FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米景気の改善期待が強まり買い優勢

NYダウは215.61ドル高の28645.66ドル、ナスダックは164.21ポイント高の11939.67ポイントで取引を終了した。利益確定の売りが先行し続落して始まったものの、8月米ISM製造業景気指数が予想を上回ったことが分かると、米景気の改善期待が強まり買いが優勢となった。アマゾン・プライムに対抗して、サブスクリプション(継続課金)型の会員サービス『ウォルマート+(プラス)』を開始すると発表したウォルマートが6%超上昇し、1銘柄でNYダウを61ドルほど押し上げた。また、四半期決算が市場予想を大きく上回ったズーム・ビデオ・コミュニケーションズが40%超高と急騰した。VIX指数は 26.41から26.12へ低下した。

 

NY外国為替市場:ブレイナードFRB理事発言でドルの上値重く

ドル/円は、良好な米経済指標を受けてドル買い戻しが先行すると、前日の高値106.10円を上抜けて一時106.15円まで上値を伸ばした。ただ、米10年債利回りが低下に転じたため、ドルの上値は重かった。市場では『一目均衡表雲の下限106.40円がレジスタンスとして意識されている』との声も聞かれ、105.91円付近まで下押しする場面があった。なお、ブレイナードFRB理事はオンラインイベントで『最大雇用の実現とインフレ率を長期的に平均2%とする目標を達成するために、必要な緩和を提供することが重要』『FRBの金融政策が安定化から緩和にシフトすることが重要』との考えを示した。

 

ユーロ/ドルは、しばらくは1.19ドル台後半での神経質な展開が続いていたが、NY勢が本格参入すると1.2000ドルの節目突破を狙った仕掛け的なユーロ買い・ドル売りが強まり、一時1.2011ドルと2018年5月2日以来約2年4カ月ぶりの高値を付けた。市場では『米連邦準備理事会(FRB)が先週、ゼロ金利政策を長期化させる新たな指針を発表したことで、ドルの先安観が強まっている』との指摘があった。ただ、1.2ドル台では戻りを売りたい向きも多く滞空時間は短かった。節目の1.2ドル台に乗せた達成感からいったん利益を確定する目的の売りも出た。8月米ISM製造業景気指数が56.0と予想の54.6を上回り、1年9カ月ぶりの高水準を記録したこともユーロ売り・ドル買いを促し、一時1.1902ドルと日通し安値を更新した。なお、米商品先物取引委員会(CFTC)が前週末発表した8月25日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)のユーロの対ドル持ち高は21万1752枚の買い越しと過去最大になった。市場では『過熱感』を指摘する声も出ている。

 

NY原油先物市場は反発:米経済の回復を期待した買い

NY原油先物市場は42.72ドル-43.43ドルのレンジ相場となった。8月の米ISM製造業景気指数が市場予想を上回る結果になると、米経済の回復期待から原油価格は43.40ドル台まで上昇した。しかしながら、需給ひっ迫が和らいでいることや、欧州通貨を中心にドルの年初来安値を更新していた為替市場がドル買いになると、徐々に原油価格は弱含み前日比で小幅な上げ幅で引けた。

 

NY金先物市場は小幅続伸:米国株高・ドル高を意識した売り

NY金先物市場は1969.20-2001.20ドルのレンジ相場となった。欧州通貨を中心にドルが売られていたことで、金先物価格は一時2000ドル近辺まで上昇した。しかし8月の米ISM製造業景気指数が市場予想を上回る結果となると、株高・ドル高に反転したことで本日時の上昇分をすべて吐き出し、ほぼ横ばいで取引を終えた。アジア市場で2001.20ドルまで買われたが、アジア市場の終盤にかけて1962.30ドルまで反落した。ニューヨーク市場では米国株高を意識して上げ幅は縮小し、一時1969.20ドルまで反落する場面があった。

 

米国債市場は続伸:ブレイナードFRB理事の追加緩和示唆発言で買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)0.67%で終了した。8月米ISM製造業景気指数が予想を上回ったことを受けて売り(金利は上昇)が先行したものの、ブレイナードFRB理事が『FRBの金融政策が安定化から緩和にシフトすることが重要』と述べ、追加緩和を示唆すると買い(金利は低下)が優勢となった。

 

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