FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:ボーイング株が米国株をけん引

NYダウは580.25ドル高の25595.80ドル、ナスダックは116.93ポイント高の9874.15ポイントで取引を終了した。全米でウイルス感染が急増していることを受けて朝方は概ね前日終値の水準で寄り付いた。しかし、米連邦航空局(FAA)が運航停止中のボーイングの主力小型機『737MAX』の試験飛行を今週始めると発表すると、ボーイング株が14%超急伸した。1銘柄でNYダウを192ドルほど押し上げた。また、ハイテク大手にも買いが広がり引けにかけて上げ幅を拡大する展開となった。市場予想を上回る米住宅指標も投資家心理の改善につながった。VIX指数は34.74から31.78へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドルは引けにかけて上値の重い展開

ドル/円は、NYダウが580ドル超上昇したことなどを背景に投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、円売り・ドル買いが優勢となった。5月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)が前月比44.3%上昇と予想の19.7%上昇を大きく上回り、2001年の統計開始以来最大の伸びを記録したこともドル買いを誘い、一時107.88円と9日以来の高値を付けた。ただ、NY中盤以降は107.90-108.00円に断続的に観測されている売り注文に上値を抑えられ、107.55円付近まで伸び悩んだ。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は明日の米下院金融委員会で『今後の経路は極めて不確実。新型コロナウイルス次第』『人々が安全を確信するまで完全な回復はないと予想』『公表されたデータは活動再開を示唆し始めている』『経済は予想より早期に新たな段階に入った』(証言原稿)との見解を示すと伝わった。

 

ユーロ/ドルは、欧州市場ではユーロ/ポンドの上昇につれた買いが入り一時1.1288ドルと日通し高値を付ける場面もあったが、NY市場に入ると上値の重さが目立った。ドル/円の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出たほか、市場予想を上回る米住宅指標が相場の重石となり一時1.1220ドル付近まで下押しした。なお、ユーロポンドは一時0.9176ポンドと3月26日以来約3カ月ぶりの高値を付けた。英国と欧州連合(EU)はこの日、自由貿易協定(FTA)など将来関係を巡る交渉の集中協議を開始した。市場では膠着を打開できるか不安視する見方が根強く、ポンド売りが優勢となった。『月末・期末を控える中、ユーロ買い・ポンド売りのフローが観測された』との指摘もあった。 

 

NY原油先物市場は反発:景気回復による需要の回復期待で買い優勢

NY原油先物市場は、37.50ドル-39.89ドルのレンジ相場となった。欧米株価の堅調な推移を受け、景気回復によるエネルギー需要の回復が意識された。6月の石油輸出国機構(OPEC)産油量が日量で前月より125万バレル減少したとの石油関連企業の推計が伝わったことも支援となった。アジア市場で37.50ドルまで下げたが、まもなく反転。欧米株式の反発を意識してニューヨーク市場で39.89ドルまで買われた。イラン検察当局は29日、トランプ米大統領を含む36人の逮捕状を取得したとの報道も材料視された。

 

NY金先物市場は小幅に続伸:安全逃避的な買いが下支え

NY金先物市場は1776.50-1790.40ドルのレンジ相場となった。景気支援策が期待される一方、コロナ第2波への懸念も根強く、リスク回避目的の買いが持続した。緩和マネーが金市場に流入するとの思惑も下支えとなった。アジア市場の取引開始後に1790.40ドルまで買われたが、換金目的の売りに押されて反落した。ニューヨーク市場の序盤にかけて1776.50ドルまで売られた。ただ、イラン検察当局は29日、トランプ米大統領を含む36人の逮捕状を取得したと報じられたことから、安全逃避的な金買いが観測されており、株高でも金先物は下げ渋った。

 

米国債券市場は続伸:月末ポジション調整の買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.62%で終了した。市場では『月末特有のデュレーション(保有債券の平均残存期間)長期化目的の買いが入った』との指摘があった。 

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