FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米長期金利の先行観測から割高株が売られる展開

NYダウは119.68ドル安の31493.34ドル、ナスダックは100.14ポイント安の13865.36ポイントで終了した。週次新規失業保険申請者数が予想を上回り、労働市場の回復の鈍さが嫌気され、寄り付き後、下落した。また、米長期金利の先高観測を背景に割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)銘柄が売られ、一時320ドル超下げた。2020年11月-21年1月期決算で最終赤字に転落し、今期業績見通しも振るわなかった小売り最大手のウォルマートが6%超の大幅安となったことも指数の押し下げ要因となった。ただ、米追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及への期待から押し目買い意欲は旺盛で、引けにかけては下げ幅を縮めている。VIX指数は21.50から22.49へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ワクチン接種の進捗相場の様相

ドル/円は、対ポンド中心にドル売りが進んだ流れに沿って一時105.60円と日通し安値を付けたものの、米10年債利回りが1.31%台まで上昇するとドル/円にも買い戻しが入り下げ渋り、105.88円付近まで持ち直した。もっとも、米10年債利回りが1.27%台まで上昇幅を縮めるとドル円の上値も重くなった。市場では『米金利の動きにドル円が一番敏感になっている』との声が聞かれた。 

 

ユーロ/ドルは、対ポンド主導でドル安が進んだ流れに沿って、一時1.2095ドルと日通し高値を付けた。米長期金利が上昇幅を縮めたこともユーロ買い・ドル売りを誘った。なお、この日発表の前週分の米新規失業保険申請件数や1月米住宅着工件数は予想より弱い内容となった一方、2月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数は予想を上回るなど強弱入り混じる結果となったため、相場の反応は限られた。

 

ポンド/ドルは、NY序盤に一時1.3986ドルと2018年4月以来約2年10カ月ぶりの高値を付けた。英国では新型コロナウイルスのワクチン接種が相対的に早く進んでおり、経済正常化への期待からポンドが買われた。その後の下押しも1.3927ドル付近にとどまり、引けにかけては1.3980ドル付近まで再び強含んだ。人口6千万人強の英国では1回目のワクチン接種を終えた人は約1590万人で、人口比でみるとワクチン接種は主要国の中で最も進んでいる。ワクチン対策本部のトップは『8月か9月までには国内の全ての成人が2度のワクチン接種を終えることが可能』との見解を示している。 

 

NY原油先物市場は反落:連騰後の利食い売り優勢

NY原油先物市場は59.81ドル-62.29ドルのレンジ相場となった。連日激しく動いている原油先物市場だが、米エネルギー省(EIA)が発表した原油在庫が大幅な減少となったことで、一時原油先物は強含む場面もあった。しかし、3日連続で上げ幅を広げていたこともあり利食い売りも入り、次第に上値が重くなり4日ぶりに反落して引けた。もっとも、米テキサス州ではいまだに電力が行き届かない地域も多いことで、供給不足を懸念する声は強い。米国における原油生産の減少を受けてアジア市場で62.29ドルまで買われたが、欧米株安を嫌ってニューヨーク市場で60ドルを下回った。

 

NY金先物市場は小幅高:ドル安進行で小幅に買い戻し

NY金先物市場は1766.60-1788.80ドルのレンジ相場となった。金先物価格は一時1766ドル台まで弱含む場面もあったが、ポンドをはじめドル売りが進んだこともあり、ドルで取引される金先物価格は割安感から5営業日ぶりに小幅反発して引けた。ニューヨーク市場の序盤にかけて1788.80ドルまで戻したが、安全逃避のドル買いが観測されており、1766.60ドルまで反落した。その後、1779.30ドルまで戻したが、代替資産である金の需要は伸び悩んでおり、1780ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は反落:追加経済貸借やワクチン普及への期待から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.29%で終了した。米追加経済対策や新型コロナウイルスのワクチン普及への期待から債券売りが先行したものの、米国株の下落を受けて次第に買い戻しが入った。 

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