FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント

米国株式市場は上昇:強い回復期待から買い優勢

NYダウは297.03ドル高の33800.60ドル、ナスダックは70.88ポイント高の13900.19ポイントで取引を終了した。バイデン政権が提案しているインフラ計画やワクチンの普及、連邦準備制度理事会(FRB)が当分の間、大規模緩和を維持することが強い回復に繋がるとの期待に寄り付き後は上昇した。来週半ばから始まる米主要企業の決算発表を前に、好業績期待から買いが入った面もあった。一方、ハイテクは、予想以上に上昇した生産者物価指数を受けた長期金利の上昇が重しとなった。VIX指数は16.95から16.69へ低下した。

 

NY外国為替市場:節目の110.00円接近では戻り売り優勢

ドル/円は、米長期金利の上昇をきっかけに円売り・ドル買いが先行した。前日の高値109.90円を上抜けて一時109.96円まで上値を伸ばした。ただ、節目の110.00円に接近した場面では戻り売りなどが出たため、その後は頭が重くなった。米長期金利が上昇幅を縮めた影響も受けた。なお、米労働省のウェブサイトの不具合で発表が遅延した3月米卸売物価指数(PPI)は前月比1.0%上昇、前年同月比4.2%上昇といずれも市場予想を上回った。前年同月比の伸びは2011年9月以来の高水準になった。また、食品とエネルギーを除くコア指数も予想より強い内容となったが、相場への影響は限られた。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇を受けてユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.1867ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.1861ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢になった。米長期金利が上昇幅を縮めたこともユーロドルの買い戻しにつながり、1.1910ドル付近まで持ち直した。もっとも、アジア時間に付けた日通し高値1.1920ドルを上抜けることは出来なかった。

 

カナダドルは、対米ドルでは一時1.2526カナダドル、対円では87.58円まで上昇した。カナダ統計局が発表した3月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が30.31万人増と予想の10.00万人増を大幅に上回ったほか、失業率が7.5%と予想の8.0%より強い数字となったことを受けてカナダドル買いが広がった。市場では『カナダ経済が米経済のように大きく回復していることが示された』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は続落:欧州や南米でのコロナ感染の再拡大を嫌気

NY原油先物市場は59.10ドル-59.95ドルのレンジ相場となった。米長期金利の上昇を受けて為替市場でドル買いが先行し、ドル建ての原油に割高感が生じ、売りが優勢となった。欧州や南米でコロナ感染が再拡大していることも、原油の上値を圧迫した。アジア市場で59.95ドルまで買われたものの、買いは続かず、ニューヨーク市場の序盤にかけて59.10ドルまで下落した。米国株高を好感した買いが入っており、59.76ドルまで反発したが、通常取引終了後の時間外取引で59.12ドルまで反落した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比変わらずの337基となった。

 

NY金先物市場は反落:米長期金利の上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1730.80-1758.20ドルのレンジ相場となった。米長期金利が上昇し、金利を生まない金は売りが優勢となった。また、3月米卸売物価指数(PPI)が予想比強い結果となったことや、米国株が上昇したことも、安全資産とされる金の売りを後押しした。アジア市場の序盤で1758.20ドルまで買われたが、米長期金利の反発を意識して伸び悩み、ニューヨーク市場の序盤にかけて1730.80ドルまで下落した。米長期金利の上昇は一服したことから、金先物の下げ幅は縮小したが、上値の重さは払しょくされず、通常取引終了後の時間外取引でも1750ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は反落:PPIが市場予想を上回ったことで売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.66%で終了した。3月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことで、インフレ期待が高まり債券売りが広がった。来週に3年・10年・30年債入札を控えて持ち高調整の売りも出たようだ。

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