FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は大幅下落:経済活動の早期正常化への期待後退

NYダウは1861.82ドル安の25128.17ドル、ナスダックは527.62ポイント安の9492.73ポイントで取引を終了した。ジョンズ・ホプキンス大学によると、米国の新型コロナウイルス感染者数は200万人を突破した。また、テキサス州など比較的早期に経済活動を再開した地域でウイルス感染による入院患者数が増加傾向となった。そのため、感染『第2波』が現実味を帯び、経済活動の早期正常化への期待が後退し売りが膨らんだ。米連邦準備理事会(FRB)が前日に『新型コロナで打撃を受けた経済の再建には長い時間を要する』との見通しを示したことも嫌気されて、一時1900ドル超下げた。下げ幅は過去最大だった3月16日以来、約3カ月ぶりの大きさとなった。VIX指数は27.57から40.79へ大幅に上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株急落でリスク回避の円買い優勢に

ドル/円は、新型コロナウイルスの感染拡大『第2波』や景気回復の遅れに対する懸念が広がる中、米国株相場が急落するとリスク回避目的の円買いが優勢となり一時106.54円と5月11日以来1カ月ぶりの安値を付けた。ポンド/円や豪ドル/円などクロス円の下落につれた円買い・ドル売りも入った。ただ、引けにかけては下げ渋った。原油先物価格の大幅下落を背景に対資源国通貨中心にドル高が進むと円に対してもドル買い戻しが入ったため106.92円付近まで下げ幅を縮めた。

 

ユーロ/ドルは、米国のゼロ金利政策が長期化するとの見方から、米10年債利回りが一時0.6478%前後まで低下するとユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1404ドルと日通し高値を付けた。ただ、前日の高値1.1422ドルが目先レジスタンスとして働くと上値が重くなった。欧米株価や原油価格の下落を背景に、リスク回避姿勢を強めた投資家の間で資産の現金化(ドル買い)が進むとの見方が広がると、一時1.1289ドルの本日安値までユーロ安・ドル高が進んだ。 

 

NY原油先物市場は大幅反落:欧米の急落を嫌気した売り優勢

NY原油先物市場は35.41ドル-39.09ドルのレンジ相場となった。昨日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文や、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見で米経済の厳しい見通しを発表したことで原油先物価格は大きく売られた。また米国内の10州以上がこの2週間でウイルスの感染件数が増加傾向ということもあり、感染『第2波』への懸念もあり原油価格の重石となった。また、欧米株安を意識した売りが活発となった。下げ幅としては4月以来の大きな下落だった。 

 

NY金先物市場は上昇:米国株軟調でリスク回避の金買い優勢

NY金先物市場は1727.50-1754.90ドルのレンジ相場となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)で2022年までゼロ金利を維持する方針を示したことで、昨日の時間外から金先物価格は大きく上昇していたが、本日のNY市場もその流れが続いた。米株式市場が軟調に推移し、NYダウが1900ドルを超える下げ幅を見せたこともあり、安全資産としての金先物価格が大きく買い戻された。ロンドン市場で1727.50ドルまで下げたが、ニューヨーク市場では欧米株安を意識した安全逃避の買いが活発となり、一時1754.90ドルまで上昇した。

 

米国債券市場は続伸:リスク回避の債券買い継続

米国債券市場で長期ゾーンは4日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低下(価格は上昇)0.67%で終了した。新型コロナウイルスの感染『第2波』や景気回復の遅れに対する懸念が広がる中、安全資産とされる米国債に買いが入った。米国のゼロ金利政策が長期化するとの見方が改めて強まったことも引き続き相場を支援した。 

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