FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米景気が回復に向かうとの期待から買い優勢に

NYダウは60.08ドル高の23685.42ドル、ナスダックは70.84ポイント高の9014.56ポイントで取引を終了した。米国政府が中国通信機器最大手ファーウェイへの制裁強化を発表するなど米中対立激化が懸念されたほか、4月小売売上高が過去最大の落ち込みとなったことを嫌気して、大きく下落して寄り付き、一時270ドル超下落したものの、下値は堅かった。ただ、5月のミシガン大消費者信頼感が予想外に改善したほか、米国では30州以上が経済活動を再開し始めており、米景気が回復に向かうとの期待が高まった。原油先物6限が一時2カ月ぶりの高値を付けたことも投資家心理の改善につながった。VIX指数は32.61から31.89へ低下した。 

 

NY外国為替市場:上値重く引けにかけて円買い優勢

ドル/円は、米商務省が発表した4月米小売売上高(季節調整済み)が前月比16.4%減と予想の前月比12.0%減を下回り、統計開始の1992年以来最大の落ち込みとなったことが分かると全般ドル売りが先行し、一時106.86円と日通し安値を更新した。自動車を除いた数値も前月比17.2%減と予想の前月比8.6%減を大きく下回った。 ただ、前日の安値106.78円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢になった。米10年債利回りが上昇に転じたこともドル買い戻しを誘い、一時107.37円付近まで持ち直した。5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が73.7と予想の68.0を上回ったことや、一時は270ドル超下落したダウ平均が持ち直したことも相場の下支え要因となった。 もっとも、アジア時間に付けた日通し高値107.43円手前で買いの勢いは失速した。週末の終値で一目均衡表雲の上限107.30円も上回ることが出来なかった。 

 

ユーロ/ドルは、3営業日ぶりに反発したものの、一日を通して大きな方向感は出なかった。終値は1.0820ドルと前営業日NY終値(1.0805ドル)と比べて0.0015ドル程度のユーロ高水準となった。ポンド/ドルの下落につれたユーロ売り・ドル買いが先行し一時1.0789ドルと日通し安値を付けたものの、低調な米小売指標を受けて一転上昇し、一時1.0851ドルと日通し高値を更新した。ただ、米長期金利が上昇に転じると徐々に上値が重くなり1.0804ドル付近まで押し戻された。 

 

NY原油先物市場は続伸:需給バランスに対する過度な警戒感後退で買い優勢

NY原油先物市場は27.24ドル-29.92ドルのレンジ相場となった。国際エネルギー機関(IEA)月報で世界の石油需要見通しの減少幅が縮められ、需給バランスに対する過度な警戒感が後退した。米NY州では7週ぶりに感染による死者数が150人を割り込み、状況が着実に改善していることも相場のポジティブ要因とされた。6月限の最終取引日が来週火曜日に迫るなかで先月のような暴落はないとの見方が広がり、原油相場は買い優勢のまま週引けした。 米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は、引き続き大幅減少となる前週比34基減少の258基となった。

 

NY金先物市場は続伸:米中対立の激化懸念から買い優勢に

NY金先物市場は1736.80-1761.20ドルのレンジ相場となった。米商務省は15日、中国の通信機器大手ファーウェイに対する制裁強化を発表した。中国側も対抗措置を取るとの報道も伝わり、米中対立の激化懸念から安全資産の金に投資家の資金が向かった。約3週間ぶりの高値まで上昇した金先物は底堅いまま週引けした。米国株式の下げ幅が一時拡大したことも意識され、金先物は4月14日以来の高値1761.20ドルまで買われた。

 

米国債券市場は反落:5月米消費者態度指数速報値改善で売り優勢に

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)0.64%で終了した。4月米小売売上高が予想を大きく下回ったことで安全資産とされる米国債に買いが先行したものの、5月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が予想を上回ったことが分かると一転売りが優勢になった。米国株相場が持ち直したことも相場の重石となった。

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