FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:現金給付額の採決見送りで失望感から売り

NYダウは68.30ドル安の30335.67ドル、ナスダックは49.20ポイント安の12850.22ポイントで取引を終了した。米議会下院は28日、米追加経済対策に対し、世帯への現金給付額を1人最大2000ドルに増額する法案を賛成多数で可決したものの、上院では多数派である共和党の反発が予想されるため積極的に上値を追う展開にはならなかった。マコネル上院院内総務(共和党)は同案の審議に入る方針を示したが、採決には進まなかった。そのため、失望感が広がり下落に転じた。VIX指数は21.70から23.08へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株失速でドル売り鈍化

ユーロ/ドルは、米国の追加経済対策の成立を背景に欧州株やNYダウ先物が上昇すると、リスク選好のドル売りが先行した。18日の高値1.2272ドルや17日の高値1.2273ドルを上抜けて、一時1.2275ドルと2018年4月以来約2年8カ月ぶりの高値を付けた。ただ、高く始まった米国株が失速するとドル売りの勢いが後退した。ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いも入り、一時1.2236ドル付近まで下押しした。米議会下院は28日、米追加経済対策に対し、世帯への現金給付額を1人最大2000ドルに増額する法案を賛成多数で可決したものの、上院では多数派である共和党の反発が予想され、実現には不透明感が広がっている。マコネル上院院内総務(共和党)はNY午後に、同案の審議に入る方針を示したが、採決には進まなかった。 

 

ドル/円は、ユーロ円などクロス円の上昇につれた買いが先行し、一時103.75円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値103.83円を上抜けることは出来なかった。米国株が上昇して始まるとリスク選好のドル売りが進み、一時103.46円と日通し安値を更新した。ただ、米国株が失速するとドル売りの勢いは後退した。前日の安値103.41円や一目均衡表転換線103.39円が目先サポートとして働いたことも相場を下支えした。 

 

NY原油先物市場は反発:経済正常化への期待感から底堅い展開

NY原油先物市場は47.68ドル-48.35ドルのレンジ相場となった。時間外からニューヨーク序盤まではリスク選好地合いを支えに48ドル台で底堅く推移した。その後、高寄りした米国株がマイナス圏に沈むと原油先物も上値を切り下げる展開になった。ただし、新型コロナウイルス・ワクチンの普及が徐々に進むなかで経済正常化への期待感は根強く、47ドル台では下げ渋った。48ドル以下で押し目買いの興味が残されていることから、原油先物は底堅い動きとなった。 

 

NY金先物市場は反発:米政治の懸念で売買交錯

NY金先物市場は1875.60-1891.30ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが対ユーロで2018年4月以来のドル安を記録すると、ドル建ての金先物は割安感から買い優勢となる場面があった。ただ、米下院で可決し上院に送付された『追加コロナ支援策の現金給付増額』の行方を見極めたいとの向きも多く、積極的に上値を追う動きは見られなかった。ユーロ/ドルでドル売りが一服したことも重しとなり、金先物は引けにかけて上げ幅を縮めた。 

 

米国債券市場は下落:米上院での政治不安から買戻し

米国債券市場で長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.94%で終了した。米追加経済対策の一環である世帯への現金給付額増額期待を背景に債券売りが先行したものの、マコネル上院院内総務(共和党)が下院で可決された現金給付額を2000ドルに引き上げる案を阻止すると買い戻しが入り下げ幅を縮めた。 

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