FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:FOMC議事要旨の内容を受け売り優勢に

NYダウは85.19ドル安の27692.88ドル、ナスダックは64.38ポイント安の11146.46ポイントで取引を終了した。新型コロナウイルス追加経済救済策を巡り共和党・民主党指導者は交渉を再開する見通しで、当初の計画よりも規模を削減し5000億ドル前後の規模での合意の可能性が報じられ、上昇して寄り付いた。また、新型コロナウイルスのワクチン早期開発への期待や米小売り大手の決算を好感した買いが先行した。しかし、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で『回復してきた個人消費が新型コロナ感染拡大で再び減速している』との見解が示され、景気への懸念が表明されたほか、イールドカーブ・コントロール(YCC)には前向きでないことが明らかになると、株式への売りが優勢となった。VIX指数は21.51から22.54へ上昇した。

 

NY外国為替市場:FOMC議事要旨の内容受けドル買い加速

ドル/円は、一時105.17円付近まで値を下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値105.10円の下抜けに失敗するとショートカバーが優勢になった。NY勢の本格参入後は足もとのドル安を調整する動きが加速し、一時106.15円と日通し高値を更新した。米20年債入札で『低調な需要』が示され、FOMC議事要旨で『YCCなどのハト派的な政策の導入に現時点で否定的な見解』が示されたことを受けて米長期金利が上昇し、ドル買い戻しを後押しした。 

 

ユーロ/ドルは、前日に付けた約2年3カ月ぶりの高値1.1966ドルの上抜けをアジア市場、欧州市場、NY市場序盤に試したもののいずれも失敗した。上値の重さを嫌気した市場参加者が利食いに動き、ユーロ売り・ドル買いが優勢となった。投機筋のユーロロングが過去最大を記録し、ポジションの偏りを警戒する向きが増えていることも持ち高調整目的のユーロ売り・ドル買いを誘った。米連邦準備理事会(FRB)が公表した7月28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では『金融政策を微調整し、積極的な刺激策を従来の見通しよりも長期間堅持する可能性が検討されていた』ことが分かったものの、イールドカーブ・コントロール(YCC)については『現時点ではメリットが小さく、バランスシートを大幅に拡大する可能性を懸念している』との認識が示され、YCCなど新たな緩和策には前向きでないことが明らかになった。この結果を受けて米長期金利が上昇したためドルを買い戻す動きが加速し、前日の安値1.1866ドルを下抜けて一時1.1831ドルまで下げ足を速めた。 

 

NY原油先物市場は横ばい:ガソリン在庫の大幅減少で買い優勢

NY原油先物市場は42.55ドル-43.21ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル高が進み、ドル建ての原油に割高感が生じたこともあり、売りが先行した。しかし、米エネルギー情報局(EIA)在庫統計で原油在庫は163.2万バレルの取り崩しと市場予想ほど減少しなかったも。ただ、ガソリン在庫が332.2万バレルの取り崩しと、予想より大幅に減少したことを受けて、原油に買い戻しが入った。また、追加経済支援を巡る協議で進展が期待されていることも買い材料となった。

 

NY金先物市場は大幅反落:米金融政策を巡る思惑から売り優勢に

NY金先物市場は1931.50-2015.60ドルのレンジ相場となった。アジア市場で節目の2000ドルを下回り、上値は重くなった。ニューヨーク市場の序盤に2004.10ドルまで戻したが、利食い売りが増えたことで上げ渋った。米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表された後は一段安となっており、通常取引終了後の時間外取引で1931.50ドルまで下落した。

 

米国債券市場は反落:低調な入札とFOMC議事要旨受け売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.68%で終了した。米20年債入札で『低調な需要』が示されたほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で『イールドカーブ・コントロール(YCC)などのハト派的な政策の導入に現時点で否定的な見解』が示されたことを受けて債券売りが強まった。 

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