FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:労働市場回復や米追加経済対策法案への期待

NYダウは185.46ドル高の27386.98ドルと6月8日以来約2カ月ぶりの高値となった。ナスダックは、109.67ポイント高の7日続伸で11108.07ポイントと史上最高値で取引を終了した。週次新規失業保険申請件数が3週間ぶりに減少したため労働市場回復への期待が広がり、上昇して寄り付いた。トランプ政権と民主党指導部による新型コロナウイルス追加経済対策法案を巡る交渉が継続する中、トランプ大統領が失業給付金や家賃未払いによる立ち退き猶予の延長を含む大統領令を策定しているとの報道が買い材料となった。「マイクロソフトは中国の動画投稿アプリ『TikTok(ティックトック)』の全世界の事業買収を検討している」との報道が好感されて、同社株が大幅上昇したほか、前週に好決算を発表したアップルなど主力ハイテク株に買いが続き、指数を押し上げた。その後、国務省が3月19日から実施していた海外渡航禁止勧告の解除を発表すると、引けにかけて一段高となった。VIX指数は22.99から22.65へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:7月米雇用統計の発表控え方向感出ず

ドル/円は、新型コロナウイルス追加経済対策を巡る米与野党協議に注目が集まるなか、円買い・ドル売りが先行した。米10年物国債利回りが一時0.5019%と過去最低を付けた3月9日以来約5カ月ぶりの低水準を付けたことも相場の重石となり、前日の安値105.32円を下抜けて105.26円まで値を下げた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり105.65円付近まで持ち直した。7月米雇用統計の発表を翌7日に控えて、方向感が出にくい面があった。NY市場に限れば105円台半ばでのもみ合いだった。

 

ユーロ/ドルは、アジア時間に一時1.1916ドルと2018年5月以来約2年3カ月ぶりの高値を付けた反動で利食い売りなどが先行した。ユーロ/豪ドルやユーロ/NZドルなど一部ユーロクロスの下落につれたユーロ売り・ドル買いも出て一時1.1818ドルと日通し安値を付けた。ただ、小安く始まった米国株が持ち直すとリスク選好のドル売りが徐々に優勢になった。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、1.1894ドル付近まで値を戻した。 

 

NY原油先物市場は反落:ポジション調整売りに押される

NY原油先物市場は41.61ドル-42.65ドルのレンジ相場となった。週半ばに発表された米石油協会(API)や米エネルギー省(EIA)の週間統計では、原油在庫の大幅取り崩しが明らかとなった。需給の引き締まりが本日も意識され、原油先物は42ドル半ばまで買いが先行した。もっとも5カ月ぶりの高水準で高値警戒感も強まっており、買い一巡後はポジション調整売りに押されて上値を切り下げた。ロンドン市場で41.61ドルまで下落した後、ニューヨーク市場の序盤にかけて42.65ドルまで反発したが、利食い売りが入っており、伸び悩んだ。

 

NY金先物市場は続伸:余剰資金が商品市場に向かう動きが継続

NY金先物市場は2049.00-2081.80ドルのレンジ相場となった。世界的に低金利の長期化が予想されるなか、余剰資金の商品市場に向かう動きが継続された。銀先物が一時約6%高まで上昇したことにも押され、金先物は2081.8ドルまで買われて本日も最高値を更新した。米国金利の先高観は後退したままであることや、ユーロ高を意識した買いは継続しており、一時2049.00ドルまで下げたものの、まもなく反転した。ニューヨーク市場で2081.80ドルまで一段高となった。利益確定を狙った売りが入ったことで2061.00ドルまで下げたが、金価格の先高観は後退せず、時間外取引で2070ドル台に戻している。

 

米国債券市場は反発:追加経済対草を巡る米与野党協議難航から買い

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.53%で終了した。追加経済対策を巡る米与野党協議が難航していることで、安全資産とされる米国債には買いが先行した。利回りは一時0.5019%と過去最低を付けた3月9日以来約5カ月ぶりの低水準を付ける場面があった。ただ、NY午後に入ると伸び悩んだ。米国株が上げ幅を拡大したことが相場の重石となった。 

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