FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:ハイテク株売りで引けにかけては上げ幅縮小

NYダウは159.53ドル高の26840.40ドル、ナスダックは86.73ポイント安の10680.36ポイントで取引を終了した。企業の良好な決算や欧州連合(EU)首脳が7500億ユーロの新型コロナ復興基金創設で合意したことを受けて、投資家心理が改善した。米主要企業の決算が良好だったことも買いを促し、一時340ドル超上げた。ただ、今週後半に主要ハイテク株の決算が控えており、内容を見極めたいとの思惑から高値警戒感が根強いハイテク株に売りが出たため、取引終了にかけては上げ幅を縮めた。VIX指数は24.46から24.84へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:NY市場からリスク選好によるドル売りが優勢

ドル/円は、EU復興基金案の合意や新型コロナワクチン開発の進捗を受けて投資家のリスク選好姿勢が強まりドルを売る動きが広がった。米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りも入り一時106.69円と15日以来の安値を付けた。なお、米上院銀行委員会はこの日、米連邦準備理事会(FRB)理事候補として金融緩和に前向きな『ハト派』で知られるジュディ・シェルトン氏とクリストファー・ウォラー氏を承認した。上院本会議で承認されれば、理事就任が決まる。

 

ユーロ/ドルは、欧州連合(EU)首脳が5日間に及んだ対面協議の末に新型コロナウイルスで打撃を受けた経済の立て直しに向けた7500億ユーロ規模の復興基金案で合意したことを受けて、投資家のリスク志向が改善した。NY序盤に一時1.1425ドル付近まで下押ししたあとは、NYダウが340ドル超上昇したことを手掛かりにリスク選好のドル売りが優勢となった。これまでレジスタンスとして意識されていた3月9日の高値1.1495ドルや節目の1.1500ドルを上抜けると断続的にストップロスを誘発し、一時1.1540ドルと2019年1月以来約1年半ぶりの高値を更新した。米10年債利回りが一時0.5922%前後まで低下したこともユーロ買い・ドル売りを誘った。 

 

NY原油先物市場は続伸:リスク選好のドル全面安を受けて買い優勢

NY原油先物市場は40.74ドル-42.51ドルのレンジ相場となった。5日間にわたった欧州連合(EU)首脳会議での復興基金案の合意などを背景に、各国の株式市場が堅調に推移したことでリスク選好により原油先物価格は大幅に続伸した。またユーロや豪ドルを中心とした、ドル全面安も原油価格の押し上げ要因になり4カ月ぶりの水準まで上昇した。アジア市場で40.74ドルまで下げたが、その後は反転した。ユーロ高・米ドル安の進行を意識して21日のニューヨーク市場で42.51ドルまで一段高となった。

 

NY金先物市場は大幅続伸:ユーロ高・ドル安を意識した買い優勢

NY金先物市場は1817.20-1844.90ドルのレンジ相場となった。ユーロ/ドルが2019年1月、豪ドル/ドルが同年4月以来のドル安水準までドルが売られたことで、金先物価格は終始堅調な動きとなり、2011年9月以来の水準まで上昇した。市場では近々に過去最高値の1920ドル台をトライするのではとの声が多い。ニューヨーク市場で一段高となり、一時1844.90ドルまで買われた。米長期金利の低下も意識された。

 

米国債券市場は小幅続伸:ポジション調整目的の買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは小幅続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.60%で終了した。新型コロナウイルス感染拡大に対応する米追加経済対策を巡り、トランプ政権と議会共和党の協議が本格化するなか、持ち高調整目的の買いがやや優勢となった。 

 

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