FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米長期金利の上昇が市場心理を冷やす

NYダウは0.98ドル高の31494.32ドル、ナスダックは9.11ポイント高の13874.46ポイントで取引を終了した。イエレン財務長官がバイデン政権が提唱する経済対策の必要性を改めて訴えたため、追加経済対策が早期に成立し景気回復を後押しするとの期待から、寄り付き後上昇した。また、これまで2回の接種が必要とされていたファイザーなどが開発したワクチンについて、1回でも効果があるとの研究結果を受け、新型コロナウイルスのワクチン普及への期待から押し目買い意欲は旺盛で一時150ドル超上昇し、取引時間中の最高値を更新した。ただ、米長期金利の大幅上昇が市場心理を冷やし、相場の上値を抑えた。米金利の先高観測を背景に割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)銘柄が売られ、指数はマイナスに転じる場面があった。VIX指数は22.49から22.05へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇によるドル買いがやや優勢

ドル/円は、欧州・オセアニア通貨に対してドル安が進んだ流れに沿って、一時105.24円と日通し安値を付けたものの、16日の安値105.18円がサポートとして意識されると下げ渋った。米10年債利回りが一時1.3601%前後と昨年2月26日以来約1年ぶりの高水準を付けたことも意識されて、105.67円付近まで持ち直した。ただ、アジア時間に付けた日通し高値105.74円を上抜けることは出来なかった。NY終盤には105.50円に位置する200日移動平均線に上値を抑えられて、じり安の展開となった。なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日、半期に一度議会に提出する金融政策報告で『FRBは米経済が完全な回復を遂げるまで、金融政策による強力な支援を継続する』と表明した。金融政策報告は来週予定されているパウエルFRB議長の議会証言に先立ちウェブサイトに掲載された。 

 

ユーロ/ドルは、対ポンド主導でドル安が進んだ流れに沿って、一時1.2145ドルと日通し高値を付けたものの、NY時間に入ると上値が重くなった。米長期金利の上昇に伴うドル買いが入り、一時1.2108ドル付近まで下押しした。 

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは大幅高。対ドルでは一時56332ドル前後、対円では595万円程度まで買われ、史上最高値を更新した。時価総額は1兆ドルを突破した。機関投資家や企業によるビットコイン投資や関連事業への参入が相次いでおり、先高観が強まっているようだ。市場では『アナリストらの警戒にもかかわらず、急伸を続けている』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は続落:石油関連施設の普及で供給不安解消の売り

NY原油先物市場は58.60ドル-60.32ドルのレンジ相場となった。米テキサス州の大寒波により生産停止に追い込まれていた石油関連施設の電力や水道などが復旧し始めたことで、供給不安が解消されるとの観測で原油先物価格は続落した。なお、日本時間2時過ぎには石油グリッドが正常化したとも報じられている。また昨日バイデン米大統領が『イラン核合意への復帰についてイランと対話する方針』と伝わったことも、中東リスクの後退で上値を抑えた。

 

NY金先物市場は小幅高:上値の重い展開が継続

NY金先物市場は1759.00-1790.90ドルのレンジ相場となった。金先物価格は為替市場でドル安が進んだことで割安感から上昇していたが、徐々に米金利高でドルが買い戻されたこともあり、上げ幅を削り小幅に続伸して引けた。前日に続いて安全逃避のドル買いが観測されており、金先物は一時1759.00ドルまで下落する場面があった。押し目買いが観測されたが、代替資産である金の需要は回復していない 。

 

米国債券市場は続落:経済正常化でインフレや雇用回復期待から売り

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.33%で終了した。米追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及で、インフレや雇用回復が進むとの見方が強まり債券売りにつながった。10年債利回りは一時1.3601%前後と昨年2月26日以来約1年ぶりの高水準を付けた。市場では『今年後半には米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和の修正を探るとの思惑が浮上している』との指摘があった。 

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