FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:ウイルス感染『第2波』懸念強く上値重い

NYダウは39.51ドル安の26080.10、ナスダックは32.52ポイント高の9943.05ポイントで取引を終了した。週次新規失業保険申請件数が予想を上回り、労働市場の回復が遅れるとの懸念が強まったほか、各州でウイルス感染者数が連日増加したため警戒感から、大きく下落して寄り付いた。6月フィラデルフィア連銀製造業景況指数や5月景気先行指数が予想を上回り、一時上昇に転じる局面もあったが、警戒感を払拭できず引けにかけて再び下落した。一方で、米政府の経済対策や米連邦準備理事会(FRB)の追加緩和期待が相場を下支えする構図は変わっていない。VIX指数は33.47から32.94へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:ドル/円は方向感のないレンジ相場

ドル/円は、欧米株式相場の下落などを背景にした売りが先行し、一時106.63円まで値を下げた。ただ、12日安値の106.59円や11日安値の106.58円などが目先のサポートとして意識されたため、その後は下げ渋る展開になった。引けにかけてNYダウが下げ幅を縮小すると107.10円付近まで切り返した。NY時間も比較的狭いレンジ内での推移ではあったが、短期的には荒い値動きとなる場面も見られた。 

 

ユーロ/ドルは、ポンド/ドルの下落につれて売りが先行した。欧米株式相場の下落によるリスク回避の動きも強まり、節目の1.1200ドルを下抜けて、一時1.1186ドルと3日以来の安値を更新した。もっとも、引けにかけてはNYダウが下げ渋った影響などもあり、1.12ドル台を回復した。


 なお、ポンド/ドルは一時1.2402ドルと1日以来の安値まで下押した。英中銀金融政策委員会(MPC)はこの日、政策金利を0.10%で据え置いた一方、資産購入枠を従来の6450億ポンドから7450億ポンドに引き上げた。金融政策の公表直後こそ1.25ドル台半ばまで上昇する場面があったものの、その後はすぐに売りが優勢になった。年内の追加緩和の可能性が払しょくされていないことや、英国と欧州連合(EU)の将来的な関係を巡る交渉に進展が見られないことなどが引き続き相場の重しとなった。 

 

NY原油先物市場は反発:協調減産の順守期待から買い優勢

NY原油先物市場は37.40ドル-39.17ドルのレンジ相場となった。産油国で合意した協調減産の順守期待で反発した。石油輸出機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟国で構成する『OPECプラス』の合同閣僚監視委員会(JMMC)は会合を開催し、イラクやカザフスタンなど減産目標を達成できなかった国による補填計画を協議した。5月全体の順守率は87%となった。アジア市場で37.40ドルまで下落したが、その後反転し、ニューヨーク市場で39.17ドルまで買われた。ユーロ安が多少嫌気されたが、英国中央銀行による量的緩和策の拡大や米長期金利の低下を意識した買いが入った。

 

NY金先物市場は続落:ユーロ安で利食い売り優勢

NY金先物市場は1722.70-1749.20ドルのレンジ相場となった。新型コロナ感染の第2波への警戒感でリスク回避のドル買いが進み、ドルが対ユーロなどで上昇し、ドルの代替資産とされる金は売りに押された。ロンドン市場で1749.20ドルまで買われたが、利食い売りが観測されており、伸び悩んだ。ニューヨーク市場では1730ドル台で上げ渋る展開となり、一時1722.70ドルまで下落した。 

 

米国債券市場は続伸:コロナウイルス感染再拡大と米雇用指標悪化で買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)0.71%で終了した。米国の一部で新型コロナウイルスの感染が再拡大しているほか、この日発表された米新規失業保険申請件数が予想より弱い結果となったことも債券買いを誘った。 

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