FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:パウエル米FRB議長の議会証言で持ち直す展開

NYダウは92.10ドル高の27783.59、ナスダックは3.99ポイント安の8482.10で取引を終了した。米中通商協議の先行き不透明感や香港情勢の緊迫化が懸念されて売りが先行し一時100ドル超下落したものの、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言で『金融政策は現状が適切』と述べ、当面の金利据え置きを示唆すると株式の買い安心感につながった。ナスダックは、前日に過去最高値を更新していただけに利益確定目的の売りがやや優勢となった。 VIX指数は12.68から13.00へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米中貿易協議の進展期待が後退でドルの重石

ドル/円は、米中貿易協議の進展期待が後退したほか、香港情勢の緊迫化が懸念され、世界的に株価が下落するとリスク・オフの様相が強まり円買い・ドル売りが広がった。米長期金利が一時1.86%台まで低下したことも相場の重しとなり、一時108.66円と7日以来の安値を付けた。ただ、一時は100ドル超下落したNYダウが持ち直し、史上最高値を更新するとドル/円にも買い戻しが入り108.85円付近まで下げ渋った。『米中貿易交渉は農産物の購入めぐり暗礁に乗り上げた』との報道が伝わると、米国株の失速とともに円買い・ドル売りが優勢となり一時108.62円まで下落した。ただ、株価がすぐに持ち直したためドル/円も再び下げ渋った。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米上下両院合同経済委員会で『基本見通しは引き続き良好』と指摘した。世界経済成長の減速や米中貿易摩擦の影響など『留意するべきリスクは依然として存在する』としながらも、『経済活動が持続的に拡大する公算が極めて大きいと予想。現在の金融政策スタンスは引き続き適切となる公算が大きい』と述べた。

ユーロ/ドルは、ユーロ/円の下落につれた売りが出て一時1.0995ドルと10月15日以来の安値を付けたものの、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ったため下値は限定的だった。今日の高値は欧州時間に付けた1.1020ドルで値幅は0.0025ドル程度と小さかった。 

 

NY原油先物市場は反発:原油需要見通しの上方修正思惑から買い優勢

NY原油先物市場は56.20ドルー57.53ドルのレンジ相場となった。13日に上下両院合同経済委員会で行なわれたパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言では、『景気の基本見通しは楽観的だが、リスクは依然下方』との見方が示されており、パウエル議長の証言内容は市場参加者の想定と大きく異なるものではなかったことから、原油先物は下げ渋った。また、OPECのバーキンド事務局長が世界の原油需要見通しを上方修正する可能性を示唆したことで、堅調に推移した。また局長は世界の経済成長についても、楽観的な発言をした。

 

NY金先物市場は反発:リスク回避の動きから金買い戻し

NY金先物市場は1456.40-1467.90ドルのレンジ相場となった。 米中通商協議の行方が不透明なことや香港のデモの激化などで、アジアや欧州株式市場が軟調だったことで、避難先として金先物が買われた。また米議会でのトランプ大統領弾劾調査の公聴会初日ということも、市場の不安要素となり金先物の上昇要因となった。もっとも反落して始まった米国株がプラス圏を回復したこともあり、金先物価格も上値が限られた。 

 

米国債券市場は続伸:リスク回避の動きが強まり買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)1.88%で終了した。米中貿易協議を巡る不透明感や香港情勢の緊迫化を背景に、安全資産とされる米国債に買いが集まった。 

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