FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:大型経済対策を期待した買い優勢

NYダウは211.73ドル高の31041.13ドル、ナスダックは326.69ポイント高の13067.48ポイントで取引を終了した。米民主党が大統領と上下両院の過半数を握る『ブルーウエーブ』が実現した。財政支出に積極的な民主党政権になれば、大型の追加経済対策が実施されるとの期待が高まり、買いが広がった。また、12月ISM非製造業景況指数が予想外に11月から改善すると回復への期待も広がり上げ幅を拡大し た。VIX指数は25.07から22.37へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い優勢

ドル/円は、米上院2議席を争うジョージア州の決選投票で民主党の勝利が確実となり、同党が大統領と上下両院の過半数を占める『ブルーウエーブ』が実現した。追加経済対策など民主党政権での財政出動を期待した米株高と金利上昇の流れが強まり、為替市場ではドル買いが優勢となった。トランプ米大統領が混乱のない政権移行を表明したことなども好感された。米10年物国債利回りが一時1.0863%前後と昨年3月20日以来の高水準を付けたことや、12月米ISM非製造業指数が57.2と予想の54.6を上回ったこともドル買いを促し、一時103.95円と昨年12月15日以来の高値を付けた。
 一方、前日のトランプ米大統領支持者による連邦議事堂の乱入事件に抗議して、政府高官の辞任報道が相次いだ。国家安全保障会議(NSC)の欧州・ロシア問題担当シニアディレクター、ライアン・タリー氏やポッティンジャー大統領副補佐官(国家安全保障担当)が辞任したほか、米共和党トップのマコネル上院院内総務の妻であるチャオ米運輸長官が辞任を表明した。政権交代を約2週間後に控えて、さらなる辞任も予想される。市場では『主要スタッフの辞任は政権移行が進む中で国家安全保障を巡る問題が生じかねない』との指摘があったものの、相場の反応は限られた。 

 

ユーロ/ドルは、米国でブルーウエーブが実現したことを受けて、米株高とともに米長期金利が上昇した。主要通貨に対してドル買い戻しが進んだ流れに沿って、欧州時間に一時1.2245ドルと日通し安値を付けた。ただ、NY市場に限れば狭いレンジでのもみ合いに終始した。株高を背景にリスク選好のドル売りが出た半面、米金利上昇に伴うドル買いが入ったため相場は方向感が出なかった。 

 

NY原油先物市場は小幅続伸:需給改善の期待から買い優勢

NY原油先物市場は50.39ドル-51.28ドルのレンジ相場となった。昨日、米エネルギー省(EIA)石油在庫統計で原油在庫の取り崩し幅が大きかったことを受けて以来の原油買いの流れが継続された。もっともこの数日の上げ幅が大きかったこともあり、利食い売りなども入り上昇幅は僅かだった。主要産油国による供給抑制によって需給改善への期待は高まっており、原油先物は50ドル台を維持した。 

 

NY金先物市場は小反発:ポジション調整売りが一巡

NY金先物市場は1907.50-1929.60ドルのレンジ相場となった。昨日の米議会議事堂への乱入などを嫌気し、安全資産とされる金に買いが集まった。もっとも、ドル高、米金利上昇と、昨日同様に為替・金利市場がリスク選好の値動きになっていることで、徐々に上げ幅を縮めた。ニューヨーク市場の序盤にかけて1907.50ドルまで下げたが、ポジション調整とみられる売りが一巡した後は押し目買いが入っており1919.30ドルまで戻す場面があった。

 

米国債券市場は続落:好調な結果となった12月ISM非製造業受け売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.08%で終了した。利回りは一時1.0863%前後と昨年3月20日以来の高水準を付けた。米民主党が大統領と上下両院の過半数を握る『ブルーウエーブ』が実現した。市場では『追加経済対策など民主党政権での財政出動について織り込みが進んだ』との指摘があった。12月米ISM非製造業指数が予想を上回ったことも債券売りを誘った。

 

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