FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反発:経済活動の再開にともなう回復期待で買い優勢

NYダウ289.93ドル高の27976.84ドル、ナスダックは229.42ポイント高の11012.24ポイントで取引を終了した。最近の好調な経済指標や四半期決算を受けて、経済活動の再開にともなう回復期待が広がったほか、追加財政策を巡る議会折衝も時間の問題との楽観的な見方から上昇して寄り付いた。 また、トランプ米大統領が前日の会見で『バイオ製薬モデルナと1億本の新型コロナウイルスワクチン購入の契約を交わした』と発表したことで、ワクチンが普及すれば経済の正常化を後押しするとの見方が広がり買いが膨らんだ。足もとで売りが目立っていた主力ハイテク株が買い戻されたことも指数の押し上げ要因となった。VIX指数は24.03から22.28へ低下した。

 

NY外国為替市場:107円台の上値の重さを確認

ドル/円は、予想を上回る7月米CPIを受けて米長期金利の上昇とともに買いが先行すると一時107.01円と7月23日以来の高値を付けたものの、107円台では戻りを売りたい向きも多く滞空時間は短かった。ムニューシン米財務長官の発言を受けてドル売りが強まると一時106.69円付近まで下押しした。ただ、株高を背景にユーロ/円などクロス円が上昇するとドル円にも買いが入り106.98円付近まで持ち直した。もっとも、米10年債入札後に米長期金利が上昇幅を縮めると再び上値を切り下げるなど、大きな方向感が見られなかった。なお、ペロシ米下院議長(米民主党)は『米追加経済対策巡る協議について我々はまだほど遠い場所にいる』などと発言した。米政権と与野党の協議が難航しているとの見方が強まった。 

 

ユーロ/ドルは、欧州株相場の上昇や金先物相場の持ち直しなどを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行した。7月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが入り伸び悩んだものの、ムニューシン米財務長官が『キャピタルゲイン減税のためには法律の制定が必要』との見解を示すと、米減税政策への期待感が後退し再びドル売り優勢となった。欧米株価の上昇に伴うリスク選好のドル売りも見られ、前日の高値1.1807ドルを上抜けると一時1.1816ドルまで上値を伸ばした。ただ、NY午後に入ると徐々に値動きが鈍った。新規材料難から様子見ムードが強まり、1.17ドル台後半で小動きとなった。なお、市場では『ドルショートが積み上がる中、一部ヘッジファンドはドルショートを解消し利益確定に動いている』との声が聞かれた。『ドルショートが極めて高水準になりつつあり、短期的なドルの反発リスクが高まっている』という。 

 

NY原油先物市場は大幅反発:強弱まちまちの中42.90ドルまで上昇

NY原油先物市場は41.53ドル-42.90ドルのレンジ相場となった。昨日、民間の米週間原油在庫統計で取り崩しとなったことから、本日の米エネルギー省(EIA)週間石油在庫統計(2020/8/7時点)でも在庫取り崩しが見込まれ、買いが先行した。実際に在庫の取り崩し継続が確認された一方、原油受け渡し地点オクラホマ州クッシングの在庫が積み増しを維持するなど強弱まちまちとなり、いったん伸び悩んだ。しかし、次第に買い地合いを強め、一時42.90ドルまで上振れた。アジアの序盤で41.53ドルまで下げたが、需給悪化に対する警戒感は高まっていないことから、まもなく反転した。ユーロ安・ドル高は一服したことや原油在庫の減少を意識して、ニューヨーク市場で一時42.90ドルまで買われた。

 

NY金先物市場は反発:大幅下落後の調整的な買い戻し

NY金先物市場は1874.20-1961.00ドルのレンジ相場となった。昨日は2000ドルの節目を下抜けて調整の売りが大きく進んだが、歴史的な水準への上昇に対するやや大きめな調整の範囲となった。追加的な売り要因は乏しく、本日は下げ渋った。アジア市場で1874.20ドルまで売られたが、ロンドン市場の朝方にかけて1950ドル台まで戻した。ただ、その後は上げ渋り、1961.00ドルまで買われた後に1919.70ドルまで反落した。換金目的の売りは一巡したが、米長期金利の上昇を意識して金先物の上値は重くなった。

 

米国債券市場は続落:物価指標の予想を上回る上昇で売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは4日続落(利回りは上昇)した。米10年債国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)0.67%で終了した。7月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことで売りが先行した。米国株相場の上昇も安全資産とされる米国債の売りを誘った。米10年債入札後に買いが入る場面もあったが、買いの勢いは長続きしなかった。

 

 

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