FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:トランプ米大統領の会見後に買い戻し

NYダウは17.53ドル安の25383.11、ナスダックは120.88ポイント高の9489.87ポイントで取引が終了した。トランプ米大統領の中国に関する記者会見を控える中、米中関係が悪化するとの懸念から売りが先行し一時360ドル超下落したものの、会見後は急速に買い戻しが進みプラス圏を回復する場面があった。トランプ米大統領は会見で『香港への優遇措置を撤回する手続きに入る』と明らかにしたが、貿易交渉の第1段階合意の撤回や対中追加関税には言及しなかった。市場では『警戒していたほど厳しい内容ではなかった』との見方から安心感から控えにかけて買い戻しが優勢となった。VIX指数は28.59から27.51へ低下した。

 

NY外国為替市場:ロンドンのフィキシングに向けて円売り優勢

ドル/円は、日欧市場で円高・ドル安が進んだ流れを引き継いでNY市場でも円買い・ドル売りが先行し、一時107.09円と東京時間に付けた日通し安値に面合わせした。ただ、月末のロンドン・フィキシングに向けた円売り・ドル買いのフローが観測されると急速に持ち直した。市場では『107円を割り込まなかったことで短期勢がショートカバーを進めた』との指摘もあり、一時107.90円と前日の高値に面合わせした。なお、NYダウはトランプ米大統領の中国に関する記者会見を控えて、米中関係が悪化するとの懸念から売りが先行し一時360ドル超下落したものの、会見後は急速に買い戻しが進みプラス圏を回復する場面があった。トランプ氏は会見で『香港への優遇措置を撤回する手続きに入る』と明らかにしたが、貿易交渉の第1段階合意の撤回や対中追加関税には言及しなかった。市場では『警戒していたほど厳しい内容ではなかった』との見方から買い戻しが優勢になった。 

 

ユーロ/ドルは、ユーロポンドの上昇をきっかけにユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1145ドルと3月30日以来の高値を付けた。ただ、同日の高値1.1163ドルがレジスタンスとして働くと失速した。米中対立激化への懸念から米国株価が下落するとリスク回避のドル買いも散見されて、一時1.1081ドル付近まで押し戻された。ロンドン・フィキシングにかけてドルが円やカナダドルに対して買われたこともユーロドルの押し下げ要因となった。もっとも、トランプ氏が発表した中国に対する制裁措置が事前に警戒されていたほど厳しくなかったとの見方から、米国株が持ち直すとユーロドルへの売り圧力は後退した。 

 

NY原油先物市場は続伸:産油国の協調減産への思惑が引き続き支え

NY原油先物市場は32.36ドル-35.77ドルのレンジ相場となった。世界的に経済活動再開の動きが広がっていることを受けた、エネルギー需要の高まりへの期待や、6月9-10日の『OPECプラス』会議での協調減産への思惑が引き続き支えとなった。また、為替相場でドルが対ユーロなどで下落し、ドル建ての原油に割安感が生じたことも買いを後押しした。米中対立は続いているものの、二国間の通商合意が無効になる可能性は低いとの見方が出ており、原油先物は強い動きを見せた。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は、引き続き減少が続き前週比15基減少の222基となった。

 

NY金先物市場は続伸:米中対立激化懸念で買い優勢

NY金先物市場は1725.30-1754.50ドルのレンジ相場となった。28日に閉幕した中国の全国人民代表大会(全人代)で香港における『国家安全法制』を導入する決定が採択され、トランプ米大統領が中国について記者会見を行うとし、米中対立激化懸念で買いが先行した。29日のアジア市場で1725.30ドルまで下げたが、ニューヨーク市場で1750ドルを突破。この水準では利食い売りが観測されたが、株価動向を意識して一時1754.50ドルまで一段高となった。

 

米国債券市場は反発:米中関係悪化懸念とポジション調整による買い

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)0.65%で終了した。米中関係悪化への警戒感から債券買いが先行したほか、月末を控えて機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが入った。

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