FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米大統領の弾劾問題を嫌気した売り

NYダウは79.59ドル安の26891.12、ナスダックは46.72ポイント安の8030.66で取引を終了した。トランプ米大統領が来年の大統領選再選を視野にウクライナに圧力を掛けたとされる疑惑を巡り米下院情報特別委員会はこの日、当局者による内部告発文書を公表した。内部告発書は『トランプ大統領がウクライナを米大統領選に介入させようとした』と指摘した。トランプ大統領の弾劾問題を巡る不透明感が相場の重しとなり、指数は一時160ドル超下げた。ただ、米中貿易交渉が進展すると期待した買いも入り、取引終了前にはプラス圏を回復する場面もあった。 なお、米国が中国通信機器メーカーの華為技術(ファーウェイ)に対する禁輸措置の延長を許可しないとの見方が強まった。VIX指数は15.96から16.07へ上昇した。

 

NY外国為替市場:月末・期末を控えドル買い優勢

ドル/円は、ユーロ円の下落につれた売りが先行したほか、米長期金利が1.67%台まで低下したことが相場の重石となり、一時107.43円と日通し安値を付けた。ただ、月末・期末を控えたロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測されると徐々に強含んだ。対ユーロ中心にドル高が進んだ影響も受けた。王毅中国外相が『中国は米国製品の購入拡大に前向き』との見解を示すと、一時は160ドル超下落したNYダウがプラス圏を回復したため円売り・ドル買いが加速した。前日の高値107.88円を上抜けて一時107.96円まで上値を伸ばした。もっとも、トランプ米大統領の弾劾問題を巡る不透明感からNYダウが再び下げたこともあり、節目の108.00円を上抜けることは出来なかった。 

ユーロ/ドルは、一時1.0909ドルと2017年5月以来約2年5カ月ぶりの安値を付けた。レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミストが独経済紙ハンデルスブラットとのインタビューで『必要なら追加利下げの余地がある』と述べたと伝わると、ECBの追加緩和期待が高まり全般ユーロ売りが活発化した。12月末に退任するクーレECB専務理事の後任として、イタリア中銀のパネッタ副総裁の就任が最有力となっていることもユーロ売りを誘った。パネッタ氏はドラギECB総裁に立場が近く、現行の緩和路線を支持するとみられている。ドイツ出身で量的緩和政策の再開に批判的だったタカ派のラウテンシュレーガーECB専務理事が25日に突然辞任を表明したことも引き続き話題となった。

 

NY原油先物市場は小幅安:ドル高を嫌気した売り優勢

NY原油先物市場は55.41ドル-56.84ドルのレンジ相場となった。サウジアラビアの生産能力が早期に回復することが見込まれ、為替相場のドル高も相まって原油先物は下落基調を強めた。また、米中協議の見通しが不透明であることも嫌気された。しかしながら引けにかけては大きく値を戻した。米国防総省が、サウジ防空体制の強化を目的とした増派計画の詳細を発表した。中東地域の緊迫化が意識され、原油買いにつながった。 

 

NY金先物市場は小幅反発:米国株安・金利低下で買い戻し

NY金先物市場は1507.10-1519.50ドルのレンジ相場となった。米中通商協議の進展期待や為替相場でのドル高を背景に売りが先行も、米株安・金利低下の動きが強まると安全資産の金には買い戻しが入った。外国為替でユーロドルが2017年5月以来のドル高・ユーロ安を記録したためドル建て金先物の上値も限られたが、プラス圏を維持して引けた。 

 

米国債券市場は反発:米政治の不透明感から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年債金利は前営業日比0.04%低い(価格は上昇)1.69%で終了した。トランプ米大統領の弾劾問題を巡る米政治の不透明感を背景に、安全資産とされる米国債に買いが入った。 

 

 

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