FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米中対立が長引くとの懸念を嫌気

NYダウは142.22ドル安の26807.77、ナスダックは118.83ポイント安の7993.63で取引を終了した。中国が米国産大豆を報復関税なしで輸入することを認める措置を導入し、買いが先行した。しかし、トランプ米大統領が国連総会での演説で、中国の通商を巡る習慣を改めて批判し『米中通商協議で望ましくない合意は容認しない』と発言した。中国への強硬姿勢を強めたと受け止められ、米中対立が長引くとの懸念が広がった。ウクライナ疑惑を巡り、ペロシ米下院議長が正式な大統領弾劾尋問の開始を発表すると伝わったことも相場の重しとなり、下げ幅は一時240ドルを超えた。VIX指数は15.32から17.05へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米大統領弾劾の機運の高まりでドル売り

ドル/円は、9月米消費者信頼感指数が125.1と予想の133.5を下回り、9月米リッチモンド連銀製造業景気指数▲9と予想の1より弱い数字となったことが分かると米長期金利の低下とともに全般ドル売りが先行した。トランプ米大統領が国連総会で、中国の通商を巡る習慣を改めて批判し『米中通商協議で望ましくない合意は容認しない』と発言すると、中国への強硬姿勢を強めたと受け止められ、米中対立が長引くとの懸念が広がった。ウクライナ疑惑を巡り、来年の米大統領選の野党民主党の有力候補とされるバイデン前副大統領が『トランプ大統領が文書請求に応じなければ弾劾を支持する』との考えを表明すると、トランプ大統領の弾劾リスクが意識されてリスク回避目的の円買い・ドル売りが活発化し、一時107.01円まで値を下げた。この報道の後、トランプ大統領がツイッターで『明日、ウクライナのゼレンスキー大統領との電話内容の全記録を公開する』と明らかにすると、米国株の下げ渋りとともに一時107.42円付近まで下げ幅を縮めたものの、疑惑が収束するかどうか見通しにくいなかで戻りは鈍かった。米ワシントン・ポスト紙が『ペロシ米下院議長は正式な大統領弾劾尋問の開始を発表する』と報じると、株安と円高が再び進行し一時106.96円と9日以来の安値を更新した。なお、NYダウは一時240ドル超下落し、日経平均先物は290円下げた。また、米10年債利回りは一時1.6267%前後と2週間ぶりの低水準を付けた。

ユーロ/ドルは、低調な米経済指標が相次ぐと米金利が低下したためユーロ買い・ドル売りが先行した。米中貿易協議の進展期待の後退や、米大統領の弾劾機運の高まりで全般ドル売りが加速すると、一時1.1024ドルと日通し高値を付けた。 

 

NY原油先物市場は反落:低調な米経済指標を受け売り優勢

NY原油先物市場は56.69ドルー58.49ドルのレンジ相場となった。利益確定の売りが先行していた原油先物は、低調な米経済指標を受けたリスクオフ地合いの強まりで更に下値を試す動きになった。トランプ米大統領が国連演説で中国の貿易慣行を不公正だと名指しで批判し、米中通商協議の進展期待が後退したこともリスク資産とされる原油の重石となり一時57ドル割れまで売り込まれた。

 

NY金先物市場は続伸:低調な米経済指標やドル安から買い優勢

NY金先物市場は1522.80-1543.30ドルのレンジ相場となった。市場予想を下回った9月米消費者信頼感指数や同月リッチモンド連銀製造業景気指数の発表をきっかけに、リスク回避の動きが強まった。トランプ米大統領が国連演説において名指しで中国やイランを批判し、それぞれの国との関係悪化も懸念されて安全資産の金に資金が向かった。為替相場のドル安も支えに金先物は1540ドル台で強含んだ。 

 

米国債券市場は上昇:低調な米経済や米中対立懸念や米国政治不安

米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.08%低い(価格は上昇)1.64%で終了した。この日発表された米経済指標が軒並み低調だったことや、トランプ米大統領がに対する弾劾手続き開始を求める動きを嫌気して、安全資産とされる米国債が買われた。トランプ米大統領の国連総会での演説を受けて、米中対立が長引くとの懸念が広がったことも債券買いを誘った。

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