FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:景気敏感株と金融株売りで上値の重い展開

NYダウは86.11ドル安の27844.91ドル、ナスダックは110.43ポイント高の11129.73ポイントで取引を終了した。中国人民銀行が市場に資金を供給したため上昇で寄り付いたが、ニューヨーク地区連銀製造業景気指数が予想を下回ったほか、米国の追加経済対策を巡る与野党協議が停滞するなか、米中対立への懸念から景気敏感株に売りが出た。『著名投資家ウォーレン・バフェット氏の率いる米バークシャー・ハザウェイが米銀行株への投資を減らしている』と伝わったことで、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株にも売りが出た。VIX指数は22.05から21.35へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下でドル売り優勢

ドル/円は、米国の追加経済対策を巡る与野党協議が停滞する中、8月米NY連銀製造業景気指数が3.7と予想の15.0を大幅に下回ったことで米景気の先行きへの懸念が再燃しドル売りが先行した。米商務省が中国の華為技術(ファーウェイ)に対する事実上の禁輸措置を強化すると発表したことを受け、米中対立を巡る警戒感が改めて意識されたこともドルの重石となった。米10年債利回りが0.66%台まで低下すると、ドル/円も一時105.91円と11日以来の安値を付けた。ただ、NY午後に入ると106.00円を挟んだ狭いレンジでの小動きに終始した。なお、米財務省はこの日開催された先進7カ国(G7)財務相テレビ会議で、『各国経済は持ち直しているとの認識が示された』と明らかにした。また、低所得国が直面する債務問題を巡って懸念が深まっているとの見解を示した。

 

ユーロ/ドルは、米景気の先行き不透明感や米中対立への警戒感が根強い中、ユーロ買い・ドル売りが先行し一時1.1881ドルと日通し高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時92.77まで低下した。ただ、市場では『7月下旬や8月上旬の上昇局面で押し戻された1.1900ドルがレジスタンスとして意識されている』との指摘があり、同水準に接近した場面では売りが出やすくNY中盤以降は伸び悩んだ。 

 

NY原油先物市場は反発:協調減産の順守率の高い水準を好感

NY原油先物市場は41.80ドル-42.97ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル安が進み、ドル建ての原油に割安感が生じ、原油先物は買いが優勢となった。また、石油輸出機構(OPEC)加盟・非加盟国の協調減産の順守率が高い水準であると伝わったことも、支援材料となった。ロンドン市場で41.80ドルまで下げたが、ニューヨーク市場では、ユーロ高・米ドル安の相場展開を意識して42.97ドルまで上昇した。

 

NY金先物市場は大幅反発:米景気の先行き懸念や米中対立激化で買い優勢

NY金先物市場は1939.10-2000.80ドルのレンジ相場となった。8月米NY連銀製造業景気指数が予想より大幅低下したことや、為替相場でドル安・ユーロ高が進んだことも手がかりに、金に買いが入った。また、米中対立を巡る警戒感が改めて意識されたことも買い材料となった。史上最高値を更新した後、先週は調整の売りが優勢となったが、米金融緩和策の長期化観測が強く、金の先高観は根強い。主要通貨に対するドル安も支援材料となった。

 

米国債券市場は続伸:米金融緩和の長期化観測から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.69%で終了した。8月米NY連銀製造業景気指数が予想を下回ったことで買いが先行した。米金融緩和策の長期化観測を背景に買いは入りやすい面もあった。 

 

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