FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:対中国への証券投資制限報道を嫌気した売り

NYダウは70.87ドル安の26820.25、ナスダックは91.03ポイント安の7939.63で取引を終了した。米中高官協議が10月10日に再開されるとの報道を受け、買いが先行した。しかし、その後複数の米メディアが『トランプ政権は米投資家による中国への証券投資を制限することを検討している』と報じた。議論はまだ初期の段階とみられるが、世界の金融市場に悪影響を及ぼしかねないうえ、米中貿易協議にも響くとの懸念が広がり一時170ドル超下落した。この報道が伝わる前は一時120ドル超上昇する場面があった。VIX指数は16.07から17.22へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米投資家の対中国投資への制限報道でドル売り優勢に

ドル/円は、米中貿易協議を巡り、中国の米製品購入拡大の動きや10月の閣僚級協議が予定通り開催される見通しなどが相次いで伝えられた。これを受けて米中協議の進展期待が広がり円売り・ドル買いが先行した。『サウジアラビアはイエメンでの一部停戦に合意』との報道も好感されて、現物のNYダウが120ドル超上昇すると円売り・ドル買いが活発化し、一時108.18円と19日以来の高値を付けた。ただ、NY中盤以降は上値の重さが目立った。複数の米メディアが『トランプ政権は米証券取引所に上場する中国株の廃止を検討』『米投資家の対中投資を制限するための方策を検討』と報じると、NYダウが一時170ドル超下落した。議論はまだ初期の段階とみられるが、世界の金融市場に悪影響を及ぼしかねないうえ、米中貿易協議にも響くとの懸念が広がった。日経平均先物がマイナス圏に沈んだことも相場の重石となり、一時107.79円付近まで下押しする場面があった。

ユーロ/ドルは、アジアの取引時間帯では一時1.0905ドルと2017年5月以来の安値を付けたものの、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げる展開になった。1.0900ドルに観測されているまとまった規模のオプションが意識されたほか、レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストが『ユーロ圏の労働市場は依然強い』と述べ、域内景気の先行きにやや楽観的な見方を示したことがユーロ買いを誘い、一時1.0959ドルと日通し高値を付けた。

 

NY原油先物市場は続落:中東情勢の緊張緩和で売り優勢

NY原油先物市場は、サウジアラビアがイエメンと部分停戦との一部報道や、ロウハニ・イラン大統領の発言『米国が交渉の見返りに全ての制裁解除を提案』を受け、中東地域の緊張緩和が意識されて供給懸念の後退とともに原油先物は急落した。もっとも、トランプ米大統領がロウハニ大統領の発言を否定すると原油買い戻しの動きが強まり、54ドル後半から56ドル半ばまで大幅に反発した。その後、『トランプ政権が対中投資制限を検討』報道でリスク回避ムードが高まり、リスク資産の原油も売り優勢で週引けした。米国内の石油掘削装置(リグ)稼動数は前週比6基減少の713基となり、6週連続減少した。

 

NY金先物市場は反落:米国の対中投資制限など検討との報道で買い優勢

NY金先物市場は1493.30-1514.40ドルのレンジ相場となった。来月開催の米中通商協議への進展期待が高まり、安全資産の金は利益確定の売りが先行した。サウジアラビアがイエメンの反政府組織『フーシ派』と部分停戦との一部報道もリスクオン地合いを強め、金先物は一時1490ドル台まで売り込まれた。その後、トランプ米政権が対中投資制限を検討しており、中国に流れる米国の資金を抑制する案も検討しているもようとの報道を受けて金相場は買い戻しの動きとなり、金先物は1500ドル台を回復して週引けした。 

 

米国債券市場は続伸:米中関係悪化懸念から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)1.68%で終了した。トランプ政権が中国への証券投資制限を検討しているとの報道を受けて、米中関係悪化懸念が高まると安全資産とされる米国債に買いが入った。

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