FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中貿易協議進展期待の後退も底堅い展開

NYダウは31.33ドル高の28036.22、ナスダックは9.11ポイント高の8549.94で取引を終了した。CNBCが米中貿易協議について『中国側の雰囲気は悲観的だ』と報じたことを受けて売りが先行したものの、ユナイテッドヘルスやウォルトディズニーなど個別銘柄へ買いが集まり相場を下支えした。午後にかけて上昇に転じたものの、上値は限られた。 主要3指数ともに史上最高値を更新した。VIX指数は12.05から12.46へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米中貿易協議進展後退でドル売り

ドル/円は、欧州市場では米中貿易協議の進展期待から投資家のリスク選好姿勢が強まり、一時109.07円と日通し高値を付けたものの、NY市場ではさえない展開になった。CNBC記者が中国政府筋の話として『米中貿易協議巡り中国側のムードは悲観的だ』とツイートすると、日米株価指数の失速とともにリスク回避的な円買い・ドル売りが優勢となった。米長期金利が一時1.79%台まで低下したことも相場の重しとなり108.51円まで急ピッチで値を下げた。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はこの日、トランプ米大統領、ムニューシン米財務長官とホワイトハウスで会談した。トランプ氏はツイッターに『金利政策、マイナス金利、低インフレ、ドル高とその製造業への影響、中国や欧州連合(EU)との貿易について話し合った』と投稿し、会談内容を明らかにした。一方、FRBは『パウエル議長は金融政策の見通しについては言及せず、政策の道筋はデータ次第である点を強調した』と発表した。

ユーロ/ドルは、CNBC記者のツイートをきっかけに米中貿易協議の進展期待が後退し、米長期金利の低下とともにユーロ買い・ドル売りが優勢に。トランプ米大統領が「パウエルFRB議長とマイナス金利やドルについて協議した」と明らかにしたこともドル売りを誘った面があり、一時1.1090ドルと日通し高値を付けた。

 

NY原油先物市場は反落:米中協議めぐり需要後退の思惑から売り

NY原油先物市場は57.44ドル-56.55ドルのレンジ相場となった。16日に米中の閣僚級による電話協議が行われたが、第1段階合意の署名をめぐる不透明感は払しょくできず、CNBCが中国政府筋の話として『米中貿易協議の成果文書の取りまとめを巡り中国側のムードは悲観的』と報じたことも米中協議への懸念を強め、投資家のリスクオフ姿勢が原油の重石となった。また、来月のOPECプラス会合を控え、協調減産の延長はするが追加減産はないとの見方があり、買い進めづらいムードとなった。

 

NY金先物市場は反発:米中通商協議進展後退で買い優勢

NY金先物市場は1459.60-1474.40ドルのレンジ相場となった。米中通商協議への懸念が再燃し、逃避資産の金が買われた。また、為替相場でドルが対ユーロなどで下落し、ドル建ての金に割安感が生じたことも、金の買いを後押しした。また、トランプ米大統領の『FRB議長とマイナス金利やドルについて協議』との発言を受けて、先高思惑も買いにつながった可能性がある。

 

米国債券市場は反発:CNBC報道をきっかけに買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.81%で終了した。CNBC記者のツイートをきっかけに米中貿易協議の進展期待が後退すると、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。

 

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