FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米国内感染拡大や追加経済対策へ不透明感を嫌気

NYダウは148.47ドル安の30069.79ドル、ナスダックは55.71ポイント高の12519.95ポイントで取引を終了した。米国内で新型コロナウイルスの感染拡大が進むなか、経済活動制限がさらに進むとの思惑や加経済対策への不透明感を背景に投資家心理を冷やした。また、前週末に過去最高値を更新していたこともあり、利益確定目的の売りも観測された。VIX指数は20.79から21.30へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ポンド中心の相場となりドル/円は動意薄

ポンド/ドルは、欧州時間に急ピッチで値を下げた反動から買いが先行した。英国と欧州連合(EU)の協議について根強い合意期待も相場を支え、一時は1.3370ドル台まで上昇。EU関係者筋から『(英国と)本日中の合意はないだろう』との報道が伝わると1.3290ドル台まで反落する場面があったものの、その後はすぐに下げ渋る展開になった。ジョンソン英首相とフォンデアライエン欧州委員長の電話会談では合意に至らなかったものの、会談後の共同声明で『通商交渉の継続で合意』『ジョンソン英首相が協議の溝を埋めるため、ブリュッセルでフォンデアライエン欧州委員長と対面協議を行う見通し』などと伝わり、再び1.34ドル台を回復する場面も見られた。

 

ユーロ/ドルは、NY勢の参入後は米長期金利の低下などを受けて全般にドル売りが進む中、一時1.2166ドルまで上昇した。もっとも、前週末の高値1.2178ドルの上抜けに失敗すると、その後は伸び悩む展開に。米政府が一部中国当局者に対して新たな制裁を課す準備を進めているとの報道が伝わる中、NYダウの下落などでリスク回避の売りも進み、1.2108ドル付近まで押し戻された。 

 

ドル/円は、NY勢の参入後にドル売りが強まった流れに沿って103.89円の本日安値をつけたが、その後はポンドなど欧州通貨絡みの取引が中心となるなか、104.00円を挟んだ水準で方向感が乏しくなった。 

 

NY原油先物市場は反落:持ち高調整売りに押される展開

NY原油先物市場は45.36ドル-46.54ドルのレンジ相場となった。感謝祭の週のガソリン消費量が約23年ぶりの低水準となったことが嫌気され、週明けは売りが先行した。下落一巡後は前営業日比プラス圏まで買いが強まる場面があった。新型コロナワクチンの実用化が近づき、経済正常化への期待感が支えとなった。しかしながら、先週高値の手前で頭を抑えられると引けにかけては持ち高調整の売りが優勢になった。米中関係の悪化懸念もリスク資産である原油への売りを強めた。 ロンドン市場の序盤にかけて45.36ドルまで下落したが、まもなく反転。ニューヨーク市場で一時46.54ドルまで買われたが、ウイルス感染の増加を嫌気した売りが観測されており、時間外取引で45.62ドルまで反落した。

 

NY金先物市場は上昇:米中関係悪化懸念から買い優勢

NY金先物市場は1824.80-1873.00ドルのレンジ相場となった。英国と欧州連合(EU)の通商交渉が決裂する懸念が高まったことを受け、安全資産の金は買いが強まった。また香港問題を巡り、米政府が新たな制裁を中国当局者に科したことで、米中関係の悪化が危惧されたことも金相場の支えとなった。金先物は先週末高値を上抜けて上げ足を速め、11月23日以来の高値を更新した。アジア市場の終盤にかけて1824.80まで下落したが、ロンドン市場で反転し、ニューヨーク市場では、長期金利が伸び悩んだことから、一時1873.00ドルまで買われた。その後は利益確定を狙った売りが増えたことで金先物の上昇は一服した。

 

米国債券市場は反発:米国内のウイルス感染拡大から債券買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)0.92%で終了した。米国内で新型コロナウイルスの感染拡大が進むなか、経済活動制限がさらに強まるとの思惑が広がり、安全資産とされる債券に買いが入った。

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