FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米中貿易協議の合意不透明感から売り優勢

NYダウは280.23ドル安の27502.81ドル、ナスダックは47.34ポイント安の8520.64で取引を終了した。トランプ米大統領が米中貿易協議の合意について『来年11月の米大統領選まで待ったほうが良いかもしれない』と述べ、中国との貿易合意を先送りする可能性を示唆した。投資家心理が悪化し、アップルや3Mなど中国関連銘柄を中心に売りが広がった。米中の合意先送り懸念で、米政府が15日に対中制裁関税第4弾の発動に踏み切るとの見方も強まっている。また、鉄鋼・アルミニウム関税措置やデジタル課税への報復で、ブラジルやアルゼンチン、フランスとの関係悪化が懸念され、終日下落となった。 VIX指数は14.91から15.96へ上昇した。

 

NY外国為替市場:世界的な貿易摩擦懸念拡大でリスク回避のドル売り

ドル/円は、トランプ米大統領が米中貿易協議の合意について『来年11月の米大統領選まで待ったほうが良いかもしれない』と述べ、中国との貿易合意を先送りする可能性を示唆すると、米中協議の進展期待が後退した。また、訪問先のロンドンではマクロン仏大統領と会談し、同国が導入したデジタルサービス税に関して『改善するか、相互に有益な税にするかが重要』などと語り、是正を求めた。是正に応じない場合には制裁関税を発動する姿勢を示した。さらに、ドイツに対しては『北大西洋条約機構(NATO)への拠出金を増額するべき。さもなければ貿易措置を取る』との考えを明らかにした。米国とその他の諸国で貿易摩擦が激化するとの懸念から、NYダウは一時450ドル超下落し、ドル円は一時108.45円と11月22日以来の安値を付けた。
 なお、FOXニュースは「米政府は15日にほぼすべての中国製品に対象を広げる制裁関税『第4弾』の残りを発動する予定」と報じたほか、ロス米商務長官はCNBCとのインタビューで『何も変化がなければ15日に対中関税を発動する』との見方を示した。

ユーロ/ドルは、トランプ米大統領の強硬的な通商姿勢を受けて、米国株が軟調に推移した。米長期金利も一時1.6917%前後と11月1日以来約1カ月ぶりの低水準を付けたためユーロ買い・ドル売りが優勢になった。前日の高値1.1090ドルを上抜けて、一時1.1094ドルまで上値を伸ばした。

 

NY原油先物市場は小幅に続伸:減産合意期待継続で買い優勢

NY原油先物市場は55.35ドル-56.80ドルのレンジ相場となった。5-6日開催の石油輸出国機構(OPEC)での減産合意への期待が、引き続き持ち直しの材料となった。一時56.80ドルと、前日高値をやや上回った。ただ、ロシアが、協調減産に否定的な見解を示したと伝わり、下押しを誘う場面もあった。

 

NY金先物市場は反発:リスク回避の動きが強まり安全資産の金買い

NY金先物市場は、米国がブラジルとアルゼンチンへの追加関税免除を解除したほか、フランスとデジタル課税で、ドイツとは北大西洋条約機構(NATO)拠出金について対立していることが、市場の懸念を誘った。さらに、トランプ米大統領が米中貿易協議の合意について『来年11月の米大統領選まで待ったほうが良いかもしれない』と述べ、中国との貿易合意を先送りする可能性を示唆すると、米中協議の進展期待が後退した。金は安全資産として買われたほか、リスク回避の米金利低下によるドル弱含みが、ドル建て金価格の押し上げ要因となった。 

 

米国債券市場は大幅反発:米中貿易摩擦の長期化懸念が再燃

米国債券市場で長期ゾーンは4営業日ぶりに大幅反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.11%低い(価格は上昇)1.71%で終了した。米中貿易摩擦の長期化懸念が再燃したほか、ブラジルやアルゼンチン、フランスとの関係悪化が懸念されて、安全資産とされる米国債が買われた。米10年債利回りは一時1.6917%前後と11月1日以来約1カ月ぶりの低水準を付けた。

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