FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:ワクチン接種の開始と追加経済対策合意で買い戻し

NYダウは37.40ドル高の30216.45ドル、ナスダックは13.12ポイント安の12742.52ポイントで取引を終了した。英国で拡大している新型コロナウイルス変異種の感染性が高いことが明らかになり、警戒感から寄り付き後大きく下落した。その後、安値からはファイザーに続き、米食品医薬品局(FDA)の承認を受けたモデルナのワクチン接種が開始されたことや、議会が追加経済対策で合意にいたったことを好感した買いに支えられ、引けにかけてダウは上昇に転じた。VIX指数は21.57から25.16へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株持ち直しでドル売り優勢に

ポンド/ドルは、英国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)交渉が決着せず、今週も交渉継続となったことが嫌気されたほか、英国などで感染力が非常に強い新型コロナウイルスの変異種が確認されたため、欧州市場では一時1.3188ドルまで売り込まれた。ただ、NY市場では買い戻しが優勢になった。安く始まったNYダウがプラス圏を回復するなど、米国株相場が底堅く推移すると、リスク回避のドル買いが後退した。英EU交渉で溝が深い漁業権問題に関して、『ジョンソン英首相が歩み寄る姿勢を示した』と伝わると、合意への期待感が高まりポンド買いが加速し、一時1.3498ドル付近まで買い戻され、下げ幅をほぼ取り戻した。

 

ユーロ/ドルは、新型コロナの変異種が英国など欧州を中心に広がりを見せていることが懸念されて、欧州市場に一時1.2130ドルまで売られた影響が残った。ただ、NY市場では底堅く推移した。一時は420ドル超下落したダウ平均が上げに転じるとリスク回避の動きが後退した。アジア時間の高値1.2237ドルを上抜けて一時1.2253ドルと日通し高値を更新した。なお、世界保健機関(WHO)はこの日、英国などで新型コロナの変異種が検出されたことについて、『変異種の出現はパンデミック(世界的な大流行)の過程で通常見られること』とし、『過度に警戒する必要はない』との見解を示した。 

 

ドル/円は、新型コロナの変異種を巡る懸念からリスク回避のドル買いが入り、欧州時間に一時103.89円と日通し高値を付ける場面があった。ただ、NY市場に入るとNYダウが持ち直したことで、投資家のリスク回避姿勢が後退した。取引終了間際に一時103.27円付近まで押し戻された。 

 

NY原油先物市場は反落:石油需要の先行き不透明感を嫌気

NY原油先物市場は46.25ドル-49.31ドルのレンジ相場となった。感染力が強いコロナの変異種が英国など欧州で広がったことを受けて、英国からの旅客機乗り入れや国境封鎖などの措置が導入された。制限措置の強化による景気減速への懸念が強まり、エネルギー需要の先行き不透明感が再燃し、先週5日続伸した原油は利益確定の売りに押された。

 

NY金先物市場は続落:ポジション調整的な売り優勢

NY金先物市場は1859.00-1912.00ドルのレンジ相場となった。感染力が強いコロナの変異種が英国など欧州で広がったことを受けてリスク回避のドル買いが先行し、ドル建ての金は割高感で売りが先行した。安全逃避的なドル買いが増える可能性があることから、ポジション調整的な売りが優勢となった。2月限は一時1859.0ドルまで下落したが、ドル高が巻き戻され、金は下げ幅を縮小して取引を終えた。 

 

米国債券市場は反発:米国株が底堅く推移すると売り優勢に

米国債券市場の長期ゾーンは5営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.93%で終了した。新型コロナウイルスの変異種への懸念から、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入ったものの、米追加経済対策を巡る与野党合意で米国株が底堅く推移すると米国債に売りが出たため上げ幅を縮めた。

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