FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米景気の先行き不透明感から売り優勢

NYダウは268.37ドル安の27783.04、ナスダックは97.48ポイント安の8567.99で取引を終了した。11月米ISM製造業景気指数が予想を下回ったことで、米景気の先行き不透明感から売りが先行した。中国が米国での香港人権・民主主義法案の成立を受け、報復措置を実施したほか、トランプ米大統領がブラジルやアルゼンチン産の鉄鋼などに追加関税を課す方針を示したことも投資家心理を冷やした。VIX指数は12.62から14.91へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避の動きから円買い

ドル/円は、トランプ米大統領がブラジルとアルゼンチンから輸入する鉄鋼とアルミニウムに追加関税を課すとツイッターで表明すると、NYダウ先物や欧州株が失速した。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが先行した。11月米ISM製造業景気指数が48.1と予想の49.2を下回ったこともドル売りを誘った。ロス米商務長官がFOXニュースとのインタビューで『中国と合意なければ、トランプ米大統領は対中関税を引き上げるだろう』と発言すると、米中貿易協議の合意を巡る懸念が高まりドル売りがさらに進行した。現物のNYダウが260ドル超下落し、日経平均先物が500円下げたことも相場の重しとなり、一時108.89円まで値を下げた。なお、コンウェイ米大統領顧問が「年末までに中国と合意することは可能」「米中の『第1段階』通商合意は書面化されている」と述べると109.17円付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。

ユーロ/ドルは、トランプ米大統領がツイッターで『米連邦準備理事会(FRB)は他国が通貨を切り下げてドル高につけ込むことがないよう、そうした他国と同じように行動すべきだ』と述べ、『利下げと金融緩和』を進めるよう改めて要求するとユーロ買い・ドル売りが先行した。11月米ISM製造業景気指数が予想を下回ったうえ、米中貿易協議を巡る懸念が高まると全般ドル売りが加速し、一時1.1090ドルまで上値を伸ばした。なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は欧州議会で『ユーロ圏成長は依然として弱い』『ECBの緩和策は引き続き景気支援の一助』などと述べたが、相場の反応は限られた。 

 

NY原油先物市場は反発:弱い米経済指標受け需要への期待が後退

NY原油先物市場は55.42ドルー56.67ドルのレンジ相場となった。5-6日開催の石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどOPEC以外の主要産油国による会合で、協調減産枠を現行の日量120万バレルから、160万バレルに拡大するとの見通しが伝わった。主要エネルギー消費国である中国の景況指標改善も、需要の高まりを意識させる材料となった。ただ、米ISM製造業景気指数が予想や前月より弱い結果となったことは需要への期待を後退させ、上昇幅を縮小する要因となった。 

 

NY金先物市場は反落:トランプ大統領のツイッターからリスク回避強まる

NY金先物市場は1459.80-1471.70ドルのレンジ相場となった。週末11月30日発表の11月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)や本日発表の同Caixin中国製造業PMIの強さを受け、安全資産とされる金は売りが先行した。しかし、トランプ米大統領がブラジルとアルゼンチンから輸入する鉄鋼とアルミニウムに追加関税を課すとツイッターで表明したことが、市場のリスク回避姿勢を再び強めた。ロス米商務長官がインタビューで『中国と合意なければ、トランプ米大統領は対中関税を引き上げるだろう』との見解を示したことも市場の懸念を強め、金は下落幅を縮小した。また、トランプ米大統領は香港人権法が成立したことによって貿易合意は難しくなると示唆しており、リスク回避的な金買いも観測された。

 

米国債券市場は続落:中国の景況感指数改善から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)1.82%で終了した。2日までに発表された中国の景況感指数が改善したことを受けて、安全資産とされる米国債に売りが先行したが、11月米ISM製造業景気指数が予想を下回ったことが分かると買い戻しが入り下げ幅を縮めた。 

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