FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:下落後FOMC議事要旨の内容受け買い戻し

NYダウは90.27ドル高の31613.02ドル、ナスダックは82.00ポイント安の13965.50ポイントで取引を終了した。1月の生産者物価指数(PPI)が予想を大幅に上回ったためインフレ懸念が再燃し寄り付き後、下落した。また、欧州株の下落につれた売りが出たほか、相場の過熱感を警戒する売りが先行し一時180ドル超下げたものの、売り一巡後は徐々に下値が堅くなった。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月26日-27日分)で『米景気回復はFRBの目標にはほど遠いとの認識で一致』と明らかになったほか、市場が警戒する物価上昇について『一時的で長続きしない』との認識が示されると買いが優勢になった。VIX指数は21.46から21.50へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ドルは米長期金利動向に振れる展開

ドル/円は、1月米小売売上高と1月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことをきっかけに円売り・ドル買いが先行し、一時106.20円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値106.22円の上抜けに失敗すると一転下落した。指標発表直後に一時1.3294%前後まで上昇した米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重石となり、一時105.78円と日通し安値を更新した。NY序盤、米国株相場が軟調に推移したこともリスク回避的な円買いを誘った。ただ、5日の高値105.77円や200日移動平均線が位置する105.51円がサポートとして意識されると下げ渋る展開になり、一時は180ドル超下落したNYダウが上昇に転じ、過去最高値を更新したことも相場の下支え要因になった。 

 

ユーロ/ドルは、ユーロポンドが下落した影響を受けてユーロ売り・ドル買いが先行した。ドラギ伊新首相の『イタリアは2022年末までにパンデミック前のレベルを取り戻すことはないだろう』との発言も相場の重石になった。この日発表の米経済指標が軒並み予想を上回ったこともドル買いを促し、一時1.2023ドルと日通し安値を更新した。その後の戻りも1.2047ドル付近にとどまった。

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは上値を追う展開。対ドルでは一時52631ドル前後、対円では556万円程度まで買われ、いずれも史上最高値を更新した。市場では『電気自動車テスラや米マイクロストラテジーなど米主要企業による保有や関連事業への参入が相次ぎ、先高観が高まっている』との指摘があった。

 

NY原油先物市場は続伸:寒波による供給懸念継続の買い優勢

NY原油先物市場は59.56ドル-61.31ドルのレンジ相場となった。米国テキサス州を中心とする大寒波で、複数の精油施設が閉鎖されていることによる原油供給懸念が先物価格を押し上げ、昨年1月以来となる水準まで続伸した。なおテキサス州だけでは約270万世帯が停電し、さらに規模が拡大すると報じられている。ニューヨーク市場の序盤に59.56ドルまで下げたが、原油供給不足を警戒して、通常取引終了後の時間外取引で61.31ドルまで買われている。

 

NY金先物市場は続落:世界経済回復期待とドル高を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1767.90-1794.20ドルのレンジ相場となった。ユーロをはじめ欧州通貨やオセアニア通貨に対してドル高が進んだことで、ドルで取引される金先物市場は割高感もあり4日続落した。米小売売上高が好結果になるなど、世界経済への回復期待などもあり避難通貨としての金先物から資金が流出し、一時昨年6月以来の水準まで弱含んだ。アジア市場で1794.20まで戻したが、まもなく反落。ニューヨーク市場の中盤にかけて1767.90ドルまで下げ幅は拡大した。 

 

米国債券市場は4営業日ぶりに反発:米国株の下落で一転買い戻し

米国債券市場で長期ゾーンは4営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)1.27%で終了した。1月米小売売上高や1月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことを受けて債券売りが先行したものの、米国株相場の下落を理由に一転買い戻しが優勢となった。市場では『相場下落が続いたあとだけに押し目買いが入った』との声も聞かれた。なお、20年債入札が『低調だった』と受け止められると債券売りが強まる場面もあった。

 

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