FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:利益確定売りで失速

NYダウは104.53ドル安の27686.91ドル、ナスダックは185.53ポイント安の10782.82ポイントで取引を終了した。米国の追加経済対策への期待や『ロシア政府がコロナワクチンを承認した』との報道を好感して買いが先行すると、一時360ドル超上げた。ただ、アップルなど主力ハイテク株を中心に利益確定売りが強まるとNY午後に失速した。前日まで7日続伸し約5カ月半ぶりの高値を付けていただけに利益確定目的の売りが出た。『米追加景気対策を巡る米政権と与野党の協議が行き詰まっている』と伝わったことも市場心理を冷やした。VIX指数は22.13から24.03へ上昇した。

 

NY外国為替市場:予想を上回る物価指数受け米長期金利上昇でドル買い

ドル/円は、ユーロ/ドルが上昇した影響で円買い・ドル売りが先行し一時105.93円付近まで値を下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値105.92円が目先サポートとして意識されると買い戻しが入った。米労働省が発表した7月米卸売物価指数(PPI)が前月比で0.6%上昇と予想の0.3%を上回り、2018年10月以来約1年半ぶりの高い伸びとなったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが活発化した。米追加経済対策への期待や『ロシア政府が新型コロナウイルスのワクチンを承認した』との報道を好感して、NYダウが360ドル超上昇したことも円売り・ドル買いを促し、一時106.68円と7月24日以来の高値を付けた。ただ、『米追加景気対策を巡る米政権と与野党の協議が行き詰まっている』と伝わり、NYダウが160ドル超下落するとドル/円も上値が重くなり、106.43円付近まで下押しする場面があった。

 

ユーロ/ドルは、欧州市場では8月独ZEW景況感指数が予想を大幅に上回ったことを受けて、一時1.1807ドルまで上昇する場面もあったが、NY市場では予想を上回る米インフレ指標や米金利上昇を手掛かりにユーロ売り・ドル買いが優勢となり一時1.1728ドル付近まで弱含んだ。もっとも、アジア時間に付けた日通し安値1.1722ドルを下抜けることは出来なかった。 

 

NY原油先物市場は反落:米国株安とドル高を嫌気され売り優勢

NY原油先物市場は41.48ドル-42.94ドルのレンジ相場となった。財政出動など支援策を受けた景気回復を期待した米国株高に一巡感が生じ始めた。景況改善にともなうエネルギー需要を見込んだ原油上昇も、リスク選好の流れ一服とともに落ち着いた。
 主要産油国の協調減産による供給抑制を支援に42.94ドルと、5日以来の43ドル回復をうかがう場面もあったが、その後は一時41.52ドル前後まで失速した。ニューヨーク市場の序盤にかけて株高期待で42.94ドルまで買われたが、米国株式の反落、米長期金利の上昇、ドル高を嫌って利食い売りが活発となった。

 

NY金先物市場は大幅反落:換金目的の売りで下げ加速

NY金先物市場は1911.30-2040.50ドルのレンジ相場となった。米財政出動やウイルスワクチンの早期開発への期待が米株高・金利上昇といったリスク選好につなり、安全資産とされる金は下落した。金利上昇は金利を生まない金の圧迫材料になった。また、ドル相場が対ユーロで持ち直し底堅かったことも、ドル建て金価格の換算値を押し下げた。アジア市場で2040.50ドルまで買われたが、まもなく反落。ロンドン市場の朝方に節目の2000ドルを下回った後は換金目的の売りが観測されており、下げが加速。ニューヨーク市場で1946.00ドルまで下げた後に1959.50ドルまで戻したが、米長期金利の上昇やドル高を意識して通常取引終了後の時間外取引で一段安となり、1911.30ドルまで売られた。

 

米国債券市場は3日続落:経済正常化への期待から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.07%高い(価格は下落)0.64%で終了した。『ロシア政府がコロナワクチンを承認した』との報道を受けて、経済正常化につながるとの期待から安全資産とされる米国債に売りが出た。今週予定されている国債入札による需給悪化への警戒感も相場の重石となり、利回りは一時0.6598%前後と7月13日以来約1カ月ぶりの高水準を付けた。 


 

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