FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:全米各地で経済活動再開を好感

NYダウは153.50ドル高の26024.96ドル、ナスダックは110.36ポイント高の10056.48ポイントで取引を終了した。新型コロナウイルスの感染『第2波』をめぐる懸念から売りが先行し一時200ドル超下げたものの、売り一巡後は押し目買いなどが入り持ち直した。全米各地で経済活動の再開が進んでいることやトランプ大統領が第2弾の直接的現金供給も支持する考えを示したほか、市場では『アナリストが目標株価を引き上げたアップルが買われ上場来高値を更新すると、投資家心理が上向いた』との指摘があった。 VIX指数は35.12から31.77へ低下したが、ボラタイルな状況は継続している。

 

NY外国為替市場:リスク選好のドル売りもドル/円は方向感欠く展開

ユーロ/ドルは、原油先物価格の上昇を背景に、対資源国通貨中心にドル売りが進むとユーロに対してもドル売りが先行した。米国株相場の上昇もリスク選好のドル売りを誘い、前週末の高値1.1254ドルを上抜けて一時本日高値となる1.1270ドルまで値を上げた。6月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)が予想を上回ったことも相場の支援材料となった。市場では『独憲法裁判所の判事交代が予定されており、欧州中央銀行(ECB)との見解相違が和らぐとの期待が高まっている』との声が聞かれた。独憲法裁判所は先月、『ECBが資産買い入れプログラムの必要性を証明しなければ独連銀は3カ月以内に国債買い入れを停止する必要がある』との判断を下しており、判事交代はECBとの対立解消を示す可能性がある。また、前週末の欧州連合(EU)首脳会議で返済を前提としない補助金の形式に反対したオランダのルッテ首相とマクロン仏大統領が明日にも復興基金について会談を行うとの報道もユーロを下支えした。

 

ドル/円は、 NY市場に限れば狭いレンジでのもみ合いに終始した。対資源国通貨などでドル安が進んだ影響を受けた半面、ユーロ円などクロス円の上昇につれた買いが入ったためドル/円自体は方向感が出なかった。

 

NY原油先物市場は続伸:需要回復ペース加速への期待感

NY原油先物市場は39.00ドル-40.77ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)プラス加盟国から協調減産の順守徹底が先週に表明されたことが相場の支えとなった。経済再開が徐々に進むなかで需要回復ペースが加速するという期待感も高まっている。アジア市場で39.00ドルまで下げた後、節目の40ドルを突破し、40.17ドルまで買われた。その後は、ウイルス感染の再拡大を警戒した売りが優勢となり、一時39.38ドルまで売られる場面があったが、ニューヨーク市場での時間外取引で株高などを好感して40.77ドルまで再上昇した。

 

NY金先物市場は続伸:ウイルス感染の再拡大や米国の政情不安から買い

NY金先物市場は1753.50-1779.00ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが対ユーロなどで軟調となり、ドル建ての金先物は買いが先行した。5月米中古住宅販売件数(前月比)も市場予想を下回り、安全資産とされる金に資金が向かった。米株が底堅さを取り戻すと金相場は伸び悩んだが、複数の州で新型コロナ感染の第一波延長が警戒されているなか下値は限定的だった。アジア市場で1753.50ドルまで下げたが、ニューヨーク市場にかけて上昇し、1779.00ドルまで買われた。その後は株高を意識して伸び悩んだが、ウイルス感染の再拡大や米国の政情不安を警戒して、安全逃避的な買いは縮小しなかった。

 

米国債券市場は反落:米国株高を受けリスク選好の売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは4日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)0.71%で終了した。新型コロナウイルスの感染『第2波』をめぐる懸念から『安全資産』とされる米国債には買いが先行したものの、米国株が持ち直すと徐々に売りが優勢となった。

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