FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:ボルカー・ルールの緩和報道を好感

NYダウは299.66ドル高の25745.60ドル、ナスダックは107.84ポイント高の10017.00ポイントで取引を終了した。米国の新型コロナウイルス新規感染者数が過去最高となったことを受けて、米経済の正常化が遅れるとの懸念が強まり売りが先行した。下げ幅は一時230ドルを超えた。ただ、米金融当局が金融機関に高リスクの自己勘定取引を禁じた『ボルカー・ルール』の実質的な緩和を発表すると、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株中心に買い戻しが入り指数は上げに転じた。取引終了間際に一時300ドル超上昇する場面があった。VIX指数は33.84から32.22へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国株高でリスク回避のドル買い後退

ドル/円は、ECBの新ファシリティ(EUREP)をきっかけにユーロドルが下落すると対円でもドル買いが先行し、一時107.45円と日通し高値を付けた。ただ、一時は230ドル超下落したNYダウが持ち直したことを受けて、リスク回避のドル買いが後退すると107.11円付近まで上値を切り下げた。なお、米株式市場は米金融当局が『ボルカー・ルール』の実質的な緩和を発表したことで、金融株中心に買い戻しが入りNYダウは一時300ドル超上昇した。この日発表された5月米耐久財受注額は予想を上回った一方、前週分の米新規失業保険申請件は予想より悪化した。また、1-3月期米国内総生産(GDP)確定値は市場予想通りの結果となった。 

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)がユーロ圏外の中央銀行にユーロを融通する枠組みを新設したことを受けて、ユーロの需給が緩むとの思惑からユーロ売り・ドル買いが先行し、一時1.1191ドルと日通し安値を付けた。ただ、19日の安値1.1168ドルや22日の安値1.1169ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢になった。米国株相場の持ち直しでリスク回避のドル買いが後退したことも相場の下支え要因となり、一時1.1231ドル付近まで値を戻した。なお、ECBは4日に開いた理事会の議事要旨も公表した。独連邦憲法裁判所が量的緩和策の一部を違憲と判断したことについて、『理事会メンバーは恩恵が副作用を上回るとの見解でおおむね一致した』ことが明らかになったが、相場の反応は限定的だった。 

 

NY原油先物市場は反発:米国株安一服で押し目買い優勢

NY原油先物市場は37.08ドル-39.15ドルのレンジ相場となった。米国で新型コロナウイルス感染拡大への懸念が高まるなか、原油先物は時間外で37ドル前半まで売られた。ただ、NY朝方に発表された5月米耐久財受注額が予想を上回る結果となり、原油需要減への過度な警戒感が後退すると一転買い戻し優勢になった。底堅い米株もリスク資産でもある原油の支えとなり、一時39ドル台に乗せる場面もあった。

 

NY金先物市場は小幅続落:米国株高で上値の重い展開

NY金先物市場は1764.10-1779.60ドルのレンジ相場となった。欧州時間からNY序盤にかけて為替相場でドル高が進むと、ドル建ての金先物は売りが先行した。米国で新型コロナ感染拡大への警戒感が高まるなか、安全資産の金の下押しも限定的ではあったが、下げ渋る米国株を眺めながら買いも盛り上がらないまま終了した。アジア市場で1779.60ドルまで買われたが、ニューヨーク市場では1770ドルを挟んだ水準で推移した。換金売りは一巡したとみられている 。

 

米国債券市場は横ばい:米国株持ち直しで一転売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前営業日比と同じ0.68%で終了した。米国で新型コロナウイルスの感染が再び拡大していることが懸念されて、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入ったものの、米国株相場が持ち直すと一転売りが優勢となり失速した。 

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