FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:良好な米小売大手の決算を受け買い優勢

NYダウは369.04ドル高の24575.90ドル、ナスダックは190.67ポイント高の9375.78ポイントで取引を終了した。米国で経済活動の再開が進み、景気回復に向かうとの期待が広がった。米国では全50州で経済活動の制限が段階的に解除されており、『今週末の3連休にはビーチやレストラン、ホテルなどの営業を再開する州もある』という。良好な米小売大手の決算も投資家心理の改善につながり、NYダウは一時440ドル超上げた。VIX指数は30.53から27.99へ低下した。

 

NY外国為替市場:全般リスク・オンでドル売り優勢

ドル/円は、米国株の上昇を受けてリスク・オンのドル売りが優勢になると、一時107.34円と日通し安値を更新した。ただ、前日の安値107.30円が目先サポートとして働くと下げ渋る展開に。市場では『107.30円には買いオーダーが観測されている』との指摘もあった。

 

ユーロ/ドルは、米国株相場や原油先物価格の上昇を背景に投資家が運用リスクを取る動きを強め、ドルを売って相対的に価格変動の大きい通貨を買う動きが優勢だった。前日の高値1.0976ドルを上抜けて一時1.0999ドルと1日以来の高値を付けた。ただ、節目の1.1000ドルを上抜けることは出来なかった。直近高値である1日の1.1018ドルがレジスタンスとして働いた面もある。
 なお、米連邦準備理事会(FRB)がこの日公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月28日-29日分)では、『政策当局者らは新型コロナウイルスの感染が拡大する中、経済の下支えに向けて、あらゆる手段の活用にコミットすることで一致した』ことが分かった。また、複数の当局者が『一定の期間、短期債と中期債の利回りに上限を設けて米国債を買い入れる』との案を示したことも明らかになった。

 

NY原油先物市場は大幅続伸:原油在庫の減少などを好感した買い

NY原油先物市場は31.56ドル-33.78ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(2020/5/15時点)は、原油在庫および原油受け渡し地点オクラホマ州クッシングの在庫とも取り崩しが継続。ただ、ガソリン在庫が積み増しへ転じ、中間留分(含む暖房油)は積み増しを継続した。発表後のNY原油先物は、本日から活発限月となった7月限が直前に推移していた33.40ドル付近から、一時32.67ドルまで下押しした。ただ、底堅さは維持し、反落幅を回復して引けた。OPECプラスの減産や経済活動の再開による需給改善期待が支援となっている。また、ユーロ圏の消費者信頼感指数の改善も材料視されたようだ。

 

NY金先物市場は小幅高:ドル安が金の下支え

NY金先物市場は1744.00-1757.60ドルのレンジ相場となった。対ユーロなどでドルが続落し、ドル建て金価格を押し上げる動きが続いた。新型コロナウイルスの悪影響を懸念して緩和的な内容が予想された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を控えて、米金利低下・ドル安が進みやすかった。ニューヨーク市場では1750ドルを挟んだ水準で推移した。米国株式は上昇したものの、金先物は底堅い動きとなった。 

 

米国債券市場は続伸:超長期債入札が好調だったことで買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.68%で終了した。1986年以来34年ぶりに実施された米20年物国債の入札が『好調』と受け止められたことが債券買いを誘った。ただ米国株が上昇し、安全資産とされる米国債には売りも出たため上値は限定的だった。

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