FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米国内のウイルス感染再拡大への警戒感

NYダウは62.76ドル安の26671.95ドル、ナスダックは29.36ポイント高の10503.19ポイントで取引は終了した。米国での新型コロナウイルス感染再拡大への警戒感が広がる中、7月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が予想を下回ったことが嫌気されて売りが優勢となった。ただ、来週の決算発表の本格化を控えて、積極的に下値を探る展開にはならなかった。一方で、ハイテク株は底堅く推移するまちまちな展開となった。VIX指数は28.00から25.68へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国の感染再拡大でリスク回避のドル売り

ドル/円は、米国の新型コロナ感染拡大の被害が再び深刻な事態となるなか、ユーロ/ドルの上昇に伴う円買い・ドル売りが入り一時106.90円と日通し安値を付けた。7月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が73.2と予想の79.0を下回ったことも相場の重石となった。なお、ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、米国の新型コロナの1日当たりの新規感染者数は16日時点で7万7000人を超え過去最多に。流行が深刻な米南部や西部で経済活動再開を巻き戻す動きが広がっている。世界でも新型コロナの新規感染が増加しており、『世界景気の回復に時間がかる』との見方が広がっている。

 

ユーロ/ドルは、明日18日まで開かれる欧州連合(EU)首脳会議で、新型コロナウイルス危機対応の7500億ユーロ規模の復興基金案について合意できるとの期待感から全般ユーロ買いが優勢となった。前日の高値1.1442ドルを上抜けて一時1.1444ドルまで値を上げた。ただ、市場では『協議は難航しており、合意するかどうかは不透明な情勢』との指摘もあった。ドイツやフランス、イタリア、スペインなどは賛成しているものの、財政規律を重視するオーストリア、オランダ、スウェーデン、デンマークのいわゆる倹約4カ国は依然として反対しているという。

 

NY原油先物市場は小幅続落:景況感悪化懸念から売り優勢

NY原油先物市場は40.18ドル-41.05ドルのレンジ相場となった。米南部・西部の州で新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからず、経済活動の停滞懸念から原油先物は40ドル手前まで売りが先行した。米疾病予防管理センター(CDC)がクルーズ船の運航停止を9月末まで延長したことも相場の重石になった。もっとも、下落一巡後は40ドル台で下げ渋った。為替相場でドル安が進行し、ドル建ての原油先物に割安感が生じたことなどが支えとなった。ニューヨーク市場の序盤にかけて41.05ドルまで買われたが、この日発表されたミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想に反して悪化したことから、40.18ドルまで反落した。その後、40.95ドルまで戻す場面があったが、40ドル台後半でもみ合う状態が続いた。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は、前週比1基減少の180基と18週連続の減少となった。

 

NY金先物市場は反発:米国感染再拡大やドル安を意識した買い

NY金先物市場は1795.20-1813.90ドルのレンジ相場となった。米南部や西部では新型コロナウイルスの感染状況が改善せず、安全資産の金に資金が向かいやすい状況は変わらず。7月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が市場予想を下回ったこと、為替相場でドル安が進行したことなども金先物の下値を支えた。アジア市場で1795.20ドルまで売られたが、アジア市場の終盤に安全逃避的な買いが入ったことで反転した。ニューヨーク市場ではドル安を意識した買いが入った。一時1813.90ドルまで上昇し、通常取引終了後も1810ドル台を維持した。

 

米国債券市場は反落:週末のポジション調整売り

米国債券市場で長期ゾーンは反落(金利は上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.62%で終了した。週末を控えたポジション調整目的の売りが出たものの、低調な7月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値を理由に買いも入ったため下値は限られた。 

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