FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:市場混乱が収束に向かうとの見方から買い優勢

NYダウは475.57ドル高の30687.48ドル、ナスダックは209.38ポイント高の13612.78で取引を終了した。SNSで連携した個人投資家の買い煽りで急騰していたゲームストップ株がこの日も大幅下落したことを受けて、相場混乱が収束に向かうとの期待が広がり、寄り付きから上昇した。バイデン米政権による追加経済対策への期待も相場を押し上げ、NYダウは一時620ドル超上昇した。引け後に大型ハイテク企業の決算を控え、市場の関心は企業業績に移った。VIX指数は30.24から25.56へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇から全般ドル買い優勢

ドル/円は、ゲーム専門店のゲームストップなど個人の投機的な買いで高騰していた銘柄が大幅に下落する中、相場混乱が収束に向かうとの見方が広がり米国株相場が大幅に上昇した。加えて、バイデン米政権による追加経済対策への期待から米長期金利も上昇し、ドル買いを誘った。市場では『ドル円は先週、一目均衡表雲の上限を明確に上抜けており、テクニカル的にも買いが入りやすい』との声が聞かれ、一時105.17円と昨年11月12日以来の高値を付けた。市場関係者からは『ワクチン購入のためのドル買いも意識される』との指摘があった。もっとも、昨年11月12日の高値105.48円や11月11日の高値105.68円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。105.60円には200日移動平均線も位置しており、105円台半ばにはテクニカル的なポイントが目立つ。

 

ユーロ/ドルは、全般ドル高が進んだ流れに沿ってユーロ売り・ドル買いが先行した。ネックラインとなっていた1月18日の安値1.2054ドルを下抜けると断続的にストップロスを巻き込んで、一時1.2012ドルと昨年12月1日以来の安値まで下げ足を速めた。独仏などではロックダウン(都市封鎖)の出口が見えにくい状況が続いており、ユーロ圏経済低迷の長期化を警戒したユーロ売りも出やすい。なお、『イタリアではドラギ前欧州中央銀行(ECB)総裁が次期首相筆頭候補となっている』との報道が伝わった。

 

NY原油先物市場は大幅続伸:欧米株高を好感した買い優勢

NY原油先物市場は53.45ドル-55.26ドルのレンジ相場となった。1月の石油輸出国機構(OPEC)の産油量は7カ月連続増加したものの、増加幅は市場予想を下回り、需給不均衡に対する警戒感が後退した。また、欧米株が堅調な動きになるなど、投資家のリスク回避志向が後退したことも、リスク資産の原油買いを後押しした。アジア市場で54ドル台に上昇した後、一時54ドルをやや下回ったが、ニューヨーク市場の序盤にかけて55.26ドルまで一段高となった。

 

NY金先物市場は反落:銀相場が急落したことに連れた売り優勢

NY金先物市場は1830.40-1866.30ドルのレンジ相場となった。前日に急騰した銀相場がこの日は急落し、金も売りが優勢となった。米交流サイト(SNS)の個人投資家による投機的な売買で銀相場が乱高下し、貴金属相場全体に影響を与えている。アジア市場の序盤で1866.30ドルまで買われたが、まもなく反落した。ニューヨーク市場の序盤にかけて1830.40ドルまでじり安となった。 

 

米国債券市場は続落:米国株の大幅上昇を受け売り優勢

米国債券市場の長期ゾーンは4日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.10%で終了した。投機的な売買による市場混乱が収束に向かうとの見方から米国株相場が大幅に上昇すると、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。米追加経済対策の成立に伴う国債増発観測も相場の重しとなった。 

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