FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:徐々に利益確定売りが優勢

NYダウは390.51ドル安の24206.86ドル、ナスダックは49.72ポイント安の9185.11ポイントで取引は終了した。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が上院銀行委員会での証言で追加措置の可能性を示唆したほかムニューシン米財務長官が中間層対象の減税の可能性に言及したことが好感され、前日終値を挟んで揉み合う展開となった。しかし、足もとで相場上昇が続いたあとだけに、利益確定目的の売りが優勢となった。前日に急伸した米バイオ医薬ベンチャーのモデルナの新型コロナ向けワクチンの臨床試験を巡り、『重要なデータが欠けており、疑わしい部分がある』との一部報道も投資家心理を冷やし、この日の安値圏で終えた。なお、モデルナ株は10%超下落した。VIX指数は29.30から30.53へ上昇した。

 

NY外国為替市場:108円台の戻り売り圧力を確認

ドル/円は、日銀が22日に臨時の金融政策決定会合を開き、新たな資金供給手段を議論すると発表したことをきっかけに円売り・ドル買いが先行した。直近高値の4月16、17日の108.08円まで上昇した。ただ、108円台では戻りを売りたい向きも多く滞空時間は短かった。200日移動平均線が位置する108.30円がレジスタンスとして意識された面もあり、引けにかけて107.69円付近まで押し戻された。米国株の反落や米長期金利の低下も相場の重石となった。

 

ユーロ/ドルは、独仏両政府が前日に欧州経済再建のための5000億ユーロの基金創設を共同提案したことが材料視されて、欧州市場では一時1.0976ドルと4日以来の高値を付ける場面があった。ただ、財政負担に消極的なオランダや北欧の加盟国が合意に応じるかはなお予断を許さない。『独仏両国が合意を見いだしたとしても、EUとしての一致にはほど遠く、両国の提案は依然として加盟27カ国の支持を必要とする』との声が聞かれた。NY市場ではユーロ/豪ドルやユーロ/ポンドなどユーロクロスの下落につれた売りが出たため、上値の重さが目立った。

 

NY原油先物市場は続伸:米国株安を意識して上げ幅縮小

NY原油先物市場は31.13ドル-32.91ドルのレンジ相場となった。OPECプラス(石油輸出国機構・OPECとロシアなど非OPECの主要産油国による枠組み)の原油生産・輸出の減少を受けた底堅さを維持した。しかし、世界的な経済活動の停滞や米中関係の悪化がエネルギー需要を抑制する要因になるとの見方があり、買いが強まりにくかった。また、米国株安を意識した利食い売りが増えたことで上げ幅は縮小した。

 

NY金先物市場は反発:米国株安を意識した買い優勢

NY金先物市場は1727.20-1751.60ドルのレンジ相場となった。19日のアジア市場で1727.20ドルまで売られたが、その後反転した。ニューヨーク市場で1750ドル台を回復した。通常取引終了後に米国株式の下げ幅が拡大したことから、金先物は主に1745ドルを挟んだ水準で推移し、底堅い動きとなった。また、対ユーロなどでドル売りが進み、ドル建て金価格の押し上げ要因になった。

 

米国債券市場は反発:米国株の下落を受け買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)0.69%で終了した。米国株の下落を受けて安全資産とされる米国債に買いが入った。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米上院銀行委員会で『新型コロナウイルス危機で悪化した景気を支えるため、あらゆる手段を講じる』と改めて強調したことも相場の支援材料となった。 

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