FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は大幅下落:個人投資家の投機的な動きに警戒した売り

NYダウは633.87ドル安の30303.17ドル、ナスダックは355.47ポイント安の13270.60ポイントで取引を終了した。決算内容が嫌気された米航空機ボーイングなどの銘柄が大幅に下げ、相場の重石となった。一部銘柄に対する個人投資家の著しく投機的な動きも警戒を誘い、一時730ドル超下げる場面があった。米株の変動性指数(VIX、恐怖指数)が37.21と米大統領選の投開票日直前だった昨年11月4日以来の高水準まで急伸したことで、『リスク回避の売りが加速した』との声も聞かれた。
 ヘッジファンドが空売りを積み上げたGameStopやAMCなどの銘柄に個人が集団で買いを入れ、踏み上げを誘う展開がこの日も継続した。『一部ヘッジファンドは損失穴埋めを迫られ、買い持ちしている主力株を売却した。それが相場下落につながっている』との見方もあった。VIX指数は23.02から37.21へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株の大幅安でリスク回避のドル買い

ドル/円は、米国株市場では一部銘柄に対する個人投資家の著しく投機的な動きがマーケット心理を冷やし、NYダウが一時730ドル超下落。為替市場ではリスク回避のドル買いが優勢になった。まとまった規模の売り注文が観測されていた104.00円を上抜けて、一時104.20円まで上値を伸ばした。米連邦準備理事会(FRB)は26-27日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場予想通りFF金利の誘導目標を0.00-0.25%に据え置くことを全会一致で決定。声明では『経済活動や雇用の回復ペースはここ数カ月に鈍化しており、弱さはパンデミックで最も大きな打撃を受けたセクターに集中している』と指摘し、『FRBはこの厳しい状況で米経済を支援し、最大雇用と物価安定の目標を達成するために、あらゆる手段を活用することに注力している』と改めて表明した。
 また、パウエルFRB議長は会見で『今後の道筋は非常に不確実なまま』としながらも、『一部の動きは年内の見通し改善を示唆』『下期の力強い経済見通しを支持する有望な証拠ある』などと発言した。テーパリング(量的緩和の縮小)の議論については『時期尚早』とし、『時期が来たならば事前に検討することを話す』と語った。FRBが予想より早くテーパリングを検討するとの懸念は後退したものの、株価の反発にはつながらなかった。 

 

ユーロ/ドルは、欧米株価の大幅下落を背景に、リスク回避のドル買いが活発化し一時1.2059ドルと日通し安値を付けた。独政府が2021年成長見通しを従来の4.4%から3.0%に引き下げたことや、『欧州中央銀行(ECB)当局者らは市場がECBによる利下げの可能性を過小評価していると認識』との一部報道もユーロ売りを促した。ただ、急ピッチで下落した反動も出て、引けにかけては下げ渋った。 

 

NY原油先物市場は小幅反発:原油在庫減少を意識した買い優勢

NY原油先物市場は51.85ドル-53.30ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(1/22時点)で原油在庫が-991.0万バレル(前週 +435.1万バレル)と取り崩しに転じた。ニューヨーク市場の序盤にかけて51.85ドルまで下落したが、原油在庫の減少を意識して一時53.30ドルまで買われた。ただ、米国株安やドル高を意識して米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の結果判明後に52.77ドルまで下げており、通常取引終了後に原油先物の上げ幅は縮小した。

 

NY金先物市場は5営業日続落:ドル高を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1828.40-1851.50ドルのレンジ相場となった。欧米株安によるリスク回避は昨日に続き安全資産である金購入につながらなかった。リスク回避のドル高がドル建て金価格の割高感につながり、上値を重くした。アジア市場で1851.50ドルまで買われたが、その後は伸び悩み。ニューヨーク市場の序盤にかけて1828.40ドルまで下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の結果判明前に1849.20ドルまで戻したが、結果判明後は1845ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は上昇:欧米株の大幅下落から安全資産として買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.01%で終了した。欧米の株式相場が軟調に推移したことを受けて、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。利回りは一時0.9992%前後まで低下する場面があった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が政策維持を決定すると同時に、景気回復ペースの鈍化を指摘し、金融緩和策の維持を改めて確約したことも相場を下支えした。 

 

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