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.15%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行し、108.88円と5月26日以来の安値を付けた。ただ、同日安値108.72円付近がサポートとして意識されると買い戻しが優勢となり、109円台を回復した。米10年債利回りが1.17%台まで戻し、一時マイナス圏で推移していた米国株相場が持ち直したことも円売り・ドル買いを誘い109.16円付近まで下げ渋った。なお、ボウマンFRB理事は『労働市場が新型コロナウイルス禍から回復するには時間がかかる』『米経済を完全に軌道に戻すために一段の取り組みが必要』などと述べたが、相場の反応は限られた。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下を受けてユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.1893ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.1897ドル手前で失速した。前日と同様に心理的な節目である1.1900ドルには届かなかった。高く始まった米国株相場が下げに転じるとリスク回避のドル買いが優勢となり、一時1.1854ドルと日通し安値を付けた。その後、米国株は再び上昇に転じたものの、ユーロ/ポンドが下落した影響で上値は重く、戻りは1.1870ドル付近にとどまった。ユーロ/ポンドは引けにかけて下げ足を速め、一時0.8524ポンドまで値を下げた。 

 

NZドルは下値が堅かった。NZ準備銀行(RBNZ)はこの日、住宅価格の高騰と高リスクの借り入れ抑制のため、ローン資産価値比率(LVR)の一段の厳格化を検討していると発表した。NZ金利が上昇し、NZドル買いが入りやすい地合いとなる、一時0.6983米ドル付近まで下げたNZドル/米ドルは引けにかけては0.7019米ドル付近まで強含んだ。NZドル/円も76.04円の本日安値から76.55円付近まで持ち直した。

 

NY原油先物市場は大幅続落:原油需要の減速予測の高り

NY原油先物市場は69.19ドル-71.96ドルのレンジ相場となった。米国の新型コロナウイルス・デルタ株の感染者数が、昨年夏を超える勢いとなっていることもあり、経済の停滞による原油需要の減速予測の高まりで原油先物価格は一時69ドル前半まで弱含んだ。その後は、2日続けて下げ幅が大きかったことで、買い戻しが急激に入り70ドル後半まで上昇したが、前日比プラス圏に戻すことはできず続落して引けた。ロンドン市場の序盤に71.96ドルまで買われたが、新型コロナウイルス変異株の感染流行を警戒してニューヨーク市場の序盤にかけて69.19ドルまで売られた。その後、70.86ドルまで戻したが、上値の重い状態が続いている。

 

NY金先物市場は反落:米国株高によるリスク選好から売り優勢

NY金先物市場は1809.50-1818.20ドルのレンジ相場となった。ドルが一時弱含むと、ドルで取引される金先物価格は割安感から買い戻される局面もあったが、週末の米雇用統計発表を前に大きくリスクをとるのも難しくトレンドを作るほどの勢いはなかった。米国株が上げ幅を徐々に広げたことで、リスク選好の流れもあり小幅ながら前日比で反落して引けた。ニューヨーク市場の序盤に1818.20ドルまで戻したが、株国高を意識して伸び悩み、通常取引終了後の時間外取引では1812ドル-1814ドル近辺でもみ合う展開となった。

 

米国債券市場は変わらず:米国株高でも景気減速への警戒感が高まり買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは変わらず、米2年物国債利回りは前営業日と同じ0.17%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日と同じ1.17%で終了した。新型コロナウイルス・デルタ株の感染が拡大する中、景気減速への警戒感が高まり債券買いが優勢となった。米NY市はこの日、レストランやジムなどの屋内施設を利用する顧客や従業員に対してワクチン接種証明書の提出を義務付けると発表した。 

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2021/08/03/07:47:03

米国株式市場はまちまち:米景気回復減速懸念が高まり売り優勢

NYダウは97.31ドル安の34838.16ドル、ナスダックは8.39ポイント高の14681.07ポイントで取引を終了した。インフラ包括案を巡り上院が可決に向けて前進したため、インフラ計画が回復ペースをさらに後押しするとの期待に寄り付き後は大きく買われた。NYダウは日中取引で、史上最高値を更新した。その後、供給管理協会(ISM)が発表した7月の製造業景況指数が予想外に低下したほか、新型コロナウイルスデルタ株流行拡大を警戒し長期金利が再び2月来の水準に低下すると、回復減速懸念に売りに拍車がかかり、下落に転じた。引けにかけては、ウォーラーFRB理事が労働市場の動向次第で9月にも緩和縮小を発表する可能性を示唆すると下げ幅を拡大した。VIX指数は18.24から19.46へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株安と米長期金利低下でリスク回避の円買い

ドル/円は、7月米ISM製造業景気指数が59.5と予想の60.8を下回ったことを受けて円買い・ドル売りが先行した。前週末の安値109.36円や一目均衡表雲の下限109.30円を下抜けると一時109.19円まで下げ足を速めた。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.14%台まで低下したことも円買い・ドル売りを促した。高く始まったNYダウがマイナス圏に転じるなど米国株相場が失速し、クロス円が売られたこともドル/円の重石となった。ただ、直近安値である7月19日の安値109.07円がサポートとして働くと買い戻しが入り、109.38円付近まで下げ渋る場面があった。 

 

ユーロ/ドルは、欧州時間に一時1.1897ドルと日通し高値を付けたものの、心理的な節目である1.1900ドルには届かなかった。NY時間に入るとポジション調整目的の売りに押され、じり安の展開となった。欧州長期金利の低下に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、一時1.1865ドル付近まで下押しした。市場では独30年債利回りが2月以来約半年ぶりにマイナスとなったことが話題となった。

 

豪ドル/円は米ツイッターのジャック・ドーシーCEOらが設立した決済会社『スクエア』が豪州のフィンテック・アフターペイの買収を発表したことなどが材料視されて、一時80.76円と本日高値を付けたものの、その後は失速した。ドル/円の下落につれた売りが出て、80.34円の本日安値まで押し戻された。

 

NY原油先物市場は大幅反落:米中の景気減速感とウイルス感染拡大を嫌気

NY原油先物市場は70.55ドル-73.95ドルのレンジ相場となった。アジア諸国での新型コロナウイルス・デルタ株の感染拡大や、官民の7月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)がそろって前月から減速し、予想から下振れたことなどを嫌気し原油先物は大幅に反落した。また、週末に起こった中東でのタンカー攻撃や、米ISM製造業景気指数が市場予想を下回ったことも重石になった。アジア市場の取引開始後に73.95ドルまで買われたが、まもなく反落した。新型コロナウイルス変異株の感染流行を警戒してニューヨーク市場で70.55ドルまで下げ幅は拡大した。通常取引終了後の時間外取引で71.53ドルまで戻したが、上値の重い状態が続いた。

 

NY金先物市場は反発:米長期金利低下を好感した買い

NY金先物市場は1808.20-1823.20ドルのレンジ相場となった。NY入り時には弱含んでいた金先物価格だが、米ISM製造業景気指数が市場予想を下回り米金利が低下したことで、金先物は徐々に下げ幅を縮め、引けに近づくと買い戻しが優勢になり反発して引けた。ニューヨーク市場の序盤に1808.20ドルまで下げたが、米長期金利の動向を意識して1823.20ドルまで戻した。 

 

米国債券市場は続伸:予想下回る米経済指標受け買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01低い(価格は上昇)0.17%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い1.17%で終了した。7月米ISM製造業景気指数が予想を下回ったことを受けて、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。 

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