FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:コロナウイルス感染状況悪化懸念から売り優勢

NYダウは44.81ドル上昇の29483.23ドル、ナスダックは103.11ポイント上昇の11904.71ポイントと反転して取引を終了した。新型コロナウイルスのワクチン開発は進んでいるものの、足もとの感染状況悪化への懸念から売りが先行した。下げ幅は一時210ドルを超えた。また、週次失業保険申請者数が予想外に増加したためさらに懸念が強まり軟調推移となった。ただ、米追加経済対策を巡る与野党協議が再開するとの期待が高まると、買い戻しが優勢となり上げに転じた。VIX指数は23.84から23.11へ低下した。

 

NY外国為替市場:104円台での上値の重さを再確認

ドル/円は、欧州時間に一時104.21円と日通し高値を付けたものの、104円台での上値の重さを確認すると次第に弱含んだ。米長期金利の低下に伴うドル売りや、米国株の持ち直しに伴うリスク選好のドル売りも出て、一時103.73円付近まで下落し、アジア時間に付けた日通し安値103.72円に迫った。なお、この日発表の11月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や10月米中古住宅販売件数は予想を上回った一方、前週分の米新規失業保険申請件数は予想より弱い内容となるなど強弱入り混じる結果となったため、相場の反応は限られた。

 

ユーロ/ドルは、米国株相場が下落して始まったことを受けてリスク回避のドル買いが先行し一時1.1819ドル付近まで値を下げたものの、欧州時間に付けた日通し安値1.1816ドルがサポートされると買い戻しが優勢になった。米10年債利回りが0.82%台まで低下したこともユーロ買い・ドル売りを誘ったほか、一目均衡表雲の上限1.1811ドルも重要なサポートとして意識された。米追加経済対策を巡る与野党協議が再開するとの期待が高まると、米国株相場がプラス圏に浮上。リスク選好のドル売りが次第に強まり、6時過ぎに一時1.1882ドルと日通し高値を更新した。米CNBCはシューマー米上院院内総務(民主党)の発言として『マコネル上院院内総務(共和党)は経済対策の交渉再開に合意した』と報じている。

 

NY原油先物市場は小幅に反落:需要増期待から引けにかけて買い戻し

NY原油先物市場は41.26ドル-42.15ドルのレンジ相場となった。欧州時間でリスク回避地合いが強まると、時間外の原油先物も持ち高調整の売りが強まった。もっとも、NY時間に入ると下げ渋る展開になった。新型コロナウイルスのワクチン実用化となれば経済正常化からエネルギー需要増が期待され、加えて石油輸出国機構(OPEC)プラスの減産延長観測も支えに、引けにかけて下げ幅をほぼ取り戻した。 

 

NY金先物市場は続落:ワクチン開発進展を意識した換金売り継続

NY金先物市場は1850.00-1872.60ドルのレンジ相場となった。足もとの新型コロナウイルスの感染状況は悪化しているがワクチン開発は順調に進んでおり、先行きの不透明感が後退しつつあるなかで安全資産とされる金は本日も売りが先行した。もっとも、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容となったことなどを背景に、売り一巡後は下げ渋った。引けにかけては為替相場でドルが弱含んだことも支えとなり、下げ幅をやや縮小して終えた。 換金目的の売りは継続し、ニューヨーク市場の序盤にかけて1850.00ドルまで売られたが、米国株式の下落や米長期金利の伸び悩みを意識した買いが入ったことで下げ幅はやや縮小した。

 

米国債券市場は反発:ウイルス感染再拡大から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)0.83%で終了した。新型コロナウイルスの感染再拡大による景気下振れ懸念から、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。

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