FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米中対立懸念の高まりから売り優勢

NYダウは457.21ドル安の23764.78ドル、ナスダックは189.79ポイント安の9002.55ポイント取引を終了した。米経済活動の再開を期待した買いが先行し一時160ドル超上げたものの、そのあとは新型コロナウイルス感染の第2波を警戒した売りが次第に優勢となった。『米上院は中国少数民族であるウイグル族の人権を侵害する中国高官らに制裁措置を課す法案成立に動いている』との一部報道を受けて、米中対立懸念が高まったことも投資家心理を冷やした。また、ナスダックは7営業日ぶりに反落した。市場では『相場をけん引してきたハイテク株が利益確定売りに押された』との指摘があった。VIX指数は27.57から33.04へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国株安と良好な米10年債入札結果受けドル売り

ドル/円は、対資源国通貨中心にドル安が進んだ欧州市場の流れを引き継いで始まった。4月米消費者物価指数(CPI)は前月比0.8%低下と市場予想通りの結果となったものの、前年同月比では予想を下回り、エネルギーと食品を除くコア指数も予想より弱い数字となったことが分かるとドル売りが加速した。一時は160ドル超上昇したNYダウが失速し460ドル超下落するとリスク回避目的の円買い・ドル売りも入り、一時107.12円と日通し安値を付けた。米10年債入札が『堅調』と受け止められ、米長期金利が低下幅を広げたこともドル売りを誘った。トランプ米大統領はこの日、ツイッターで『米国もマイナス金利を導入するべき』との見解を示したものの、米金融当局者からはマイナス金利導入に否定的な発言が相次いだ。 

 

ユーロ/ドルは、対資源国通貨中心にドル安が進んだ流れに沿ってユーロ買い・ドル売りが先行した。米CPIの下落幅が11年ぶりの大きさだったことが分かると一時1.0885ドルと日通し高値を付けた。ただ、買い一巡後は伸び悩む展開になった。ポンド/ドルの下落につれたユーロ売り・ドル買いがやや優勢となり1.08ドル台半ばまで上値を切り下げた。 

 

NY原油先物市場は反発:需給改善への期待

NY原油先物市場は24.22ドル‐26.23ドルのレンジ相場となった。『OPECプラスは6月以降も970万バレルの減産を維持する公算』との一部報道を受け、26ドル前半まで急ピッチで値を上げた。25ドル前半まで押し戻される場面もあったが、サウジ以外の産油国も減産に前向きであることを支えに底堅く推移した。また、ドル安や米長期金利の低下を意識した買いが入った。中期的な需給改善への期待は残されていることも支援材料となった。

 

NY金先物市場は反発:米国株安とドル安を意識した買い戻し

NY金先物市場は1693.50‐1716.70ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが対ユーロで下落すると、ドル建ての金先物には割安感から買いが入った。引けにかけて利益確定売りに押されたが、1700ドル台を維持して終えた。ニューヨーク市場では株安を意識して1716.70ドルまで買われたが、1700ドル台では利益確定を狙った売りも観測されており、やや上げ渋った。

 

米国債券市場は反発:堅調な米10年債入札結果を受け買い優勢

米区再建市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)0.66%で終了した。米国株の失速を受けて安全資産とされる米国債に買いが入ったほか、米10年債入札が『堅調』と受け止められ、債券買いを誘った。

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