FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:主力ハイテク株に買いが入り下げ渋る

NYダウは36.98ドル安の30960.00ドル、ナスダックは92.93ポイント高の13635.99ポイントで取引を終了した。バイデン大統領が提示した1.9兆ドルの追加経済対策の行方に不透明感がくすぶったほか、新型コロナウイルスワクチンの普及ペースに不透明感が漂い、経済正常化が遅れかねないとの見方から売りが優勢となった。米長期金利の低下を受けて、金融のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなども売られ、指数は一時430ドル超下げた。市場では『GameStop株が乱高下し、売買の一時停止が相次いだため、投資家心理が悪化した』との声も聞かれた。ただ、決算発表を迎える主力ハイテク株には買いが入ったため、引けにかけては下げ渋った。VIX指数は21.91から23.19へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株の持ち直しでドル買い後退

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の1月独Ifo企業景況感指数が予想を下回ったことを受けてユーロ売り・ドル買いが先行した。米製薬大手メルクが2種類の新型コロナウイルスワクチンの開発を打ち切ると発表すると、ワクチン普及の不透明感が広がり欧米株価が軟調に推移した。リスク回避のドル買いが優勢となり、一時1.2116ドルと日通し安値を付けた。ただ、一時は430ドル超下落したNYダウが下げ幅を縮めると、投資家のリスク回避姿勢が和らいだため、ドル買い圧力が後退し1.2148ドル付近まで下げ渋った。
 なお、『イタリアのコンテ首相は26日朝に辞任する見通し』との報道が伝わったものの、相場の反応は限定的だった。伊連立与党は内紛で一部の政党が離脱し、議会上院で議席が過半数割れとなっているため、いったん辞任し、再び新政権の樹立を目指すとみられている。 

 

ドル/円は、欧米株安に伴うリスク回避のドル買いが先行すると、一時103.93円と日通し高値を付けたものの、104.00円に観測されている本邦実需勢の売りに上値を抑えられると失速した。クロス円の下落につれた円買いも入り、103.75円付近まで下押しした。米国株の下げ渋りもドル買い圧力を後退させた。もっとも、NY市場に限ればドル円の値幅は23銭程度だった。 

 

NY原油先物市場は反発:押し目買いで下げ止まり

NY原油先物市場は51.82ドル-52.88ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルスのワクチン普及による経済回復への期待と、製薬大手メルクが2種類のコロナワクチンの開発打ち切りを発表したことへの不安が交錯した。経済動向が原油などエネルギー需要へ与える影響も見通しにくくなったことで、原油相場はもみ合いとなった。ロンドン市場で52.88ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて51.82ドルまで反落したが、押し目買いが観測されており、時間外取引で52ドル台後半まで戻す場面があった。 

 

NY金先物市場は続落:ドル反発が意識され伸び悩む

NY金先物市場は1846.20-1867.40ドルのレンジ相場となった。NYダウが続落の一方、ナスダック総合指数は一時マイナス圏で推移も持ち直して続伸と米株市場の方向感も定まらず、リスクセンチメントの強弱は不明瞭だった。リスク回避資産とされる金への引き合いの有無もはっきりせず、先週末の終値を挟んで小幅に上下した。ニューヨーク市場の序盤にかけて1867.40ドルまで買われたが、その後に安全逃避的なドル買いが観測されており、1846.20ドルまで反落した。通常取引終了後は1855ドルを挟んだ水準で推移し、上げ渋る状態が続いた。

 

米国債券市場は続伸:経済正常化が遅れかねないとの懸念から買い優勢

米国債市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)1.03%で終了した。新型コロナウイルスのワクチン普及に不透明感が漂い、経済正常化が遅れかねないとの懸念から安全資産とされる米国債が買われた。バイデン米大統領による大型経済対策の先行き不透明感も債券買いを誘った。

 

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