FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:決算内容に振れる展開

NYダウは179.03ドル安の30996.98ドル、ナスダックは12.15ポイント高の13543.06ポイントで取引を終了した。減収減益決算を発表したIBMが一時10%超下落し、1銘柄でNYダウを76ドルほど押し下げた。同じく決算内容が嫌気されたインテルも9%超下落し、相場の重石となった。軟調な原油相場を背景に石油関連株も軟調だった。 バイデン政権が提示した約2兆ドル規模の追加経済対策を巡り共和党の反対意見が強まり期待が後退したため寄り付き後、下落した。また、ワクチン普及の遅れや次期財務長官に指名されているイエレン氏がバイデン政権の増税の方針を再確認したことも売り材料となり終日軟調推移となった。VIX指数は21.32から21.91へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避のドル買い優勢

ドル/円は、欧州株相場やNYダウ先物、コモディティ価格などの下落を背景に、リスク回避のドル買いが先行した。103.80円超えに観測されていたストップロスの買いを誘発すると、一時103.88円と日通し高値を更新した。ただ、103.88円近辺に位置する一目均衡表雲の下限が意識されると上昇は一服した。一時は260ドル超下落したNYダウが70ドル安程度まで下げ幅を縮めたこともリスク回避の動きを後退させた。NY午後に入ると、週末を控えたポジション調整の動きに終始したため、103円台後半で値動きが細った。なお、この日発表された1月米製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値や12月米中古住宅販売件数は予想を上回ったものの、相場の反応は限られた。 

 

ユーロ/ドルは、NY市場に限れば方向感に乏しい展開だった。欧米株価の下落に伴うリスク回避のドル買いが入った半面、この日発表の1月ユーロ圏PMI速報値が良好だったことが意識されてユーロ買い・ドル売りが入った。現物の米国株が下げ渋ったことも相場を下支えした。 

 

ポンド/ドルは、欧州時間発表の英小売指標が予想を下回ったほか、英PMI速報値が低調な内容となったことから、全般ポンド売りが先行し一時1.3636ドルと日通し安値を付けた。英国ではロックダウン(都市封鎖)が夏まで続くとの観測が浮上しており、新型コロナ感染拡大による景気への悪影響や収束後の景気回復のペースも懸念される。ジョンソン英首相はこの日の会見で、英国で広がっている新型コロナの変異種について『従来型よりも感染力が強いことに加えて、死亡率が高い可能性があるとの報告を受けた』と発表した。 

 

NY原油先物市場は続落:原油在庫増加などを嫌気した売り優勢

NY原油先物市場は51.44ドル-53.16ドルのレンジ相場となった。エネルギー消費大国である中国で新型コロナウイルス感染再拡大の兆候がみられ、経済が停滞した場合の石油需要減が懸念されて原油先物は時間外から軟調に推移した。ニューヨーク勢参入後に買い戻しが強まる場面もあったが、米エネルギー省(EIA)週間在庫統計で原油が6週間ぶりの積み増しとなると上値を再び切り下げた。ニューヨーク市場の序盤に51.44ドルまで下落。その後、52.79ドルまで戻す場面があったが、戻り売りが観測されており、時間外取引で52.01ドルまで下落した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比2基増加の289基となった。

 

NY金先物市場は小幅安:良好な米経済指標を受け売り優勢

NY金先物市場は1836.30-1870.80ドルのレンジ相場となった。時間外から地合いが弱かったところに、1月米PMI速報値が製造業/サービス部門とも市場予想を上回ったことで売りの勢いが強まり、一時1836ドル台まで下落した。ただ、下げたところでは拾いたい向きも多く、売り一巡後は下値を切り上げた。アジア市場の序盤で1870.80ドルまで買われたが、まもなく反落。ニューヨーク市場の序盤にかけて1836.30ドルまで下げ幅は拡大した。安全資産である米国債の需要が増えており、金先物は換金目的の売りに押された。債券買い・金売りとみられる取引も観測された。

 

米国債券市場は反発:欧米株軟調で安全資産としての買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.08%で終了した。欧米の株式相場が軟調に推移したうえ、商品相場も下落したことから、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。 

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