FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:追加財政策やウイルスワクチン開発に不透明感

NYダウは97.97ドル安の28210.82ドル、ナスダックは31.80ポイント安の11484.70ポイントで取引を終了した。追加財政策を巡るムニューシン財務長官と民主党のペロシ下院議長の交渉を睨んだ展開となった。クドロー国家経済会議(NEC)委員長が交渉進展に楽観的見方を示したほか、ペロシ議長も大統領選前の合意に前向きな見方を示し一時140ドル超上げた。しかし、メドウズ大統領首席補佐官がまだ多くの相違が見られると慎重な見解を示したほか、新型コロナウイルスのワクチン開発を巡る不透明感から売りが出ると下げに転じた。ブラジル政府はこの日、同国で実施されていた英アストラゼネカとオックスフォード大が開発中のワクチンの臨床試験で被験者が死亡したと明らかにした。なお、一部報道では『死亡した被験者にはワクチンは投与されなかった』とも伝わっている。VIX指数は29.35から28.65へ低下した。

 

NY外国為替市場:欧州通貨高からドル売り強まる

ポンドが全面高となった。バルニエ欧州連合(EU)首席交渉官が『EUと英国が互いに妥協の姿勢を示せば合意は間近』と述べたことをきっかけに、交渉合意の期待が高まりポンド高が進んだ欧州市場の流れが継続した。『英国とEUの通商交渉は11月半ばまでの合意を目指し再開される見通し』との報道もポンドの支援材料となった。英政府が正式に『EUとの自由貿易協定(FTA)など将来関係をめぐる交渉を再開する』と表明するとポンド買いが加速し、ポンド/ドルは一時1.3177ドルと9月8日以来の高値を付けた。また、ポンド円は137.67円、ユーロポンドは0.9012ポンドまでポンド高に振れた。

 

ユーロ/ドルは、オフショア市場でドル安・人民元高が進んだうえ、ポンド/ドルが大幅に上昇した影響を受けてユーロ買い・ドル売りが優勢となった。米追加経済対策の合意期待も投資家のリスク選好につながり、ユーロ買い・ドル売りを誘ったため、一時1.1881ドルと9月16日以来の高値を付けた。ただ、新型コロナウイルスのワクチン開発を巡る不透明感から米国株が失速すると、リスク選好のドル売りが後退したため伸び悩んだ。

 

ドル/円は、ドルが人民元やポンドに対して下落した影響を受けて、円買い・ドル売りが優勢となり、一時104.31円と9月21日以来1カ月ぶりの安値を付けた。市場では『2日に付けた直近の安値104.94円を下抜けたことで断続的にストップロスを誘発した』との声が聞かれ、テクニカル的な売りが出た面もあったようだ。ただ、米国株が失速するとドル売りの勢いは後退し、104.62円付近まで下げ渋った。 

 

NY原油先物市場は反落:需要後退への懸念から売り優勢

NY原油先物市場は39.78ドル-41.59ドルのレンジ相場となった。米エネルギー情報局(EIA)が発表した石油在庫統計で、原油在庫は100.2万バレル減とほぼ予想通りの結果となったが、ガソリン在庫は在庫減の予想に反して189.5万バレルの積み増しとなり、エネルギー需要後退への懸念で原油は売りが優勢となった。 

 

NY金先物市場は上昇:ドル安・ユーロ高から買い優勢

NY金先物市場は1911.60-1936.00ドルのレンジ相場となった。為替市場でのドル安・ユーロ高に伴う割安感で続伸した。また、米追加経済対策をめぐる不透明感や、米大統領選の討論会を控えていることも、安全資産とされる金の買いを後押しした。ニューヨーク市場で1936.00ドルまで買われた。ただ、通常取引終了後の時間外取引では利食い売りも観測されており、上げ幅はやや縮小した。

 

米国債券市場は続落:米追加経済対策の進展期待から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは5日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は安い)0.82%で終了した。米経済対策を巡る与野党協議が進展しているとの期待感から、相対的に安全資産とされる米国債が売られた。利回りは時間外取引で一時0.8343%前後と6月9日以来の高水準を付ける場面があった。 

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