FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:良好な米経済指標受け買い優勢

NYダウは337.27ドル高の28015.06、ナスダックは85.83ポイント高の8656.53で取引を終了した。中国政府が『米国産の大豆や豚肉について追加関税の免除を継続する』と発表したことを受け、米中協議の進展期待が高まった。11月米雇用統計や12月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が良好な内容となったことも投資家心理の改善につながり、一時350ドル超上げた。長期金利の上昇を受けて金融銘柄に幅広く買いが広がった。クドロー国家経済会議委員長が、米中貿易交渉について改めて第一段階の合意は間近との認識を示したことも好感され、終日堅調推移となった。VIX指数は14.52から13.62へ低下した。

 

NY外国為替市場:来週の重要イベント控え円買い調整

ドル/円は、米重要指標を控えたポジション調整目的の売りが先行し一時108.53円と日通し安値を付けたものの、米労働省が発表した11月米雇用統計で、非農業部門雇用者数が前月比26万6000人増と予想の前月比18万人増を上回ったことが分かると一転上昇した。失業率が3.5%と予想の3.6%より強い内容となったこともドルの支援材料となり、一時108.92円と日通し高値を付けた。平均時給は前月比では0.2%上昇と予想の0.3%上昇を下回ったものの、前年比では3.1%上昇と予想の3.0%上昇を上回った。
 ただ、前日の高値109.00円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長がCNBCとのインタビューで『米国と中国の貿易合意は近い』としながらも、『トランプ米大統領は中国との貿易合意に署名する用意はできていない』との見解を示したことが嫌気された。市場では『来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)や欧州中央銀行(ECB)定例理事会、英総選挙や米国の対中制裁関税第4弾の発動などを控えており、ポジション調整目的の円買いが入りやすかった』との声が聞かれ、6時過ぎには本日安値である108.53円付近まで押し戻された。 

ユーロ/ドルは、良好な米雇用統計を受けてユーロ売り・ドル買いが優勢になり一時1.1040ドルと日通し安値を付けた。なお、ドルは円以外の通貨に対しては堅調だった。

 

NY原油先物市場は上昇:景気回復による需要増大期待で買い優勢

NY原油先物市場は57.70ドル-59.85ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)ほかロシアなど主要産油国=OPECプラスによる減産を材料とした買いはしぼみかけていたが、強い米雇用統計を受けて、景気回復からの原油需要増加の期待が持ち直した。一時59.85ドルと、9月17日以来の60ドル乗せに迫った。OPECプラスは来年1-3月に現行の日量120万バレルの協調減産規模を170万バレルに拡大することで合意した。追加減産は来年1月から導入される。米国内の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比5基減少の663基と減少した。

 

NY金先物市場は反落:リスク回避の買い後退

NY金先物市場は1463.30-1485.30のレンジ相場となった。強い米雇用統計が、リスク回避の金買い後退の要因になった。ドルが対円では軟調ながら対ユーロを中心に総じて買われたことで、ドル建て金相場の割高感も意識され、価格を押し下げる要因となった。また、米長期金利の上昇も売り材料となった。

 

米国債券市場は下落:良好な米雇用統計受けて売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続落(金利は上昇)した。米10年債金利は前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.83%で終了した。良好な米雇用統計を受けて、米景気減速への懸念が後退した。そのため、安全資産とされる米国債に売りが出た。

 

 

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