FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:追加経済救済策への期待から買い優勢

NYダウは112.05ドル高の28425.51ドル、ナスダックは56.38ポイント高の11420.98ポイントで取引は終了した。新規失業保険申請件数が前回から減少し経済封鎖前の3月中旬以来の低水準となったほか、トランプ米大統領が6日に空運会社や中小企業に向けた個別の経済対策について議会に承認を求めたことが引き続き買いを誘った。金融や資本財など景気敏感株が買われ、相場の押し上げ要因となった。もっとも、ペロシ米下院議長(米民主党)が『包括的支援策なしに航空支援法案のみの通過はない』と発言すると下げに転じる場面もあった。しかし、ムニューシン財務長官が包括的景気対策案の協議再開をペロシ議長に打診したと伝わると期待が再燃し引けにかけては再び大きく上昇した。VIX指数は28.06から26.36へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドル/円は重要イベント通過でこう着相場

ドル/円は、アジア時間に実施された米副大統領候補のテレビ討論会など重要イベントを通過したことで、欧米市場では値動きが鈍った。今日の安値は105.90円、高値は106.04円で1日の値幅は14銭程度と小さかった。なお、ペロシ米下院議長(米民主党)が記者会見で『包括的支援策なしに航空支援法案のみの通過はない』と発言すると、NYダウは一時マイナス圏に沈む場面もあったが、ペロシ氏が一部通信社とのインタビューで『包括的支援策への取り組みが保証されれば、議会通過は可能』との認識を示すとNYダウはプラス圏を回復した。為替相場への影響は見られなかった。 

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(9月10日分)で『強いユーロは金融緩和の効果を減じる』『ユーロ高に対する不透明感を避けるべき』などと、ユーロ高への懸念が表明されたことを受け全般ユーロ売りが先行した。『ECB理事会議事要旨の内容からECBが12月に追加緩和策を実施する可能性がある』との見方も広がり、一時1.1733ドルと日通し安値を付けた。デギンドスECB副総裁が『新型コロナウイルス感染拡大でユーロ圏のインフレ期待が低下した場合、一段の措置を講じる必要がある』との見解を示したこともユーロ売りを誘った。ただ、前日の安値1.1725ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが入り、1.1762ドル付近まで下げ幅を縮めた。 

 

NY原油先物市場は反発:ハリケーンの影響懸念から買い優勢

NY原油先物市場は39.76ドル-41.33ドルのレンジ相場となった。ノルウェーの一部石油・天然ガス施設で続くストライキは規模を拡大する可能性が高まり、このままでは同国生産量は25%減少するという見方も一部で報じられた。米では、明日にも南部に上陸が予想されるハリケーン『デルタ』を警戒し、メキシコ湾沖合の石油施設から従業員が避難した。供給懸念の高まりを背景に原油相場は買い優勢のまま推移した。短期的な供給不安が高まっており、原油先物を買い戻す動きが広がった。

 

NY金先物市場は小幅高:1900ドルを挟んでもみ合い相場

NY金先物市場は1885.30-1905.30ドルのレンジ相場となった。NY序盤は、予想よりも悪化した前週分の米新規失業保険申請件数を受け、1900ドル台でじり高となった。その後1890ドル割れまで売り押される場面もあったが、NY午後にかけては底堅い展開になった。ペロシ米下院議長が個別のみの財政支援策に否定的な発言をし、昨日高まった追加対策合意への期待感が後退したことで、安全資産とされる金に買い戻しが入った。 

 

米国債券市場は横ばい:米経済対策を巡るヘッドラインに振れる展開

米国債券市場で長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前営業日と同じ0.78%で終了した。米経済対策を巡るヘッドラインに一喜一憂する展開だった。トランプ米大統領が『米経済対策を巡る議会との協議が再開し、合意に達する可能性は十分ある』との認識を示したことで売りが出たものの、ペロシ米下院議長(米民主党)が記者会見で『包括的支援策なしに航空支援法案のみの通過はない』と発言すると買いが入った。

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