FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:決算結果相場の様相で方向感出ず

NYダウは22.96ドル安の30937.04ドル、ナスダックは9.93ポイント安の13626.07ポイントで取引を終了した。バイデン大統領がワクチン普及ペースを加速させる計画を発表、夏までに集団免疫を目指しているとしたほか、追加経済対策を巡り共和党との交渉にも前向きな姿勢を示したため寄り付き後上昇した。また、決算内容が好感されたジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)やスリーエム(3M)などが買われ、指数の押し上げ要因となったが、ベライゾン・コミュニケーションズやアメリカン・エキスプレスなどが売られ相場の上値を抑えた。もっとも、明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見を控えて、大きな方向感は出なかった。VIX指数は23.19から23.02へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国株失速でリスク選好のドル売り後退

ユーロ/ドルは、日本時間夕刻に一時1.2108ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢になった。欧州株相場やNYダウ先物の上昇を背景にリスク選好のドル売りが優勢となり、一時1.2176ドルと日通し高値を更新した。ただ、前日の高値1.2183ドルを上抜けることは出来なかった。『欧州中央銀行(ECB)は米連邦準備理事会(FRB)との政策の違いが為替レートに与える影響を調査する』との一部報道が伝わると、ユーロ売りで反応し一時1.2140ドル付近まで下押しする場面があった。米国経済の方が強いにもかかわらず、ドルが弱いことが疑問だという。なお、イタリアのコンテ首相はこの日、閣議を開催し辞任する意向を表明し、マッタレラ大統領に辞表を提出した。大統領は27日に主要政党の党首らと今後の政局について協議する見通し。ただ、事前に伝わっていた内容だったこともあり、相場の反応は限定的だった。

 

ドル/円は、欧州株やNYダウ先物の上昇を受けて、リスク選好のドル売りが先行し、一時103.56円と日通し安値を付けた。ただ、一目均衡表基準線103.50円や22日の安値103.49円がサポートとして働くと下げ止まった。高く始まった現物の米国株が失速したこともリスク選好のドル売りを後退させた。なお、11月米ケース・シラー住宅価格指数や1月米消費者信頼感指数は予想を上回った一方、1月米リッチモンド連銀製造業景気指数は予想を下回るなど強弱入り混じる結果となったため、相場の反応は限られた。

 

NY原油先物市場は小反落:需要後退観測から売り優勢

NY原油先物市場は52.29ドル-53.25ドルのレンジ相場となった。ワクチン普及や米追加支援策の停滞感が、経済回復の遅れによるエネルギー需要の後退観測につながり、原油相場の上値を重くした。明日の米エネルギー省(EIA)週間石油在庫発表を前にした動きにくさもあった。アジア市場で52.29ドルまで売られた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて53.25ドルまで戻した。しかしながら、利益確定を狙った売りが増えたことによって、原油先物は伸び悩み、52.40ドルまで下げた。

 

NY金先物市場は4営業日続落:リスク回避のドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1847.20-1860.80ドルのレンジ相場となった。米株軟調でリスク回避傾向だったが、安全資産として金が買われるよりも、リスク回避のドル高がドル建て金価格の割高感をより意識させ、売りが優位だった。アジア市場で1860.80ドルまで買われたが、その後は伸び悩みとなった。ロンドン市場で1847.20ドルまで下落し、ニューヨーク市場の序盤にかけて1859.30ドルまで戻したが、換金目的の売りが入ったことで金先物の上値は重くなった。

 

米国債券市場は横ばい:様子見ムード強く方向感出ず

米国債券市場で長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前営業日と同じ1.03%で終了した。米追加経済対策の与野党協議の動向を見極めたいとして、様子見ムードが強まった。明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に方向感が出にくい面もあった。 

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