FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:利益確定売り強まる

NYダウは344.93ドル安の29438.42ドル、ナスダックは97.74ポイント安の11801.60ポイントと続落して取引を終了した。製薬大手ファイザー(PFE)が開発中の新型コロナウイルスのワクチンの最終分析で有効性が95%に達したと発表、年内にもワクチン実用化の目処が立ったほか、米連邦航空局(FAA)がボーイング(BA)の737マックスの運航停止措置を解除したことが好感され寄り付き後上昇した。しかし、その後は昨日と同様に目先の利益確定売りが強まった。特に旅客機『737MAX』の運航再開承認を受けて時間外から上昇していたボーイングは一転して売りが集中した。指数は引けにかけて一段と下げ足を速めた。VIX指数は22.71から23.84へ上昇した。

 

NY外国為替市場:コロナワクチン報道でもドル買いは一時的

ドル/円は、クロス円が全般重い動きとなるとドル円もじり安の展開となった。一時103.65円まで下押しする場面があった。もっとも、対ユーロを中心にドル高が進んだため、引けにかけては103.80円台まで下げ渋った。米製薬大手ファイザーが開発中の新型コロナワクチンが最終分析での予防効果が95%に達したと発表すると瞬間的に反発したものの、104円台での重さが意識され長続きしなかった。世界の新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないことなどを受けて『低リスク通貨』とされる円買いが加速する可能性も出てきた。

 

ユーロ/ドルは、株安に伴ってリスク回避のドル高が進んだ。引け前には一時1.1849ドルまで値を下げた。

 

NY原油先物市場は3日続伸:ワクチン開発で経済正常化への期待買い

NY原油先物市場は41.30ドル-42.68ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)プラスが来年以降も数カ月は減産幅を維持するとの見方が広まり、原油相場は底堅く推移した。新型コロナワクチンが早期実用化に近づき、経済正常化からエネルギー需要増を期待させ、NY原油先物は一時42ドル半ばまで上昇した。米エネルギー省(EIA)週間在庫統計の発表前後で売りに押される場面はあったが、下値は堅いままだった。なお在庫統計では、原油は76.9万バレルの積み増しと前回から積み増し幅が縮小された。

 

NY金先物市場は続落:換金目的売りが継続

NY金先物市場は1860.30-1884.20ドルのレンジ相場となった。米製薬大手ファイザーは、開発中の新型コロナウイルスワクチンの予防効果が95%に達したことを発表した。ワクチン実用化が大きく前進したことで経済正常化への期待感が高まった。金融市場全般にワクチン報道への反応は限定されつつあるが、安全資産とされる金にとって売り材料ということは変わらず、金先物の上値は重いままだった。ロンドン市場で1860.30ドルまで下げた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて1884.20ドルまで反発したが、米国の政治不安を嫌気して換金目的とみられる売りが優勢となった。

 

米国債券市場は反落:ワクチン開発期待が相場の重石

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)0.87%で終了した。新型コロナワクチンの開発期待が相場の重しとなった。20年債入札結果が低調な内容だったことも売りを誘った。 

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