FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:利益確定目的の売りが優勢

NYダウは124.32ドル安の30179.05ドル、ナスダックは9.11ポイント安の12755.64ポイントで取引を終了した。前日に史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。米追加経済対策を巡り、マコネル上院院内総務(共和党)は『協議は依然として建設的』と述べたものの、その後の進展状況が報じられず、相場の重しになった面もあるようだ。また、 国家核安全保障局(NNSA)を含む複数の連邦政府機関が大規模サイバー攻撃を受けたことも警戒感に繋がった。引けにかけては、S&P500種指数のリバランスやクアドルプル・ウィッチングで、オプション、先物の期日に絡んだ調整取引に下げ幅を縮小した。VIX指数は21.93から21.57へ低下した。

 

NY外国為替市場:週末を控え方向感を欠く展開

ユーロ/ドルは、欧州時間に発表された12月独Ifo企業景況感指数が予想を上回ったことを受けて、一時1.2269ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値1.2272ドルや前日の高値1.2273ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。週末を控えたポジション調整目的の売りも出て、1時30分前に一時1.2226ドルと日通し安値を付けた。市場では『クリスマス休暇を翌週に控えて、調整が進みやすかった』との声が聞かれた。 

 

ポンド/ドルは、英国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)など将来関係を巡る交渉の時間切れが迫る中、全般ポンド売りが優勢となった。前日に一時1.3624ドルと2018年5月3日以来の高値を付けたあとだけに利益確定目的の売りも出やすく、一時1.3472ドルと日通し安値を更新した。ポンド/円は139.32円まで下落した。バルニエEU離脱首席交渉官はこの日、『合意の可能性はあるが、その道筋は狭まっている』などと述べた。なお、『ジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長は英EU離脱後の協定取りまとめのため、今後48時間におよぶ話し合いを実施する』と伝わった。

 

ドル/円は、NY市場に限ればもみ合いの展開だった。ユーロやポンドに対してドル買い戻しが進んだ影響を受けて円売り・ドル買いが出た半面、103円台半ばから上の水準に観測されている本邦実需勢の売りなどに上値を抑えられた。15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)など重要イベントを通過したことで、方向感が出にくい面もあった。 

 

NY原油先物市場は5日続伸:景気回復による需要増加期待から買い優勢

NY原油先物市場は48.27ドル-49.43ドルのレンジ相場となった。取りまとめに入りつつある米追加経済対策への期待ほか、米国で2番目の新型コロナウイルスワクチンの接種が始まることが、景気回復によるエネルギー需要の押し上げ観測を支援した。需要増加への期待でポジション調整的な買いが入った 。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は、前週末比5基増加の263基となった。

 

NY金先物市場は4日ぶりに反落:週末を控え利食い売り優勢

NY金先物市場は1881.90-1895.70ドルのレンジ相場となった。3日続伸で11月9日以来、1カ月ぶり以上となる1900ドル台回復をうかがう上昇となった後を受けて、調整の売りが入った。史上最高値をつけた米国株などと同様に、投資資金の流入を背景に上昇した資産市場とあって、クリスマス週を翌週に控えた週末の調整が進みやすかった。ニューヨーク市場の序盤にかけて1895.70ドルまで買われたが、ユーロ高は一服しつつあることや、米長期金利の下げ渋りを意識して利益確定を狙った売りが優勢となり、金先物は伸び悩んだ。

 

米国債券市場は続落:ワクチン普及による経済活動正常化期待から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは4日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)0.95%で終了した。新型コロナウイルスのワクチン普及による経済活動正常化への期待から、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。

 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ