FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:感染の『第2波』の拡大懸念が上値の重石

NYダウは109.33ドル安の24221.99、ナスダックは71.02ポイント高の9192.34ポイントで取引を終了した。国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長をはじめ、米国政府の新型ウイルス対策チームの数名の専門家が自主隔離に入ることを発表するなど、米政権内でのウイルス感染リスク上昇への警戒感から、大きく下落して寄り付いた。一方、世界的に外出制限の緩和の動きが広がり、景気悪化に歯止めがかかるとの期待から持ち直す場面もあったが、戻りは鈍かった。中国や韓国で新型コロナウイルスの集団感染が再び発生したと伝わり、経済活動が徐々に再開し始めた米国でも感染の『第2波』の可能性が意識された。VIX指数は27.98から27.57へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利の上昇で全般ドル買い

ドル/円は、NY勢参入後も日欧市場からの底堅さが続いた。米10年債利回りが一時0.7243%前後まで上昇すると全般ドル買いが活発化し、直近高値である4月30日の107.50円を上抜けて一時107.77円と4月23日以来の高値を付けた。一時は260ドル超下落したNYダウが持ち直したことも相場の支援材料となった。もっとも、世界的に外出制限の緩和の動きが広がり、景気悪化に歯止めがかかるとの期待が広がる一方、中国や韓国などで新型コロナウイルス新規感染者数が増加に転じたことを受けて、市場では経済活動の早期再開による感染拡大『第2波』への警戒感も台頭している。一時はプラス圏を回復していたNYダウは結局109ドル安で取引を終えた。 

 

ユーロ/ドルは、ユーロ/豪ドルやユーロ/NZドルなどユーロクロスの上昇につれた買いが入り一時1.0844ドル付近まで買われる場面もあったが、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢に。取引終了間際に一時1.0801ドルと日通し安値を付けた。 

 

NY原油先物市場は反落:第2波の感染拡大の警戒感強く売り優勢

NY原油先物市場は23.67ドル-25.58ドルのレンジ相場となった。NY序盤には、サウジアラビアが6月産油量を追加で日量100万バレル削減する方針が伝わった。石油輸出国機構(OPEC)プラスで合意した減産幅への上乗せに、時間外ではじり安だった原油先物は25ドル半ばまで急伸した。もっとも、買い一巡後は上値を切り下げ、引けにかけてはロングを投げる動きもみられた。新型コロナウイルス感染拡大の『第2波』に対する警戒感は根強く、景気回復による需給バランス改善への期待感も高まらなかった。

 

NY金先物市場は続落:米長期金利上昇やドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1692.10-1713.80ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが対ユーロで強含み、ドル建て金先物への下落圧力となった。安寄りした米国株が底堅い展開となり、リスクオン地合いが意識されたことも安全資産とされる金の売りに繋がった。11日のアジア市場で1713.80ドルまで買われたが、利益確定を狙った売りが増えたことで伸び悩み、1700ドルを挟んだ水準でしばらく推移した。ニューヨーク市場では長期金利やドルの動向を意識して1692.10ドルまで下落し、その後は、1700ドルを挟んだ水準でのもみ合いが続いた。 

 

米国債券市場は続落:米国の経済活動再開による景気懸念が後退した売り

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)0.71%で終了した。米国で経済活動が徐々に再開し始めたことを受け、景気懸念がやや後退した。相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。

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